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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

よくある勇者の結末物語、あるいはとある猛暑の王宮にて。

作者: hachikun

久しぶりです。


今さらかよって言われそうですが。

まぁよくある、アンチ王道のテンプレみたいな勇者の「結末」モノです。

なんかね、やっとこさリハビリがてら書きたくなりまして。猛暑のせいかな?


すみません、いきなりグロい表現出てきます。


あと、主人公の名前、ちょっと狙ってます。

まぁ同年代でもないとわからない気はしますが……。


『コーさま、なぜ勇者であるあなたがこんな事を!』

 鏡のむこうで、王女サマが何か叫んでいる。

 いいけど本当に王女様なのかね、この人。ずいぶんとエロい格好しちゃってさ……に俺は首をかしげる。

「何かひどく誤解があるようだから訂正しとくけどさ。俺、別に勇者でもなんでもねえぞ?」

『……は?』

 眉をしかめたり首をかしげる一同に、俺は肩をすくめた。

『何を言っているのです、あなたは間違いなく勇者コーで』

「そっちこそ何いってんの。本当の勇者ならあんたらが殺しちゃったじゃないか。何年も前にさ」

『な、何を言っているのですか?』

「何をも何も事実だろ?そこの宰相さんが何もかも知ってるさ。

 その人、異世界人が勇者でないと話がおかしくなるとかいって、勇者紋の出ていたタザロ村のユイカって少年(・・)を魔の森に投げ捨てて殺しちゃったんだぜ?なーに考えてんだかなぁ。

 いやぁ、やるよなぁ。

 せっかく、俺みたいなうさんくさい異世界人に頼らなくても、女神サマの用意してくれた勇者で決着がつけられそうだったのになぁ?」

『なん……ですって?』

 呆然とする王サマたち。

 ま、そうだろな。

「ま、そんなわけでよぅ、人違いってことでよろしくな。

 ああそうそう、その女神様がずいぶんとお怒りだぜ?それゃそうだよな、自分がせっかく用意した勇者をあんたらが殺しちゃったんだからな」

『ウソだ!女神の名を語る不届き者めが!』

「おやおや、今度はそうきたか。

 ま、女神様にあんたらが滅ぼされたってソレはあんたらの自業自得だから、俺にゃ関係ないからね。

 言っとくけどさ、これ以上こっちにグダグダ言ってくるつもりなら……俺も、おまえたちヒューマン族全てを敵対と認定するぞ。

 以上、肝に命じとけよ。じゃあな!」

『ちょっと待ちなさ……』

 文句を言われる前に俺は鏡の魔力を止めた。

 

「あんなこと言ってよかったんですか?コウ様?」

「いいんだよ。全部本当のことだしな」

 話しかけてきた村人姿の女の子に、俺はそう言った。

「もともとこの世界の勇者が女神の恵みっていうのは本当の事なんだよ。

 ここは俺のいた地球と違って魔物も野生動物も強くて危険だからさ、そうした存在から人類種を守るための一種のカンフル剤的というか、働きアリに対する兵隊アリというか……まぁ、一種の決戦存在かね。この世界の勇者っていうのは、そういう存在らしい。

 なのにさ。

 戦闘力の高さから獣人族が選ばれやすいって理由だけでそれを無視したり殺してちゃって、自分たちに都合のいい異世界人の勇者を異世界から召喚するなんて……そりゃあ慈愛の女神サマでもしまいにゃ怒るだろうよ。無理もねえさ」

 思わず、俺はためいきをついた。

「コウ様はずいぶんと女神様にお詳しいのですね?」

「ん?ああそりゃ、会った事があるからな……えっとその、ん?」

「なんですか?」

「いや、その……何か怒ってる?」

「いえ、怒ってませんが?」

 怒ってるじゃねえか。顔は笑ってるけどさ。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 なんでまた、こんな事になったのかって?

