春一番
酔っ払いながら書いてるんじゃないかって?そんな事ないですよ。
苺大福はいつだって本気です。
春一番
業務連絡:主人公の部長の部下の田中君はすべて
心理描写で有り台詞ではございませんのであしから
ず。あとナレーションも若干ふざけていますので、
これまたあしからず・・・
3月上旬。東京をかつてないほどの「春一番」が
襲った・・・
部長「いやあああ。今日はすっごい風だね?」
五五歳の部長おな~り~
医薬品メーカー「黒十字」の社員であるなり
部長「じゃあ田中君、さっそくだけど営業行こうか?
今日はがっつりいくよ!僕の本気見せてあげる」
田中(別に見たくないよ・・・)
田中は必要な契約書とパンフレットを、可愛いブタ
ちゃんのリュックに詰めた。
部長「よし。行こう」
ふたりは外回りに出た。
部長「うわっ! さっきよりすごい風だな。風速
100メートルはあるね? 田中君!」
田中(あったら僕達死んでるよ)
その時でありんす。
いたずらな春の風が部長の頭にお痛した。
田中(はう!? 部長のヅラがあ! ちとずれ
てる)
社内においては部長の「ヅラ」は周知の事実、そ
して「ヅラ」に触れる話をしないのが暗黙の掟。
部長の「ヅラ」は右に5センチ程ずれていた。
その時だ。キャバレー「まこちん」の看板が暴風
に飛ばされ部長めがけて飛んできた!
部長は間一髪でよけた。
部長「あぶねええなああ! もうちょっとで死ん
でたよ! 暴風は事前に天気予報でわかってるんだ
からさ! 看板、中に入れて置くとか対策しておか
ないと! ねえ田中君!」
田中(事前にわかってるんだったらあんたも、そ
の ヅラ なんとか対策しないと)
再び、いたずらな春の風が部長の頭にお痛した。
部長の「ヅラ」は上に下にぱっかぱっかしていた。
田中(うわ。なんで? 浮いたり落ちたり、ど
ういう構造で頭に着いてるの?)
部長「田中君! 本当にすっごい風だね」
田中(いや。あんたの頭の方がすっごいよ)
その時だ!とうとう「お痛」では済まないほどの
春の風が部長の頭を直撃した。
ぱかぱかぱかぱかぱかぱかぱかぱかぱか
物凄い秒速で部長の「ヅラ」は上に下に、ぱかぱ
かしていた。そしてとうとう・・・
部長の「ヅラ」は宙へ飛んだ。
部長のするどい眼光が田中に刺さる・・・
次の日、部長の机には田中の「辞表」が置かれて
いた。
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