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ママレード
(天理さんからいただいた単語で)
優しさに触れたような
夏の味がした
たわわに実った畑が浮かぶ
ブリオッシュ
ゆっくりゆっくり咀嚼してくと
とめどなく満たされてく胸
ねぇ あなたは今 どうしてるのかな
泣きそうなのは 私だけかな
懐かしさにあてられただけなのかも
もしあなたもこの味にふれた時
聞こえてくる唄があるのなら
ラズベリーよりもっと清らかな
名もなき果実へ唇を寄せて 想いを馳せて
手探りで再現しようとした
食べたくなったの なんでだろう
うろ覚えのまま一生懸命
挑み続けたけど
どうにも作れそうにないや
味覚と、記憶と、




