巻き爪が悪化して夜も眠れないほど痛かったので手術してみた話
みなさまごきげんよう。
もしくは初めまして、くろつです。
わたくしこのたび、巻き爪の治療をしてみました。
もうね、腫れるし膿むし、寝具との摩擦で激痛が走ったりもしてしまい、夜眠れないレベルで痛かったんです。
これをお読みの方に、私ほど巻き爪を放置する人はいないかもしれませんが、身近な人が巻き爪で痛がっているけどどこに行ったらいいかわからない……とか、今は痛みがないけど巻き爪がこの先悪化したらどんなことされるのか怖い、みたいな人に読んでいただけますと嬉しいです。
まず最初に、私からシェアする情報は三つ。
・巻き爪(陥入爪)の治療は昔と比べてとても進歩しているため、患者側の苦痛がかなり小さくなっています。
・一応手術と名前がついていますが縫わないです。日帰りでできます。縫わないので抜糸もなしです。
・皮膚科ならどこでもみてくれるとは思いますが、「皮膚科」ではなく「皮膚科形成外科」に行くのが吉かなと思います。
実際、私が最初に行った皮膚科は、電話では巻き爪の治療もOKと言ってくれましたけど、行ってみたら多分美容系に力を入れている病院っぽかったですし。
ですので、一か所で診察を受けてみて微妙だなと思った時は、ぜひ他の病院も行ってみて下さい。医師によって痛みや不安感が全然違うことってありますから。
ではでは、ここからは術前術後についてのんびり語っていこうと思いますので、よかったらお付き合いくださいませ。
◇◇◇
いきなりですが、私、麻酔がめちゃくちゃ怖かったんです。
だってどこを見ても「足のブロック注射は痛い」って書いてあるし……。
(ブロック注射:局部麻酔のこと)
しかも指先って痛みを強く感じる部位ですし、とにかくもう、普通の注射の痛みではない、っていう認識だったんですよね。
でもね、結論を言いますと、麻酔自体はそこまで痛くはなかったです。
痛みがゼロではないですが、あれっこんなもん? って感じでした。
でもね……。
麻酔を足指の付け根に、一か所、ぷち。二か所め、ぷち。ってやったあと、
「はいもう一か所ね~~~」
って言いながら、先生は、なんと私の足指の裏を消毒しはじめたんですよ!
えっ足の裏?
足の指の、裏っ??
しかも指の腹部分じゃなくて、第一関節の部分……折り曲げるとしわになるちょうどその部分。
そこに針が当てられた瞬間、私はとっさに、「こわいっ」て言って足を引いてしまったんです。
だってこわいよう、むりだよう。
でも先生は怒るでもなく、ただ手を止めて待っていて下さり。
さあここから、すごかった。
3人意味なく集まっていたように見えた看護師さんたちが、阿吽の呼吸で私のまわりに寄り集まり、ひとりは仰向けに寝かされている私の手をそっとつかみ、
「思い切り握っていいのよ」
と言ってくれました。体温の高い手でした。
ひとりは足元で私の足にやさしくさわりながら、
「大丈夫ですよーだんだん感覚なくなってきますからねー」
と励ましてくれる。
もうひとりは反対の足をさすりながらそれとなく上体を傾けて、寝ている私の視界から先生の手元を隠そうとしてくれて。
うわあ、なんだろうこの、めちゃくちゃケアされている感じ……。
普段の生活で、こんなにも他人にやさしくされることがあるだろうか……いや、ない。
「はいっがんばります!」
と、私が感動しているうちに、ぷちっと麻酔が終わり、これもたいして痛くなくて、あっという間に指の感覚がぼやぼや。
あれっ、私って、ちょろい?
おやつのジャーキーをもらってハフハフしてるうちに避妊手術されちゃう犬ってもしかしてこんな感じ?
