表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

出頭すべきレオナルド

作者: ヒッポ


 んんんんん流石にもう出頭した方がいいかもしんない。


 でも何て言うの? 憲兵の前まで行って「騎士レオナルドは上司である王国初の女性騎士団長に劣情を催しています」って言うの?


 それとも城の衛士の前で「第一騎士団所属レオナルド、むくつけき巨女である騎士団長の岩より硬い二の腕を誤ってほんのちょっとだけ触りました、その感触をここ数ヶ月毎晩ベッドで思い出しています」って言うの?


 もしくは騎士団の副団長の前で「報告します。毎日ガッチガチでゴッリゴリの騎士団長の背筋を拝むために仕事に来て一日中チラ見しています」って言うの?


 はたまた近衛騎士の詰め所に行って「地竜と素手でやり合い勝ったことで有名な王国一の騎士であらせられる陛下の又従姉妹様には、流行りのセクシー系ドレスよりフリルの姫系ドレスが似合うと思いませんか」って言うの?


 行き着く先は牢獄じゃなくて治療院ですね…。




 それもこれもそう、全部あのクソ魔女のせい。本当にクソ。この世で最も価値がないくせに力だけは持っているクソクソ種族、それが魔女。


 あ、嘘です西の森の魔女様は前回の日照りの時にご尽力頂きました。東の塔の魔女様は先日の流行病の際に誰より沢山治療薬を作ってくださったし、北の湖の魔女様は魔物の氾濫の予兆を一番最初に見付けて報せてくださいました。

 つまり南の崖の魔女、あいつだけがマジでクソ。やることなすこと全部クソ。この世で最も価値がないクソ。あいつなんのために何百年も生きてんの?


 クソクソあのクソ魔女、暇すぎて騎士団にちょっかい出しに来て団長に叱られて、それでなんで通りすがりの俺に呪いかけるんだよ意味分かんねぇ。団長にかけとけよ。団長なら呪いも筋肉で跳ね返せるだろ。


 クソ魔女の八つ当たりクソ呪いをぶち当てられた結果、お陰様で俺はこの数ヶ月、巨大でゴリゴリでガッチムチで無表情で二の腕が俺の太ももくらいある上司が可愛くて可愛くて好きで好きで夜も眠れない恋する純情ボーイになってしまいましたとさ。

 なんでだよ本当に。




 もちろん解呪しようとした。というか解呪してもらおうとした。


 大聖殿の聖女様のところに行って何とかしてくださいと泣きついた。魔女が呪って聖女が解呪する、古代からの不文律だ。

 聖女様は魔女の呪いに犯された者にだけは無料で即座に会ってくださる。魔女に呪われてなければ高い拝謁料を払ってその上半年待ちだ。


 呪われ者専用の入り口に飛び込んだ俺を出迎えたのは、なんと筆頭聖女様だった。御自ら嬉々として迎え入れ扉を開けてくださったのだ。流石聖女。慈悲深い。解呪こそ我が使命とあらゆる式典で豪語しているだけある。

 しかし大喜びで俺を迎え入れて解呪の間にぶち込んで、上から下まで眺めた後で聖女様が出した回答は「無理ですね」。解呪が生きがいの聖女様が匙を投げる呪いとか、何してくれてんだあのクソ魔女。


 でも聖女様は聖女様なので、ちゃんと対処法も教えてくださった。厳かで、静謐で、清らかな顔に微笑みを浮かべてこう言ったのだ。


「見れば愛の呪いの様子…。愛する者と結ばれた時、呪いは解けるでしょう…」


 だから! その相手が団長だから困ってるんだってば!

 叫ばなかった俺は偉い。呪いで愛する者が巨大でゴリゴリの上司になったから困ってるのに、結ばれちゃったら呪いが解ける意味ひとつも無いだろうが。


 聖女様ってそういう生き物なんだよな…。ある意味では魔女以上に厄介な種族、それが聖女。

 あいつら愛さえあれば他には何もいらないと思っている。それさえなければ慈悲深く美しく清らかな生き物なのに、それだけがあまりに厄介。厄介すぎて大聖殿に隔離されてるくらいに厄介。

 崇めて奉って敬って尊ぶからお願いだから大聖殿から出てこないでください、自分から大聖殿に来た人間以外に関わらないでください、という意味の隔離だ。聖女様の愛至上主義で起こったはちゃめちゃが歴史書にはきちんと記されているのだ。どんなに綺麗な見た目をしていようと魔女と聖女は人間じゃない。人間じゃないから分かり合えない。絶対に。


 聖女様のことだから、どうせこの呪いだって解けるくせに愛の呪いだから解けないって言ってるだけに決まってる。絶対そう。じゃなきゃ隙あらば殺し合うくらい仲悪い魔女の呪いを微笑んで「解けない」なんて言うわけない。


