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日、月、妹と幻想

太陽がまもなく沈もうとしている。

夕焼けが海面を黄金色に染め、岸に近い水面は暗く、明と暗の両極がかすかに映っている……。


そんな光景を想像したことはあったが、実際に見たことはない。

つまるところ、私が生まれたのは海から遠い山あいの小さな町で、

その上、春夏は蒸し暑く、秋冬は陰湿な気候が、外出を好まない私の性格を育てたからだ。

「落日が金を熔かす」ような情景は、どうしても想像の中だけに存在する運命にある。


現実では、もし私がまだ小学生なら、帰り道で遠くの山々が夕日を受け止める様子を見ることができただろう。

この二つのまったく異なる夕日の光景に、無理に共通点を見いだせば、

それは「空寂」だ。それが私の頭の中に、ある思考の原型を生み出す。


私は独立している。世界もまた独立しているように思える。私たちの間にはつながりがない。

幼い頃からそんな考えを持っていたので、当然友達もいなかった。


???「ねえ~青葉くん~」


誰かに呼ばれたような気がする。確かに私の名前は青葉だった。母がつけた、ちょっと間の抜けた名前だ。


???「私、見えなかったの?」


突然、目の前に巨大な黒影が現れた。何かが目の前を漂った? いや、揺れただけだろう。


???「一緒に帰らない?」


青葉 「うっ……」


というわけで、私は家路についた。

記憶にある通りの角を曲がると、それほど大きくない一戸建ての家がそこに立っているはずだった。

「山崎」と書かれた名前札が掛かっている。

そう、私の名前は「山崎青葉」だ。

法廷で裁判官は、時に被疑者の精神状態を確認するため、姓名を尋ねることがあるという。

私の名前は「山崎青葉」だ。

今朝、鍵を忘れて出てきたので、そばにあるインターホンを押し、妹がもう帰宅していることを願った。

古びたインターホンはきしむようなうめき声をあげ、まことに耐え難い。

それに比べれば、裁判官の槌の音は非常に心地よい。

「カチン」という音には余分な雑音がなく、それゆえに一抹の疑いを許さない神聖な響きを帯びている。

私の名前は「山崎青葉」だ。

……

しばらく家の外で待つと、ようやくドアが開いた。

父だった。

父はセールスマンで、主にミシンを販売している。

仕事の自由度が高いため、食事の支度は通常彼が担当し、家事もそうだ。

父は背が高く、筋肉もたくましい。日焼けした顔にはいつも疑いを許さない表情が浮かび、とても頼もしく見える。

おそらくはその頼もしい風貌ゆえに、仕事の展開が少し行き過ぎるほど順調だったのだろう。

最近、彼の顔には笑顔が多くなった。


???「お兄ちゃん。」


聞き慣れた呼び声がした。ほとんど永久不変ともいうべきその口調は、同じ音色を用い、単純な語彙の音節を調和させ、微妙な張力を生み出している。

私の母は美人で、両親の長所を受け継んだ妹は、すでに美人の予備軍だ。

私を呼ぶときの、ほんのり赤らめた小さな顔は、私の視線に合わせるのを恐れて、絶えず揺れ動き、逃げ惑う生き生きとした宝石のような瞳と相まって、実にいとおしく感じられる。

彼女の、汚れひとつない雪のように白い肌に対して、私の心には抑えがたいほどの躁々しさがある。

私は、ドーベルマンが舌を出し、母牛が子牛を舐めるような情景を想像したことがある。剛毛が筋肉を切り裂き、彼女の純白で鮮やかな内側を覗き見ることができるのだと。

最初は汚れなき白、それは彼女の魂の原色。次に鮮やかな赤、それは彼女の比類なき生命力を告げ知らせる。

彼女は顔を真っ赤に染め、ほとんど血管の中を血液が流れ、合流する様子まではっきりと見て取れるほどだった。


「オホン」


父が一声咳払いをした。あるいは、通りかかった誰かか。

その音が私の思考を遮り、中へ入るよう促した。

部屋に戻ると、突然とても疲れを感じた。そこで、少しだけベッドで横になることにした。

……

太陽は、結局のところ生を表すのか、それとも死を表すのか?