 まぁ、その、なんだ。

 そもそも話は今を去る事、四年前になる。

 

 

 セミも落ちそうなほどのとんでもない猛暑の日本。

 そこから俺は、見知らぬお城の中に唐突に『召喚』された。

 

 暑いはずなのに急に寒くなり、虫の声ひとつ聞こえなくなった。

 今にして思えば、それは撒き散らされた巨大な魔力のせいだった。でも当時の俺はそんな事わかるわけもなく、ただ混乱の中にあった。

 そして次の瞬間、俺はまったく知らない場所にいたわけだ。

『おお、よくぞ来た勇者よ。我は国王エラルドギウスである!』

『は?勇者?』

 

 わけがわからなかった。

 ただ。

 ここに呼ばれる瞬間(・・)、停止した時間の中、俺は神様を名乗る女の人に出会った。で、そこでひとつのスキルを与えられていた。

 スキル『無限解析』。

 いわゆる鑑定とかその手の類のスキルの最高峰に位置するもので、およそ、この力をくれた女神に解析できるものならば、見えないものはないっていうとんでもない代物だ。

 しかも応用もとんでもない。

 たとえば俺が強くなりたいと思えば、どういう適性を持っていて、どうすれば最短ルートで伸ばす事ができるかなんて、そんな事まで解析できるらしい。

 素晴らしい。

 きちんと意識を向けないとわからないようになっているっていうのも、またよくできてる。

 なんでもかんでもわかってしまうっていうのも人間の心には負担になるって、この世界の女神サマは知ってるってこったな。

 うん。

 さすがに慈愛の女神と言われるだけの事はあるわ。

 

 無限解析によって、俺は、俺を召喚したっていう魔法式についてはすぐに理解できた。

 それは非再帰型、つまり一方通行の召喚魔法だった。

 しかも召喚した相手を名前で縛る魔法とセットになっていて、本来は人間が支配できない強大な存在をも縛り付け、道具として使役するために作られたという極悪な魔法だった。

 

 こいつら、こんなクソな魔法で俺を召喚しやがったのか。

 ぎり、と歯が鳴った気がした。

 

 あ、俺の名は主人公(ぬしびとこう)、シュジンコウでもかまわない、好きに呼んでくれ。

 一応言い訳しておくが、もちろん偽名だ。

 有名人の名前でもよかったんだけど、俺、友達に堀のつく有名な人と同姓同名のやつがいてさ、有名人と同名の苦労とかそういうのをイヤってほど見せられていたもんで、本名を隠したい時に使う名前って、もともと考えてあったんだよね。

 え、それでその由来はなんだって?

 ああ、これは昔の人なら名無しの権兵衛(ごんべえ)、もうちょっと若い世代ならジョン・スミスってやつか?

 今はなんていうんだろ?ま、要は誰でもないって意味さ。

 

 わかってる、そんな安易な偽名はすぐバレるっていうんだろ?

 でも幸いなことに、バレる事はなかったらしい。

 ある晴れた夏の日に突然、何やら異世界とやらに召喚された俺はコー君、シュディーン殿などと多少なまりつつも普通に覚えられて、そしてまぁ、その、なんだ。勇者様をやれって言われたわけなんだけどさ。

 

 勝手に断りもなく突然に異世界なんぞに誘拐しておいて、それを謝りもせず。

 さらに自分らのために命をかけて戦えって?

 なんだよそれ。ひとをバカにしてんのか。

 定番を通り越して草生えるどころか大草原だっつーの。

 

 もちろん、そんなもんお断りだった。

 だけど、その時の俺は当然ただの一般人。

 それにね、例の無限解析スキルのおかげでさ、この場がどういう場所かもわかったんだよね。

 もし今、その場で勇者になるのを断ったらどうなると思う?