 お前ら粉屋の三男が歩くたびにしゃっくりが出るだけのやたら強い呪いをかけられた時は、総出で「魔女ごときがぁ!」とか叫びながら三日三晩かけてキャンプファイヤーの周りで踊り狂って解呪してただろうが。

 待ってあの呪いってかけたの東の塔の魔女様じゃなかった? やっぱ魔女って一人残らずクソだわ。まず何をどうしたら人を呪ってみようって発想に至るわけ? そこからしてもう全然分かんない。呪われてる人を前に愛の呪いだから良くない? って言う精神ももう本当に全然分かんない。


 魔女も聖女もどっちもどっちなんだよなぁ〜〜。迷惑度合いがさぁ〜〜〜。

 俺が何したっていうんだよ〜〜。ほんとにさぁ〜〜〜。


 誰よりも品行方正に謹厳実直に努力し、身分を問わず優しく親切、令嬢方には騎士様の中の騎士様まるで物語に出てきそうと褒めそやされる俺がさぁ。街に出れば子供達が騎士様騎士様と後ろを着いて歩く憧れの存在の俺がさぁ。騎士っぽさの演出のために図書館に通い冒険譚から恋愛小説まで研究し尽くした俺がさぁ。退職金で田舎に家を買うために日々真面目にキラキラしくお勤めをこなす俺がさぁ。

 魔女の呪いは傷病休暇使えないんだぞクソ魔女がよ〜〜〜。




 そんなわけで、俺は今日も団長への想いをひた隠しにして職務に邁進している。

 呪われたことは騎士団に報告したが、呪いの内容については団長本人はもちろん誰にも言っていない。生活に支障のない呪いだということは聖女様のお墨付きなので問題がない。支障しかないだろうがという俺の言葉は聖女様に無視された。

 何故団長に言わないのかって、だって可哀想だろうが、ある日突然信頼していた部下に劣情を向けられたら。純粋に恐怖でしかないだろ。例えそいつが自分より弱かったとしてもだ。世界一可愛い可憐で華麗でムキムキでゴリゴリな団長を怖がらせたくねぇんだよ分かれよ。

 なあもう俺ここまで狂ってんだわ。終わりだよ終わり。そろそろ出頭した方がいいかもしんない。


 *


 団長がその重い拳で壁を叩く。壁は鈍い音を立てるが、ヒビ一つ入らない。これが王城の壁だったらとっくに粉々だ。たとえ石を積んだ城壁だったとしても崩すほどの威力を持つ団長の拳で砕けない特殊な壁を見上げ、団長は片手で顎を擦った。


「この部屋は…。むぅん、困ったな」

「困りましたね」

「どうする、レオナルド」

「どうしましょうね」

「おいどうした、こっちを見ろ」

「どうもしてません!」


 俺は叫んで顔を覆った。むぅんってなんだよ可愛いな!

 お願いだからその可憐なお顔でムキムキの二の腕でゴツゴツの太ももで近付かないで欲しい。男は狼なの知らないんですか!?


 何度でも言うが、団長は素手で地竜に競り勝つこの国一番のパワー系騎士である。巨人族の血が入っているというのは有名だ。俺? 俺はちょびっと多めにウッドエルフが入ってるだけのただの雑魚。ウッドエルフ混じりなので子供の頃から嫌いな野菜がないのが自慢。


 ああ〜出頭しとけばよかった、やっぱりあの時出頭しとけばよかった! そうしたら少なくとも団長はダンジョンの密室に俺という野獣と閉じ込められることはなかったし、俺という野獣と二人きりになった団長の身が危なくなることは無かったのに! ごめんなさい団長俺のせいで! いや違った魔女のせいです! 俺ごときに団長をどうにかできちゃうわけないけどそれはそれとして!


 ここを出たら絶対に魔女を滅ぼす。絶対だ。俺の可愛い団長に怖い思いさせやがって。いや違う俺が怖い思いをさせるのか? 俺ごときが団長を怖がらせられるわけなくないか? つまり俺は無罪じゃないか? 俺は無罪! 魔女は有罪!




