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或いは憂鬱な男女の痴話喧嘩
LINEの緑色のイメージカラーは、脳味噌に効く。着信音は消していることが多いが、あの色は格別だ。明るい黄緑色を見ると、夕べセックスした23歳の都庁の女の喘ぎ声がフラッシュバックする。或いは、身悶えするように恋焦がれた特別な彼女を思い出す。
いずれにせよ、あれはある種の男や女達にとっての麻薬だ。ヘロインを超える。イメージを喚起するのだ。これから起こる情事とセックスを。
俺の名前は宮本晋太郎だが、そんなものはどうでもいい、記号にすぎない。LINEのIDは「みやしん」で、女達はその名前で股を濡らす。二十一世紀の到来とスマートフォンに本当に感謝している。こんな便利なツールは未だかつて無かった。
電車に乗っている女で、スマホを見ながらにやける女の九十八%は彼氏からのLINEを読んでいる。次どこにデートに行くか、或いはもっと直接的に今夜のセックスの予定を。
彼女達を見るのが幸せだ。美しいし、すべての女がそうあるべきだと思う。そして俺のような男たちが、彼女たちをもっと悦ばすべきなのだ。