 その時はね、その場で取り押さえられ、首をはねられるのさ。

 この魔法陣に魔力を蓄積するには何年もかかるんだけどさ、失敗した召喚物をその場で殺して生き血を吸わせると、その魔力をリサイクルするんで劇的に早く再召喚ができるらしいぜ。

 んで、すでにここは数知れぬ異世界人の血を吸っているらしい。

 

 うわぉ。

 なんだその、グロ系十八禁の洋ゲーも真っ青のリサイクルシステム。

 言うこときかなきゃ、首ごとポポポポーン(死語)ってか、ふざけんな。

 

 もちろん俺は死にたくなかった。

 しかし仮にも勇者を引き受けるのは、あまりにも危険すぎる。

 異世界から人を引き込むほどの魔法陣だけあって隷属縛りもめっちゃ強力で、事実上未来永劫に縛られ続けるんだと。

 そんなわけで、まずは結論を先に伸ばしてもらった。

 まぁ、こんな感じに会話してな。

 

「なるほど、お話は理解できました。

 しかし、たった今それにお答えするには大きな問題がありますね。ついては確認のための時間をいただけますかね?」

 はぁ?と眉をしかめる面々。

 とりあえずバカが怒り出す前に、きちんと論理的に説明をしてやった。

「そもそもですね、今の自分の能力を考えると、勇者なんてそもそも引き受ける以前の問題ですねえ。

 このままじゃ役に立つとは正直思えない。

 しかし、僕は勇者として召喚されたのでしょう?」

 水を向けてやると、そうだと皆は肯定を返してきた。

 で、何か言われる前にさらに、畳み込むように続けた。

「ならばたぶん、鍛えれば伸びるって事なんでしょうね。

 しかし、僕としては信じられないわけで。

 だったらまずは訓練してみて、そして同時にこの世界について勉強させてもらいます。

 で、何とか見込みありそうなら、その時点をもって改めてどうするかを決める。

 もちろん、あなた方としてはその間に、僕をその気にさせるべく説明なり説得なりすりゃいいわけだ。

 どうでしょう?

 お互いに利点のあるお話じゃないかと思うんですが?」

 言葉だけは確認だけど、身振り手振りを交え、口先八丁で丸め込んでいく。

 王サマとか偉い人っぽいのが渋い顔してるけどよ、知らねえよそんなの。

 もっともらしい事を並べて、どうよと言ってみた。

『ふむ……言いたい事はわかるが、ではどうしろというのだ?』

 王サマが、困ったような顔をしつつも乗ってきてくれた。

「しばらく僕を鍛えてくれませんかね?どうせ引き受けた場合だって、その予定だったのでしょう?」

 

 とにかく、まずは見極めとして鍛錬をしてもらう事を確約させた。

 これにはふたつの意味があった。

 王様たちとしては、別に俺が勇者である必要はないのだろう。使えないとなれば殺せばいいんだから。

 だけど、俺ぬきに次の召喚をしようとしたら、魔力の蓄積に年単位の時間がかかるらしいし、かりに俺を殺してリサイクルしたとしても、手間も犠牲もゼロってわけじゃあないらしい。なんか、乙女の心臓がどうとか恐ろしいこと言ってたけどな。

 つまり彼らとしても、俺が使えるに越したことはないってわけだ。

 ならば。

 今この場じゃなく来月に殺す事になったとしても。

 数年かかる事を思えば、一ヶ月程度の見極めなんて大した話じゃないだろう。

 しかも、その間に俺がやるのは魔法の鍛錬。つまりおそらく、今よりも魔力は向上するわけで。

 

 つまり、あんたらにも利点があると持ちかけた事で、相手の譲歩を引き出したわけだ。

 

 そんでまぁ一ヶ月たつ直前に、俺はまんまと逃げ出したってわけさ。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 時はまた今に戻る。

 

 ここは、あの国からだいぶ離れた田舎の村。例のタザロ村の生き残りの人たちを手伝い、あちこちの村の生き残りの子供たちと一緒に、一種の開拓村を作ったんだよね。

 さらに、ここを領地としている国は開祖が異世界人で、魔法の研究が盛んだ。どちらかというと魔法が得意な俺には住みやすい国でもあった。

 あ、そうそう。

 冒頭で殺されたって言ったユイカって少年なんだけどさ。

「ところでコウさん、どうしてさっき、私の事を男の子扱いしてたんですか?」

「元々はあの宰相の誤認だけどさ、わざわざ誤解をとく必要はないだろ?」

「そういうものですか?」

「そうさ。それとも、彼らに捕まって壊れるまで子供産みマシンさせられたい?」

「男の子でいいです」

 そう。ユイカは少年でなく少女だった。

 

 え、どういう事かって?