 今日はよくあるダンジョン巡回任務のはずだった。王城の裏の森にあるダンジョンは広大だが難易度が低いため王国民に広く解放されていて、低級冒険者や学園生などが小遣い稼ぎによく潜っている。定期的にそこを巡回して異常がないか確かめるのは騎士団の仕事の一つだ。

 歴史が古くその大体が解析済のダンジョンで、危険などあろうはずもない。つまり騎士団は国民のために日々働いていますよ、というパフォーマンスだ。当然騎士団側にもやる気などない。二人一組でダンジョンの低層階をダラダラ歩くだけの任務は退屈だが、トラブルの少なさ故にそこそこ人気の任務だ。


 その人気の任務に激震が走ったのが今朝。普段なら団長が巡回に出ることなどないのだが、何を思ったのか団長が朝礼中に突然「気分転換に私が行こう」と言い出した。焦ったのは俺たち平騎士だ。まあ俺が焦った理由と同僚達が焦った理由は多分真逆なのだが。


 巡回は必ず二人一組で行われる。一日中二人きりだ。喧嘩していても別れたてのカップルでも借金があっても強制的に二人きり。その日の任務がどれくらい気安く楽なものになるかは相方次第と言っていい。

 そして団長はというと、真面目で誠実で公平な人格者だが如何せん真面目すぎる。その上無口。巡回の相方には望む者はまずいないだろう。だって道中が気まずいものとなるのは明白だ。


 つまり同僚達は団長と一日中二人きりになる可能性に焦り、俺は俺以外の芋野郎どもが俺の可憐な団長と一日中二人きりになる可能性に焦っていた。そんなん危険すぎますよ団長。いや団長が火竜の息吹を盾一つで凌げる猛者だってことはよくよく知っていますがね。男は狼なのでね。

 そして同僚の押し付け合いの末に白羽の矢が立ったのがこの俺。押し付け合いというか全員が無言のまま俺に目を向けたというか。ここ数ヶ月、つまり魔女に呪いをかけられてからこつこつ「俺は団長のこと苦手ではありませんよ」と爽やかフェイスを駆使してアピールし続けたのが功を奏し、見事相棒の座を押し付けられることに成功した。


 いや違うんだ、アピールっていうか、これは無意識で…。気付いたら団長にアプローチを…。いきなり好き好き言ったら怖いだろうなって思って徐々に距離を詰めるためにまずは周りを懐柔しようと…。

 違うんです呪いは解けて欲しいんですよ! でもそれはそれとして愛しの団長の気を引きたいんですよ! 恋しちゃってるから! こんなことしたくないんですけどでも恋心が! この恋心が! クソ魔女がよぉ!

 まあつまり無事団長と二人きりの巡回を勝ち取り、というか満場一致で譲られた俺が舞い上がらないわけがなかった。だって実質デートと言っても過言ではない。


 そしてウキウキの俺と真面目に巡回する団長が、危険度は低いが面倒なトラップを見つけたのがダンジョンの第二階層でのこと。

「下手に手を出すより解除班呼んだ方が良さそうですね」とか「ここの道を封鎖して…」とか俺がデキる部下アピールをせこせこしている内に、踏んでもいないそのトラップが発動したのが十五分ほど前のこと。


 そして今、俺たちはダンジョンの中の、扉すらない小部屋に二人で閉じ込められている。


 この小部屋では、腹が減らない。喉が乾かない。怪我をしない。眠らなくても支障がない。

 ただ、部屋の外と中では時間の流れが違う。部屋に扉が出現し、外に出られた時、どれ程の時間が経過しているか誰にも分からない。


 ある冒険者は、部屋に閉じ込められて三年も経ってから脱出した。しかし本人は部屋にいたのはたった十秒ほどだという。

 ある学生は、部屋に閉じ込められて十五分で脱出した。しかし本人は部屋の中で百年に思えるほどの時を過ごしたという。

 かと思えば、部屋にいた時間と全く同じだけ時間が経過していたという者もいる。

 危険はない、しかしとても面倒。そんな部屋に俺たちは閉じ込められてしまったのだ。


 部屋の壁を叩いたり撫でたり拳を叩き込んだりする団長の気配に全力で集中しつつ同じく壁を調べるふりをしながら、俺はこの最高に美味しいシチュエーションをどうしたものかと途方に暮れていた。

 いやだって仕方ないだろ、小部屋、好きな子と二人きり、もしかしたらこの先数年一緒、こんなの期待しちゃうだろ!

 あんな事やこんな事や…え、もしかしてそんな事まで…? 手、手とか…握っちゃったり…? あの大きな硬い手と…?