一方では万物にエネルギーを与え、すべての生は太陽が与えるものだ。

他方では、パエートーンやイカロスのように、太陽に近づきすぎて死を招いた例も少なくない。

……

???「お兄ちゃん、ご飯だよ。」

腕が揺さぶられているのを感じた。その不快感から逃れようと、私は真正面の虚空に向かって手を伸ばした。

???「にゃあ~」

指先に柔らかな感触が伝わってきた。

私はかなりはっとした。

「やった、ラッキースケベ事件だ!」といったアニメ的な独白は、現実には存在しない。

青葉 「太陽……」

???「お兄ちゃん?」

青葉 「太陽の名前は山崎青葉……」

???「お母さん、お兄ちゃん頭がおかしくなったよ!」

まんまととぼけてごまかせた。このおバカちゃんは本当に用心深さのかけらもないな、と私は内心そう思った。

食事後、私は自分の部屋に戻り、明かりもつけなかった。

そうすることで、世界中に自分だけが取り残されたような気分になれる。

文芸青年たちは通常、独りきりのときにインスピレーションが湧く。

傑作の虚影がしばしば彼らの胸の中で激しく揺れ動くにもかかわらず、形にできる作品となるには、孤独な孵化の過程を経なければならないからだ。

スムーズに葉巻の先を切り、吸い込み、存在しない煙の輪を吐き出すことを想像した直後、

ベルが鳴り響いた。

青葉 「もしもし……」

???「タバコ吸った? なかなか高級そうだけど、学生は吸っちゃダメよ。」

青葉 「それは幻想、幻想って言ってるでしょ!」

青葉 「それに言えば、職員室に行くたびに、あなたが隣の喫煙室にいるのを見かけるけど。」

青葉 「ドアも閉めないで……」

???「大人はタバコを吸うことが許されているのよ、青葉くん。」

青葉 「だから25歳で更年期の女みたいにくどくど言うんだよ。あなたの元彼もそういうとこに耐えきれなかったんだろ。」

???「あなたたちのためでなければ、私、こうしてまでしてないわよ! 担任じゃなかったら、こんなことしないんだから!」

???「自由に使える時間もないし、ボーナスは生徒の進学率に連動するし、恋愛する暇なんてまったくないんだから!」

???「青春の最後をしっかりつかんで、ちゃんと恋愛したくて教師になったのに!」

受話器の向こうからは、泣き声の混じった声が聞こえてきた。

青葉 「で、夜中に電話してきて何か用? まさか生徒への嫌がらせじゃないよね。」

青葉 「私、一応イケメンだし、いろんな面でも平均以上だとは思うけど、私たちの間は不可能だ……」

???「ああ――それは違う、まったくその方面の話じゃないの。」

断固とした口調の返答が、少し自惚れた事実陈述を遮り、私は少し腹が立った。

青葉 「このセクハラドS教師め!」

???「その方面は無理だから、そう言ったのよ。思春期の素人童貞はほんと面倒くさい。」

???「ええ~いつ給料上がるのかしら。」

青葉 「この電波教師!」

???「じゃあ、あなたは電波学生ね。太-陽-に-な-り-た-かった青葉くん。」

正直なところ、幼い頃に抱いた願いを一語一語読み上げられるのは、なかなか恥ずかしいことだ。

しかし、孤独な私でも、理解者は欲しい。たとえ彼女と苦しみを分かち合うだけだとしても、それで十分なのだ。

……

青葉 「で、私がタバコを幻想してるって、どうやって知ったの?」

???「ああ、実は私、タバコ吸ってるのよ。多分少し酒も飲んだから、タバコの匂いの元がわからなくなっちゃったのかも。」

青葉 「家にいるの?」

???「うん。」

青葉 「一人?」

???「うん。」

青葉 「戸締まりちゃんとしておいてね。」

???「……」

電話の向こうからは、均等でかすかな呼吸の音が聞こえてきた。

……

私は電話を切り、ベッドに座ってさっきの会話を静かに反芻した。

妹が部屋にやって来ておやすみのキスを求めるまで、就寝時間が来ていることに気づかなかった。

カーテンを開け、水のように注ぐ月光がベッドに降り注ぐに任せた。

私は横向きに寝て、妹のキスの痕がある頬を上に向け、月の検閲を受ける……


ライティング初心者なので、リズムが少し変かもしれません(笑)

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