あれっ、さっきの麻酔の時って、やさしく足をさすられてたと思ってたけど、でも本当はもしかして、私が暴れないようにうまいこと押さえられてたのかなあ……。
なんてことを考えている間に順調に手術は終わり、先生からは、
「一週間後に見せにきてね~~~」
と言われてさようならでした。
手術はものの10分ほどで終わりました。
機械でキュイーン、ゴリゴリゴリ、なんてされることもなく、静かな手術でした。
術中はもちろん、術後、麻酔が切れてからもほとんど痛みは感じませんでした。
私が処置したのは左足だったので、運転に左足使わないしなと思って、普通に車で病院に来て、帰りも車を運転してひとりで帰りました。
ちなみにお風呂・シャワーができないのは当日のみで、翌日からは普通に入浴ができます。
プールや公衆浴場は当面の間禁止ですが、術後3日目くらいからは私は普通に湯船に浸かっても染みたりしませんでした。
あ、それから麻酔を打つ場所については、人によって若干違いがあるようです。
私は足表2か所と裏側1か所の計3か所でしたが、別の人に聞いてみたら、その人は1か所のみだったようですし。
みんながみんな、あんな怖い場所に針を刺されるわけじゃないってことがわかってよかったです……いえほんとに。
◇◇◇
さて、手術をして2週間目。
傷口の経過を見てもらいに病院に行った時、私は先生に聞いてみました。
「ウォーキングとかしてもいいですか?」
先生のお答えはこうでした。
「この手術はね、昔と違って、運動自体は次の日からやっていいの。プールはしばらく禁止だけどね~~~」
「あっそうなんですね、じゃあ……」
「やってもいいけど、治るの遅くなるよ」
「あっ……はい」
一瞬で納得する私。
「安静にしてればそれだけ早く治るの。動かせばそれだけ治りは遅いの」
「そりゃそうですね……」
「たまにね、患者さんの中に、3カ月たつのに治らないのはどうしてだ! って言う人がいるんだけどもね。それはあなたがいつもと同じ生活してるからでしょうっていう話でね~~~」
完璧にごもっともです。
すっきりした説明をありがとうございます。
いえ実は、わたくし、できる限り安静にしていた結果、少々体重が増え始めておりまして……。
それで運動したかったんですけどね、ははは。
でも、こんなん言ったら絶対先生に言われるのが目に見えてる。
「それはあなたがいつもと同じ量食べてるからでしょう?」
──って!
言われる、これ絶対言われるやつ。
なんか、浅はかで、すみませんでした……。
まあ普通に考えて、いつもより動かないのにいつも通りに食べてたら増えますよね、体重。
巻き爪手術の詳細については、「巻き爪 手術」で検索すると詳しく出てくるので、ここではあまり紹介しませんが、フェノール法と出ていたら、それが今回私がやった治療法です(治療方法はほかにもいくつかあります)。
このフェノール法を簡単に言うと、巻き爪の先だけ切っても、根元のほうから巻いているのがまた伸びてきちゃって同じことになるよね? だから食い込んでる部分が永久に生えてこないように処置しますね、という治療です。
以前は巻き爪の手術をすると、しばらく松葉づえが必要なほど痛みを伴ったらしく、その当時からすると非常に進歩しているようです。
料金は私の場合で5000円かからない程度。
傷口の状況を見つつ、化膿止めや炎症止めの軟膏がでるので、それを一日一回自分で患部に塗り、上からガーゼをし、ドラッグストアなんかで売っている医療用テープでガーゼを固定して、おしまいです。
手術後に、痛み止めと化膿止めの抗生物質の錠剤が出ます。
私の場合、さすがに次の日一日は痛がゆいような違和感があり、ロボットみたいにぎくしゃく歩いていましたが、二日目あたりからだいぶ普通に歩けるようになりました。
◇◇◇
最後に感想を言うならば、
「巻き爪の痛みが2週間以上続いてるなら手術を検討する価値がある」
と、実際にやってみた私は思います。
ただ、私自身もめちゃくちゃ悩んだしこわかったので、迷う気持ちもよくわかるんですよね。
巻き爪の痛みっていつも一定じゃなく、痛い時と平気な時があるんで、どうしても平気な時を基準に考えてしまいがちですし。
でもやってみたらとてもよかったので、これは未経験の人にお伝えしなければ! と思いました。
もしもっと早く決断していたら、最後の夏山登山に間に合っていたかもしれないのにと思うと、もう悔しくて……!
あっすみません、登山が趣味なんです。
そして私の住んでいる北海道は秋がとても短いので、今現在、秋山登山に間に合うかどうか微妙なところなんですよね……。
山……行きたいな……山。
このエッセイが、巻き爪で悩んだり不安な思いをしている人の一助になりましたら幸いです。
また、なにか聞きたいことがある方はご遠慮なく感想欄などで書いてみて下さいませ。
私にわかる範囲であればお答えしますし、励ましますし、一緒にこわがったり(?)もしますので。
お待ちしてますねー!
【追記】9/24に手術をし、11/19に「もう薬塗らなくていいよ」と医師に言われたので、およそ2カ月弱で完治した計算になります。ご参考までに…