 思春期が如く期待に胸を膨らませる俺など露知らず、団長は大きなため息を吐いた。


「やはり扉が出現するのを待つしかないようだな」

「報告通りですね」


 有名なトラップだ。出現率も高いので研究者によって既に研究されつくしている。俺たち素人が今更調べた所で、新事実は見付けられるはずもない。

 諦めた団長が壁から手を離し、俺の隣にやってきた。そのまま装備していた剣を外して壁に立てかける。危険がないと分かっているので、そのまま鎧も脱ぎ始めた。

 巡回がどれだけ退屈だろうと、ダンジョンに入るので俺たちはフル装備だ。騎士団の鎧は威風堂々としてかっこいいが、待機や寛ぐには全く向かない。


「レオナルド、お前も装備を外していいぞ」

「はい」


 団長の言葉に微笑みながら、俺は隣で無防備に脱ぎ始めるってしかも俺も脱がせようとするってもしかして団長って俺の事好きなの? これはもう好きってことなの? 両思いなの? けけけけ、結婚とかしちゃうの? と高鳴る胸と震える手を押さえるのに精一杯だった。


 *


 父さん、母さん、兄さん、兄さん二、兄さん三〜六、お元気ですか。故郷の草しかないど田舎で元気に田舎貴族をやっていますか。

 王都で騎士になると家を出て数年、末っ子のレオナルドは立派に…立派に…上司の指先に触れています。


 違うんです、聞いてください。お願い憲兵を呼ばないで。

 隣にね、座ろうとしたんです団長が。俺の隣に。

 俺はすかさず上着を脱いで地面に敷きました。「どうぞ」って紳士的に微笑んで。団長はそりゃあもう戸惑っていましたよ。「え…?」って、なんならちょっと引いてた。でも微笑んだままもう一度薦めたら座ってくれました。


 だから俺はごく自然に、当たり前に、適切な距離を開けて隣に座りました。この場合の適切っていうのは、肩は触れないけどもたれ掛ろうと思えば触れられる距離ってことです。


 そうだね、つまり上司と部下の距離としては近すぎるってことだね。

 当然団長はさらに戸惑い、不思議そうに俺を見た。でも俺がまた微笑んでみせたら何も言わなかった。それを良いことに団長の隣に居座った下心まみれの醜い男が俺です。もしかしたら団長は押しに弱いのかもしれない。これはいいことを知ったぞう、なんて思っていません。思っていないったら。仕方ないだろ男なんて皆魂が薄汚れてんだよ。


 団長と俺は最初はぽつぽつ会話をしていたが、共通の話題なんて訓練のことくらいしかない。そのうち無言が多くなり、俺たちはついに完全に沈黙した。小部屋の中は静かだが、静寂すぎるということはない。黙っていても気まずくはなかった。そもそも俺たちは上司と部下なので、待機任務で数時間膝を突き合せて黙っていることなんてざらに有る。今更気まずさなんて感じない。

 団長がググッと伸びをして、俺はそういえば団長、気分転換って言ってたなとか、最近第二王子の反抗期で王城内は大変らしいなとか、団長もよく呼び出されてるなとか。かかかか肩とか揉みましょうかってきききき聞いちゃう? いやらしい意味ではなく! いやらしい意味ではなく! なんて思ってたんです。


 そしたらね、団長のね、下ろした手がね、丁度俺の指先に当たったってわけ。

 触れ合った指先に、団長は少し手を引いた。それを俺が追いかけた。もう一度触れ合わせたら、今度は団長は手を引かなかった。それからずっと指先が触れ合っている。

 これでも俺が悪いって言うんですか? お願いします。憲兵を呼ばないでください。


 これってつまりそういうことなんじゃないでしょうか。そういうことなんだと思うんです。そういうことかなあ!? そういうことってなに!?

 団長はずっと黙っている。俺もずっと黙っている。

 俺は指先に全神経を集中しているが故の沈黙だが、団長が何を考えているかは分からない。「え、なんか触ってくるんですけど、キモ…」と思われている可能性は十分にある。何せ団長は騎士である前に貴族令嬢なのである。それも陛下の又従姉妹というゴリゴリの高位貴族。俺のようなど田舎木っ端貴族の七男などは本来なら見ることすら許されない。


 俺の田舎では好きな女の子と二人きりになって指先をちょんと触って拒否されなかったら手を繋いでいいって合図なんだけど王都の高位貴族ではどうなのかなあ! 手を繋いで肩を寄せて拒否されなかったら頬にキスしていいって合図なんだけど王都生まれ王都育ちの超超超高位貴族ではどうなのかなあ!


 手汗がすごい。

 騎士団の遠征で極北の氷山に登って、冷気を振り撒く怒れる氷雪の精と相対した時より手汗をかいている。あの時は氷雪の精も怖かったし、野次馬に来て頭上で爆笑してる極北の魔女も怖かったし、それより何より先陣を切ってサイクロプスみたいな咆哮を上げる団長が一番怖かった。人間の出せる声じゃねえよあれ。まあ今となってはその咆哮すら鈴の音に聞こえるんですけどね! なんたってこの騎士レオナルド、恋しちゃってるから、さ…。

 極北のクレバスの魔女、あいつ上空で爆笑しながら眺めてたけど全員に保温の魔法かけてくれてたな。吐くほど笑ってたし何なら俺らの真上で吐いたけど。魔女の邪悪な人類愛ほんとなんなんだよ。