 あのさ。

 異常に潔癖で、なおかつ不健康なほどに清潔な現代日本の子供しか知らないとわからないかもしれないけどさ。

 正直、風呂も新しい衣類もろくにない寒村のガキの場合、慣れてない都会っ子には男も女も不明なんてのはよくある事らしいよ。

 あの宰相さんは、それがわからなかった。地方なんて単なる財源としか見てないようだったからね。

 正直、俺も最初は男の子だと思ってた。

 で、殺されかけてたところを横からかっさらって、食わせて風呂いれて着替えさせてやったんだけど。

 それで女の子だと知った時には本当に驚いたんだよなぁ。

 え、解析しなかったのかって?

 しないしない、本人の了解なしに情報探るなんてのは最後の手段だよ。

 

 しかし何がツボに入ったんだか、こんな得体のしれない異世界人に妙に懐いてくれちゃってなぁ。

 

 まぁ魔法の才能があるみたいで、俺も彼女に教えるといいつつ、実はいろんな事を教えてもらっている状態なんだよ。

 この世界の事とか。

 あと、俺ってどうも根本的に対人が苦手みたいなんで、そういう時のサポートとかな。

 

 この子がもしいなかったら、俺はどうしてただろう?

 きっと俺、この世界の人間全てに対する不信感を払拭できなくて。

 獣人やエルフたちとも仲良くなれたかどうか。

 そう考えると、本当にありがたいよ。

 

 今も人間族は憎い。ろくな目にあわされてないし。

 だけど、そうでないヤツもいる。

 脳筋が多いけど、気のいいヤツが多い獣人族。

 ちょっぴりお高くとまってるけど、自然を愛し、世界を愛する事にかけては誰にも負けないエルフ。

 そして。

 どっちにも負けるし能力も低いけど、したたかで強欲で、それゆえにたくましく生きる、この世界本来の人間族。

 

 そうした姿をユイカたちを通して見せてもらって。

 だから、俺は敵対をやめ、この世界に骨をうずめようって思えたんだ。

 

 それにしても、ユイカもずいぶんとかわいくなったもんだなぁ。

 今はまだ子供が残ってるから俺なんかにも優しいけど、そのうち誰かが好きになって、そいつの子うんで、かーちゃんになっていくんだろうな。

 ふふふ。

 え、俺?

 あー、そりゃユイカは可愛いし夢もちょっと見ちゃったりするけどさ。

 でも、さすがに俺じゃイヤだろユイカだって。なぁ?

 

「……はぁ」

「ん、どうしたんだいユイカ?ためいきついちゃって」

 しかもなんか肩すくめてるよ。あれは『呆れ』の時の癖だな。

「ほんっと、にぶちん。まぁ、手当たり次第よりは、ちょっとヘタレで鈍いくらいの方がいいかぁ」

「?」

 わけがわからない。

「ところでコウさん、あの国の今後はどうなると思う?」

「俺は予測は専門外だけど……まぁたぶんダメだろうな」

 この世界にどうして魔法があったり勇者なんてものがあるのか、今の俺にはよくわかる。

 要はそれだけ、自然界に競争相手が多いわけで。

 魔法っていうのは知性ある生命体への女神様の贈り物。

 そして勇者っていうのは、一種の決戦存在なんだと思う。働きアリに対する兵隊アリみたいな。

 兵隊アリは、働くためでなく群れを守るために力をふるう。

 おそらく勇者っていうのもそういう存在なんだ。

 

 なのに。

 そんな世界で、しかも魔の領域が強くなっている今の現状なのに、同じ人類国家同士で足の引き合い、潰し合いばかりとはね。

 そんな国、俺が何かしなくても自然淘汰(しぜんとうた)されると思うよ。

 

「どうして、あの国が勇者召喚なんてできたと思う?

