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第一話 被災






????年?月?日AM12:00 静岡県初島



 ここは静岡県初島にある軍基地の一室・・・。だが、その室内は本棚や植木鉢が倒れ、ありとあらゆる物が散乱していた。さらにそのなかで一人の男が倒れていた。



「・・・うっ、・・・クソ、あいつまた飛ばしやがって・・・。ここは・・・基地の中か?しかし、さっきの揺れはなんだ?やっぱりあいつの所為か?ここ自体やわな設計で作ってないのに・・・。よし、電気は生きてるな・・・・」



 男はぶつくさ言いながら部屋を出た。それから廊下を急ぎ足で歩き突き当たりのエレベーターに乗り込み司令室のある階に向かう。





????年?月?日AM12:10 日本帝国軍初島基地司令所


 男が司令所と書かれたドアにカードキーを通して扉を開ける。


「!あ、広和様ご無事でしたか!!」


 男が指令所に入室すると20代の女性が安心したように広和と呼んだ。


「ああ、俺はエレベーターに閉じ込められたがシャフトを上って来たから無事だ。・・・おい、お前・椿若くなってないか。」

「えっ!それは広和様が?!ではないのですか?」

「何?!」


 二人が互いに驚き室内を見渡すと他の人達もそれぞれ、自分達が若返っている事に驚いていた。(実年齢51歳の広和も見た目二十代の青年に見える。)


「兎に角、他の部隊や基地には連絡がついたか?」


「いえ、未だに各帝国軍基地には連絡が着いておりません。

 一応、連絡がついた部隊はこの初島基地所属の全部隊と訓練の為に移動中の帝国軍富士基地所属・機甲教導団第二大隊、教導団普通科歩兵第一連隊、教導団機械化歩兵第一大隊と、同教導団の輸送任務に就いていた海軍横須賀基地所属・第63輸送艦隊の旗艦【伊吹】を含む20隻のみです。

 それと異常としては基地内の全ての電子機器が1923年9月1日を指している事ぐらいです。多分こちらは機器の故障かと思われます。」


「そうか、・・・だと良いがな。一応、全艦隊をこちらに戻しておいてくれ。それで今分かっている戦力をまとめてあるか?」


「こちらに・・。」


 椿が事前に準備しておいたのか、脇に抱えていた資料を浩一に渡す。


 最近独り言が増えてきた浩一は「陸上戦力が・・・。」などと呟きながら資料に目を通す。



三個戦術機甲連隊(戦術機364機)

七個機甲大隊(戦車200両・支援車両90両)

三個機械化歩兵大隊(機械化歩兵装甲200機・支援車両24両)

二個歩兵連隊(支援車両24両)

一個警備歩兵大隊

一個整備連隊

一個施設科連隊(支援車両10両・工作車両20両)

一個輸送大隊


「と、次に海上戦力が四個艦隊60隻余りで、最後に航空戦力が・・・一個航空輸送中隊と二個戦術輸送小隊、一個航空戦闘大隊、一個航空支援大隊・・・・ってことか。この基地は大丈夫だな。」プシュー


「遅れてしまい申し訳御座いません。広和様。」


 広和が愚痴っているとまたドアが開き、見た目が18歳位の女性が入ってきた。


「来たか!魅・・耶?・・・・お前も若返ったのか?!」

「えッ!広和様が若返ったのでは?」


 広和が驚きながらも長年付き添っている伴侶の名前を口にする。


 ちょっとした桃色空間を醸し出していたが「広和様、魅耶様。」椿に呼ばれ軍人らしい顔つきに戻る。


「すまん。何かあったか?椿。」


 広和は多少脅えながらも何かあったのかと思い聴く。


「ただいま、通信兵から報告がありました。たった今、モールス信号で『東京ニテ大地震発生。至急救援ヲ送ラレタシ、発信・帝国陸軍府中基地』と発信され全国の帝国軍と思われる他の基地から発信が相次いでいます。まさかとは思いますがもしかしたら本当に私達が過去に・・・。」


「おいおい、まさか椿は俺達が過去に飛ばされたとでも言うのか?しかも、大正十二年九月一日の日本・・いや、大日本帝国に・・・。」


 広和はこのなんともいえない雰囲気に既知感を覚えていた。

 

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