 きっと地面には、俺の汗ではっきり手形がついているだろう。それを見られるのが恥ずかしすぎて手を動かすことも出来ない。このままじゃ俺のおてての下に水たまりができちゃうよう。

 団長を見ることもできず、さりとて目を背けることもできず、俺は情けなくもぎりぎり団長の足が視界に入る角度で瞬きもせずに壁を見つめていた。

 その団長の足が、じわりと動く。あ、多分これ俺を殺す前の予備動作だわ。あーあ死ぬ前にせめて好きな子の手を握っておくんだった。好きな子の名前? 知りたい? 言っちゃおっかなあ。どうしよっかなあ。ヒントは騎士団長をしてる子。言っちゃったあ。


 さて父さん、母さん、兄さん、兄さん二、兄さん三〜六、末っ子のレオナルドは今日ここで恋した相手の拳に砕かれて死ぬようです。本望です。

 いや呪いなんだけど! 呪いなんだけど! でもこんなに好きな人の手にかかれるならもうそれはハッピーエンドなんじゃないかな。俺って人をこんなに好きになれるんだって教えて貰えたから…。いやそれも呪いなんだけど! 本当に絶対絶対魔女を許さない。

 ああせめて飛び散った俺の血が団長の真っ白な制服を汚しませんように。でも俺の血の一滴だけ、団長の手に触れられますように。団長がたまにその一滴を思い出してくれますように。これが愛…。

 まんまと聖女様が喜びそうなポエムを脳内で展開しつつ死を待つ俺にもたらされたのは、団長の伝説的な重い重い拳ではなく、押し殺したような声だった。


「その、レオナルド」

「はい。死んだ方がいいですか?」

「死? …何を言っている?」

「いえ、忘れてください。どうしましたか?」


 指先はまだ触れている。つまりこれって許されてるのか? ついに俺の手の下から、じわりと地面の色が変わった。手汗です。お願い団長気付かないで。好きな子の前でかっこつけさせて。


「ええと、な」

「はい」


 歯切れの悪い団長なんて初めて見た。好きな子の知られざる一面…! そんな所もかわいい…! こんなん益々好きになっちゃうよお…!


「私はこんななりで…」

「可憐ですよね」

「か…何を言っている?」

「いえ、忘れてください」


 もう駄目だわこれ。ここから巻き返せるビジョンが一つも見えない。

 今までこんなに真面目に誠実で爽やかでイケメンな頼れる部下をやってきたというのに。魔女の呪いのせいでこんな目に遭うなんて。


 騎士っぽい騎士が何たるかを知るために少ない給料で流行りの芝居とか観にいったんですよ、俺。周りはカップルだらけだったし、芝居の騎士は構えが変だったことばかり気になったし、一人で座っていた俺は少し目立った。

 俺はその時初めて芝居はデートスポットで普通は女性と来るものだと知った。ど田舎出身なもんでね、すみませんね。貧乏子爵家なもんですから仕送りしなくちゃいけなくてね。芝居なんて生まれて初めて行ったもんでね。どおりでもぎりの青年に妙な顔をされたわけだ。


 有り難いことに王都のお嬢さんがたはキラキラしい騎士様がまさか実家の貧乏領地に必死に仕送りしているなんて思わないらしく、俺が一番安い席で平民に混じって一人で芝居を観ていたと噂になっても「まあお芝居がお好きなのねロマンチックなお方」と好意的に解釈してくれたので騎士らしい騎士という評判は落ちずに済んだ。

 違います。ろくに遊んだこともなくて芝居のマナーすら知らなかっただけです。領民が冬を越すためには俺の仕送りが必要だからね、仕方ないね。ど田舎貧乏貴族の七男でも貴族だからね。

 でも騎士団には案外いるんですよ、こういう奴。俺も珍しくもないその一人ってだけで。騎士団は衣食住が保証されているので給料を丸々仕送りできるのだ。


 駄目だ完全に思考がマイナスに振り切っている。初めての失恋の予感に、生まれてから今までの全ての嫌な思い出が俺を襲ってる。だって団長、俺の初恋なんですよ。魔女の呪いで初恋。笑ってくれ。正面切ってフラれるくらいならやっぱり出頭しておけばよかったな。

 もとより叶うはずのない恋である。相手は王家に連なる名家のご令嬢、七男の騎士の給料ぽっちで賄えてしまうほどの領民しかいない貧乏貴族が恋していい相手ではない。

 団長はきっと芝居を観るとなったら王都の一等地にある劇場で、専用の個室で観るんだろう。その芝居に出てくる騎士はきっと、構えもきちんとしているはずだ。


 騎士になって初めての遠征で、俺は誰より先に魔物に突っ込む団長を見て、あんな騎士になれたらいいなと思ったのに。大して歳も変わらないのに伝説と呼ばれるあの人に、あの日からずっと憧れていたのに。


