外伝 サンライズ王国・王宮執務室
※この外伝は本編とは一部テンションの異なる幕間ギャグです。
一応57話の補強回でもありますが、王宮裏側のお遊び回としてお楽しみください。
あとこれ読んだ後に外伝とかの紫位任命式典見ると別の味わいが出ます。
これはいつかの王宮執務室。
絶対に漏れてはいけない会話の一部始終である。
サンライズ王国の国王は、普段は厳格な賢王。
だが扉が閉まった瞬間、人格が変わる。
今日…否、今日も行われるのは、
――光焼く翼の『功績まとめ聞き会』
側近が分厚い報告書を抱えて入室する。
扉が閉まる音がした瞬間、国王の目がキラキラする。
「……よし。では……今日も聞くぞ。
光焼く翼の功績まとめ」
「陛下、ほとんど既に把握されている内容ですが……」
「知っておる!
知っておるが!!
聞かせろおおおおおおおお!!!!!!」
側近は無表情で頷き、読み上げを開始した。
毎日のことである、報告内容は流石に間近のものに限定される。
「まず、北辺群の廃区画地下ダンジョンより……」
国王、すでに前のめり。
「光焼く翼は聖遺物を二つ同時に持ち帰る快挙を――」
「しゅごぉおおおおおおおおお!!!!??
二つ!?!?
一つでも国のパワーバランス変わるのにぃいいい!!
二つ増えたのおおおお!?!?」
側近「……(慣れている)」
側近が次の紙をめくる。
「次に……事故で定員超過となったダンジョンについて」
「うん……(既に知ってるけど聞きたい)」
国王が机に頬杖をついてニコニコする。
「光焼く翼は――全員生還。
さらに深層にて、未知の怪物、理喰らいを討伐。
帰還時には、理の残滓と思われる構造体、理素結晶を――」
「ぎゃああああああああああああああああ!!!
全部しゅごいのおおおおおおお!!
事故で定員超えても生還!?
怪物倒してぇ!?
理素結晶とかいう聖遺物どころじゃない代物持って帰ってきてぇ!?
国ッ……国支えとるうううううううう!!!!!!」
側近「……(通常運転)」
「続いて、リューグーにおける海魔の大規模襲撃ですが――」
「(待ってた)」
国王、完全に目が輝いている。
「死者ゼロ。都市の主要設備もほぼ無傷。
魔物群数百を前に――」
「しゅごっっっっっ!!!!
しゅごすぎるのおおおおおおおお!!
都市防衛って国単位の仕事じゃろ!?
八人でやっとるのおおおお!?!?
えっ……好き……国の守り手……」
側近「いえ、流石に現場の兵士も頑張ってます。
あと陛下、語彙が溶けてますよ」
側近は少し言葉を選びながら続ける。
「ああ……これはまだでしたね。
クーデリア殿は、理素結晶の力を利用し……
聖遺物の一部機能を可変状態へと――」
国王「???」
(聞き慣れない専門語でもう限界を迎える)
「つまりですね陛下、
聖遺物を恒久的に作り替えたのです」
沈黙。
次の瞬間、国王は椅子からずり落ちた。
「…………しゅごおおおおおおおおおおおお!!!!!!
それもう神の領域じゃろおおおおお!?
聖遺物が扱える付与師とか存在したの!?
この国の宝すぎぃいいいい!!!!」
側近「椅子に戻られますか?」
「最後に……エルド殿を中心とした働きにより、
闇取引と非人道的行為を行っていた複数の商会が――」
国王、既に涙ぐむ。
「――王国史上最大規模で一斉摘発されました」
机を叩き、国王が叫ぶ。
「しゅごいのおおおおおおお!!!???
国の膿取ってくれたああああ!?!?!?
それ国の仕事ぉおおおお!!
王族でも難しいやつぅううう!!
やだもう光焼く翼……国家を維持するために生まれてきた精鋭部隊なのでは???」
側近「実際そういう扱いです。
というか謁見に応じて認可出したの貴方でしょう」
国王は椅子に深く沈み込み、両手で顔を覆う。
「光焼く翼……。
君ら……国の柱どころじゃない…もう国そのものなんじゃよぉおおお」
側近は淡々と片付けながら言う。
「陛下、お気持ちは分かります。
しかし次の会議ではいつもの賢王に戻って頂かなくてはなりません」
「無理ぃいいいいい……
会議中に光焼く翼の名聞くだけで内心拍手喝采なんじゃあああ……」
側近「……(本当に外で出なくてよかった)」
いくらエルドが有能でも大商会の一斉摘発は無理筋だろ…
⇒王が光焼く翼の箱推しガチ勢です




