表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/158

タイプライター

(潮崎レオルさんから頂いた単語で)

どうしたんだろう

浮かない顔をしているな

泣いてはいないけれど

どこかが痛いのだろうか

悲しいことでもあったのだろうか


完成させなくちゃ と

とりあえず君は僕に紙を差し込む

難しい顔

お隣の意地悪なおばさんに何か言われたのか

堅物編集者に急かされたのか


カタカタカタ

タイピングはいつもよりゆっくりだ

黙って打ち込む姿

たまにカフェオレを一口含んで熟考


打ち続けて休まない指

微妙に潤む瞳

見惚れるばかりの僕は何も出来ないし言えない


(いち)文字だけでも自分で打つことが出来たなら

楽にできるだろうか 君の心


ローラーを引く手は冷えて とても寒そうだ

だからと言って 僕には温めることもできないのだけれど

独り言でもいいから、聞かせて欲しいよ。

浮かない顔をしながらも、仕事を続けるその理由を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