「レオナルド、その、な」

「はい…」


 気分はどん底である。なのに団長が俺の名前を呼んでくれるだけで、心は浮き立ち頬は勝手に緩む。

 すごいよ南の崖の魔女。お前の呪いとんでもないよ。ここから出た暁には絶対殺してやるからな。通りすがりの人間に八つ当たりでかけていい強さの呪いじゃない。何があってもお前を法廷に引きずり出して国家反逆罪で湖の底の牢獄に叩き込んでやる。


「私は!」

「え、はい」


 突然、団長が大きな声を出した。遂に俺を殺す決意をしたんだろうか。指先はまだ触れている。もうここまで来たら俺が死ぬその瞬間まで絶対離さない。


「幼い頃から! 誰より強く!」

「はあ…」


 存じ上げておりますとも。だって伝説だ。この国の民で団長が齢六つにして当時騎士団さえ手を焼いていた伝説の山賊、スカーファングをボコり回したことを知らない者はいない。


「誰より大きくて!」

「はあ」


 巨人族の血を引いている者は、それがどれだけ薄まったとしても大抵の人間よりは大きいものだ。噂によると生まれた瞬間からホビットよりも大きいらしい。エルフ寄りでひょろ長いだけの俺とは大違いだ。


「その、パーティーなどでもな、あまり、その、声が掛かることは少なくて…」


 俺は黙った。団長が俺をどう殺すのか説明してくれるのかと思っていたが、どうにも違う。なんかいい予感がしてきた気がする。

 なんか、ちょっと、俺のカッスカスのエルフの勘が言っている。今は黙っとけと。エルフ的には森の囁きとか言う。ちなみに実家の領地に森はない。ウッドエルフ系なのに。


「父と、母は、その、私の思うように生きれば良いと言ってくれているが、何しろ私しか子供がいなくてだな。私も女であるからして。人並みに憧れというかだな。お前はその、見目も良いし…」


 巨人族は子供が少ない。生涯に二人生めば多産と言われる。ホイホイ生まれるウッドエルフとは大違いだ。ウッドエルフは双子や三つ子も多い。

 俺は手汗に塗れて土が付いた手を、ほんの僅か、数ミリだけ団長の手に近付けた。触れ合う面積が少しだけ大きくなる。団長はまた手をびくりと震わせて、でもはね除けたり避けたりはしなかった。

 これ俺、調子乗っちゃってもいいんですか? 


「団長」

「あ、う、うむ。少し話し過ぎた…」

「団長は何故騎士になられたのですか」

「え?」

「教えてください」


 俺の唐突な質問に、団長は虚を突かれたようにぽかんとして俺を見た。目が合う。王家に連なる者が持つ、淡い色の瞳だ。

 森が囁くのだ。今これを聞けと。このダンジョンは王城の裏の森にある。つまりここは森なのだ。どれだけ血が薄まっても団長が巨人族であるように、どれだけ血が薄まっても俺はウッドエルフなのである。

 今度は団長が俺から目を反らす。戦場では決して敵から目を離さないこの人が、俺の視線から逃れるように下を向いた。頬が赤い。


「恥ずかしい話だが…」

「知りたいです」

「物語の騎士様に、憧れてな…。いつかこんな人が迎えに来てくれたらと…」


 それは多分、俺が一人で観てコンプレックスを拗らせた、あの芝居の騎士ではなかろうか。あれは大昔から語り継がれる不朽の名作だと謳っていた。図書館で借りて読んだのもあの芝居の原作だ。

 想像するより実際に観た方が参考になると思って観に行ったのだ。実際は変な構えの騎士が薄ら寒いセリフを言いながらマントをバサバサしていただけだが、本物の騎士の泥臭さを知らない貴族のご令嬢はあれに憧れるのかも知れない。

 でも何故騎士が迎えに来るのに憧れて自ら騎士に…? いや乙女心の機微だろう。野暮なことは口にすまい。それによって王国最強の騎士が生まれ、そして俺は団長と出会えたのだから。


「俺、あの騎士に似てるって言われます」

「ああ、その、似ていると私も思っていた…」


 思ってたんだ。団長、貴族のご令嬢たちみたいに、街の女の子たちみたいに、俺があの騎士に似てると思ってたんだ。

 そうだ思い出した、宿舎の掃除をする女の子が「見た目はちょっとだけ物語の騎士っぽい、中身は田舎者だけど」と言ったから、俺は図書館に本を借りに行ったのだった。

 父さん母さん、ウッドエルフのご先祖さま、俺を騎士らしいキラキラした見た目に産んでくれてありがとう。今俺がここに存在することを許したこの世の全て…魔女と聖女を除く全てに感謝を。


