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ドライフラワー
(リベンジシリーズ:8さんからいただいた単語で)
ティーポットからあがった湯気の中
掠れゆくあの日の声が聞こえた
退屈を持て余す僕の日々を彩ったのは
儚さを閉じ込めた小さい花束
バラの栞が最初だったなぁ
あれからたくさんの花と出会い
いつしか形に残す作業の方に
似合わないと思いながらのめり込んだ
だけど教えてくれた君だけは
はじめから見込んでたのと得意気で
できたものを褒めてくれてさ
最終的に僕を彩ったのは
花じゃなくて たぶん 君
未練がましいと思われるかもね
眠れない夜によぎってしまうんだ
大好きだった君が笑う
美しくあたたかな色をいっぱい抱え
選べない僕を困らせるんだ
だから今、壁にかけてみたよ
良ければ見に来てくれないかな
長い長い恋文よりもきっと
届けられる気持ちがあるはずなんだ
大好きだった君は笑う
美しいその姿を永遠のものにして




