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無
(詩央さんから頂いた単語で)
「何でもないよ」
良くないことがあっても
「もう少しだから」って
手を握りしめ
「恵まれてるよ」
欲は満たされなくても
「もうこれで充分だ」って
手を伸ばさない
今この心に残るものは
花のように散りやすいプライド
どうでもいいの本当は
針で刺されるだけできっと
飛ぶように割れる風船と同じ
じゃあ何のために抱えるのかな
何でもないフリをし続け
結局それが何にもならないと
突然気づいてしまうんだ
誰のための私なのかな
何が私を我慢させてるの
飲み込まれていく
下らない一般的価値観に
虹はいったい 何処にいったのかな
わからないことだらけだと気付き、それが「無」だと知る。