「今の騎士らしく成長したお前も似ているが、入団したばかりの荒削りな頃も、その、もしオスカード様が現実にいたら仲間とはこういう顔で笑い合う青年だったのではないかと…いやすまん、気持ちが悪かったな」


 団長の言葉の途中で、俺は触れ合っていた手を離した。団長が取り繕うように謝る。でも俺はそのまま手の平をズボンで丹念に拭いた。手汗で湿って土も付いてるから。


「レオナルド?」

「団長」


 手を伸ばす。触れる。そっと下から掬い上げる。

 団長の手は大きく、硬く、熱く、でも俺の手よりも湿っていた。


「団長」


 団長が口を噤む。俺はそっと体を寄せた。もとよりすぐ隣に座っている。

 俺の田舎ではね、好きな女の子と二人きりになって指先をちょんと触って拒否されなかったら手を繋いでいいって合図で、手を繋いで肩を寄せて拒否されなかったら頬にキスしていいって合図なんですよ。

 団長の手を掬い上げる俺は、きちんと団長が好きな騎士様に見えただろうか。


「レオナルド…」

「団長、俺は…」


 ガタン、と。

 俺はすぐさま立ち上がって隣に置いていた剣を手に取った。既に団長は警戒態勢に入っている。

 床に敷いていた上着を取りながら見やれば、そこには想像通り先ほどまではなかった筈の扉が出現していた。

 俺たちは任務中の騎士なので、好きな子とどんなに良い雰囲気だろうとキスできそうなタイミングだろうとお仕事が最優先なのである。惜しいなんて思ってない。全然思ってない。泣いてないったら!


「準備は」

「出来ました」


 装備を調えた団長に頷いて、俺は扉の横に立った。俺たちの体感は一時間程度だが、この扉の向こうがどれほど時間が経っているか分からない。ここはそういう部屋だ。何があってもいいように、最大戦力である団長が扉の前で構え、俺が扉を開く。


「じゃあ、開けます」

「ああ」


 出た瞬間に団長に「こいつ変態です」って憲兵に突き出されたらどうしよう。そしたらそれも含めて魔女の呪いのせいにしよう。そんなことを考えながら、俺は扉を押し開けた。


 *


 あっけないことに、あれだけの覚悟を決めたというのに部屋の外と中の時間経過はそんなに違わなかった。外の方が十五分ほど進んでいたが、それだけだ。その十五分があれば俺は団長と…団長の…。クソ魔女め…。


 無事に巡回を終え、今は王城の端を団長の執務室に向かって歩いている。一応トラップがあったことと引っかかったことを宮廷魔術師に報告したが、大した調査もなく解放された。もうちょっと興味持ってくれてもさあ。これだから魔女といい魔術師といい魔法関連生物はさあ。


「レオナルド」

「はい」

「その、後で…いや何でもない」


 隣を歩いていた団長が、何かを言いかけて止めた。だから俺はすぐさま続きを言った。


「団長、後でお部屋に伺ってもいいですか」


 つまりこれってそういうことでしょ? こういうことでしょ? ここで退くなと森が囁いている。もう森の中じゃないけど。

 団長が小さく頷く。首まで真っ赤だ。俺は我慢出来ずにそっと手を伸ばした。さっき少しだけ触れた手の感触を思い出しながら、できる限りおとぎ話の騎士に見えるように意識して。

 その視界の端にね、ええ。そうです、奴らです。


「まあ、まあ、まあ、すてき…」


 俺は間髪入れず腰の小物入れからホイッスルを取り出し、全身全霊で吹いた。空気を引き裂く高音が響く。この音は王城内のどこにいても聞こえる筈だ。ほぼ同時に団長は一番近い拡声器まで一瞬で移動し、その低くて渋い声で伝令を叫んでいた。

 なんでいつもいつもさあ! 大事なとこでさあ!


「伝令、伝令! 城中に聖女出現! 繰り返す、聖女出現! 総員配置につけ!」


 俺のホイッスルを合図に、塔から四方に向けて信号弾が打ち上げられた。打ち上げたのは先ほどまでいた魔術師塔だ。信号弾は昼であろうと王都から馬で一日の距離まで見える。青は聖女出現の合図。

 信号弾が打ち上げられるのとほぼ同時に、窓の外にいくつもの赤い光が見える。魔女が高位魔術を使うときに発する特有の光。あの方向は南の崖の魔女だ。その後ろにも一つ二つと赤い光が増える。南西の泥の魔女、南南東の果実の魔女。