 つまり元々、あのへんは立地的に人間が不利な立地なんだ。魔の領域にも近いし、近郊の魔物も強い。

 だからこそ、異世界から勇者なんて呼べるくらいの力を集められるんだろうけど。

 でもなぁ。

 なんでそんな力を、純粋に国を守るために使えないんだろうかね?」

「うん、そうだね」

 

 今はまだ、各地の現場で下位貴族や下流騎士たちが頑張ってる。

 だけど、それを上層部は全く理解していないし、しようともしていない。

 

 あの国はたぶん、滅ぶ。

 魔物に滅ぼされるか、見かねた周囲の国が占領して立て直すかは知らないけど。

 

 どちらにしろ、責任者であるあの人たちは残れないだろう。

 

 魔物たちは定期的に爆発的に増える事がある。

 特に今年は魔の領域で魔王が元気なもので、例年になく魔物たちが元気らしい。

 なのに。

 彼らは今年の魔物の大繁殖が何を意味するかも全く理解していない。

 理解してないからこそ。

 被害者である俺は人間族の勇者などやらんと正式につっぱねているのに、勝手に勇者だ勇者だと宣伝したりするわけだし。

 そして、俺が魔王を討たないからだとか筋違いな宣伝をはじめる始末で。

 

 まったく、バカだろあいつら。

 俺が人間族の国に異世界から強制的に誘拐された、いわば被害者である事は冒険者ギルドにも報告ずみで、そして人種を越えてこの全世界の国家に伝わっているはずなのに。

 なのに、その誘拐した当事国がそんな悪意の噂をばらまこうとしても、信じる国などあるわけがなく、ただ彼らの評価が落ちるだけ。

 

 なんていうか、言葉がないな。

 

 そんな事を考えていると、なぜかユイカがにっこりと笑った。

「ねえ、コウさん」

「ん、なんだ?」

「明日なんだけど、村長さんとおばさまが来るの」

「え、そうなの?何かあったかな?」

「うん。大切な話があるみたい」

「そうなの?」

「うん。おめでたい話なんだけど、相手がヘタレで進まないから来るんだって」

「へぇ。なんだろ?」

「なんだろうね?」

 ユイカはちょっといたずらっぽく、そしてかわいくウフフと笑った。

 

(おわり)


 今回のテーマはズバリ、友達もつくに作れない不器用な劣等生がチートを手にしたひとつの結末です。

 

 なんでも解析できるってすごい能力がある。世界を救うような戦いだってできる。

 でも。

 結局根っこはお人好しで間抜けなんで、個人的な事には全くそれを生かせてない。そういう人物です。

 本来は劣等生で自己評価が低く、しかも半端に真面目でにぶちんで、自分が傷つくのも怖いから踏み出せないヘタレ。

 その気になればハーレムだって築ける立場だったろうに、なまじすごいスキルがあるがゆえに、逆に「そんなことしちゃいけないだろ」と、そっち方面の才は全く伸ばそうとしないし、女心も全く読み取れない。

 そのくせ、そばにいてくれる女の子への好意は本人以外の誰もがよく知ってる……と。

 

 で、それに呆れたり困ったり見かねたりした人たちが、不器用な真面目っ子のために居場所づくりを手伝ってくれている……。

 とまぁ、そんな感じです。

 

 お読み下さり、ありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[一言] 何故か星新一の『宇宙の挨拶』ってショートショートを思い出した。 楽しませていただきました♪ 自分の流儀だけを押し付けると、いずれは大きなしっぺ返しを喰らう。とは限らないんだけどね。
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