 おかしくないか。右に目をやる。東の方角だ。東の空にも既に赤い光がいくつか浮いている。それらは全て、超高速で王都に向かっている。


 おかしい。


 魔女を制するのが聖女ならば、聖女を制するのは魔女だ。古来より対となる生き物。

 人は魔女に呪われたなら聖女に助けを求めるし、聖女が大聖殿を出たなら魔女に助けを求める。そう定められている。なぜならどちらも最悪迷惑種族だから。人類の手に負えるわけない。最悪種族には最悪種族をぶつけるしかない。

 ただ本当に不思議なことにどちらも人類に構いたくてしょうがない上に憎み合っているので、人間が助けを求めると助けてくれる。なんて都合がいいんだ。


 聖女が王城に出現した。だから俺は合図のホイッスルを吹いた。ホイッスルが鳴れば魔術師塔から自動で魔女への救難信号が発射され、魔女は信号を見たら即座に救助に駆けつける。

 しかし、いくらなんでも早すぎないか?

 聖女出現の信号弾を見てから飛び出したにしては、魔女の数が多すぎる。聖女は現象だが、魔女は生物だ。魔女とて生活をしているのだ。過去、信号弾が上がってからも数分は魔女から応答がないことなども有った。


 なのに今回は、まるで待ち構えていたかのように信号弾と同時に魔女が一斉に飛び出した。どう見てもあれはマッハは出ている。マッハは魔女が一出すのに八年の準備を必要とする速度だ。


 あいつら、準備してやがった。


 変だと思ったんだよ魔女が愛の呪いとか! 聖女が愛に狂ってるなんて産まれたての子供でも知ってる常識なのに! 

 聖女は大聖殿から出ない。人と聖女の古い盟約だ。聖女は呪いを解き、人は愛を見せる。

 聖女が大聖殿にいる限り、魔女は聖女に手を出せない。人と魔女の古い盟約だ。

 つまり、魔女が大嫌いな聖女を殴るためには聖女を大聖殿から引っ張り出さなきゃいけない。

 魔女ども、聖女を釣るために俺に愛の呪いをかけやがった。愛の呪いをかけられた人間を見るために聖女が大聖殿を出るのを待っていたのだ。


「え、シンプルに最悪…」


 俺の口からは素直な感想が漏れた。じゃあなんですか、ここ数ヶ月の俺の苦悩も、甘酸っぱい初恋も、劣等感マシマシポエムも、全部魔女と聖女が殴り合うためのダシだったってことなんですか? こんなこと許されていいんですか?

 だって俺はもう呪いでもいいって、真実の愛を見付けたって、こんなに誰かを好きになれたならそれだけでいいって、そう思って俺は…。


「レオナルド! 配置につけ!」

「はい!」


 聞き慣れた団長の命令に、体は勝手に剣を構えて聖女に対峙する。当の聖女は「愛! これぞ愛!」と叫びながら俺たちの前で熱く激しく踊っている。見た目は人間的でひたすら美しいのに愛を前にするとこう、狂っちゃってるといいますか。人間じゃないんだなあってしみじみと思わせてくる。悪い奴らじゃないんです、ただ放置すると本当に迷惑なだけで。


 背後からは仲間の騎士達の足音がする。「愛! 愛!」と叫ぶ聖女の後ろに、さらに聖女出現の魔力渦が見える。団長は隣で俺の背丈ほどもありそうな剣を構えていて、それと比べると俺の剣はまるで爪楊枝だ。もう数秒で窓から魔女が転がり込んでくるだろう。魔術師塔からは魔女と聖女の破壊行為から王都を守護する結界が展開されるのが見える。


 俺はさっきの団長との「この後部屋で」の約束が有効であることを願いながら、散々研究した格好いい角度で剣を構え続けた。魔女と聖女と団長を前にして普通の人間が出来ることなんて、それくらいしかないからね。


 俺の呪いが解ける日は近い。それはそれとして絶対お前らの所業は法廷に持ち込んでお前らより上位存在である守護獣様に言いつけて叱って貰うからな、クソ魔女どもがよ。





魔女…人間が好き

聖女…人間がする愛っていうのが好き

人間…魔女も聖女も程々に好きじゃない

守護獣…王国の生きとし生けるものすべて好き



Xアカウントあります→ https://x.com/hippo_hipopo25?s=21&t=t5zt7nCbHq4EhXVcBWj5-A

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なんてろくでもない生き物どもなんだ。 それはそれとしてこの恋は嘘にならないといいし成就したらいいなと思います。
そして『国王様』 王妃様を◯されて独り身…(え?側室は…あ、一途なのね。) 国王「こんなに(1人の夜が)苦しいのなら、◯など要らぬ!」 聖女「アラアラうふふ。」 魔女「…国王に(呪いを)かければ良か…
愛を魅せてくれ~ ←聖女級
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