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中二病JK,異世界転生で更に悪化する!  作者: 北のシロクマ
第3章:ダンジョンマスター(裏)
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仲違い

 焚き火を囲っているところに襲撃を受けた。フレッツェの言う闇ギルドの刺客か? 生捕りにして吐かせる必要があるな。


「ヒェ! ゴ、ゴトーさん、煙が!」

「マジックアイテムか!」


 途端に妙な煙が立ち、辺りが視界ゼロの状態に。



 シュシュシュシュ!



「ヒィィィィィィ! 掠った、掠りましたよ、また弓矢が!」

「視界を奪った上で弓矢か。随分と計画的だな」

「か、感心している場合じゃ!」

「分かってる。少々目が回るだろうが、しっかり捕まってろ」

「目が回る? それはどういう――ヒィィィ!」


 煙を消し飛ばし、且つ襲撃者を倒す手段。偽メグミと対峙した時に閃いた技だ。


「超回転――トルネードスピン!」

 

「な、なんだ――うわぁぁぁ!」

「いきなり風が――ひぃぃぃ!」


 襲撃者の自由を奪い、次々と巻き上げていく。紛れ込んだ弓矢も心臓に当て、トドメを刺すのも忘れない。

 あの2人は巻き込んではいないぞ? ちゃんと威力は調整したからな。


「おっと、最低1人は生かしておかないとな」


 情報を吐かせるために1人だけはそのまま落下させた。他の襲撃者は……シャムシエルが倒したか。



 ドサッ!



「グヘェ!」


 落ちてきた襲撃者をキャッチ。終わった時にはスッカリ煙も吹き飛んでいた。


「よし、ちゃんと生きてるな。お前たちは誰の命令で動いていた?」

「い、言うわけねぇだろ、殺すならさっさと殺しやがれ!」

「生憎と襲われる心当たりが多すぎてな。協力してくれるのなら見逃してもいいんだが?」

「……ほ、本当か? なら――」



 ドゴォ!



「!!!」


 襲撃者が喋り出そうとした瞬間、横から飛んできた鉄球が直撃。頭部が吹っ飛び、一目で即死だと分かる状態に。飛ばしてきたのはもちろん……


「ラング?」

「な~に目を点にしてやがる? テメェがもたもたしてっからトドメを刺してやったんだろうが」

「何を言っている。情報を吐かせるチャンスだっただろう」

「ん? ああ、悪ぃ悪ぃ、そこまでは考えてなかったぜ!」


 まぁ殺してしまったのなら仕方ない。そう諦めた時だ。意外にもシャムシエルがラングに詰めよって行く。


「……貴様、何を考えている?」

「あ? だから情報を聞き出せなかったのは悪かったって言ってんだろ」

「そうではない。今の襲撃、貴様は一歩も動いてなかったではないか」

「!」


 シャムシエルの言ってることは間違っていない。ラングは周囲を観察するだけで、積極的な戦闘は行っていなかった。


「わざと動かなかったって言いてぇのか? ざけんなクソ(あま)ぁ! あんなに煙が立ち込めてる中でどうやって動けってんだ!」


 激昂するラング。しかしシャムシエルの追及は止まらない。


「それでも距離を取るくらいは出来ただろう? いきなり仕掛けてきたのだ、ただの物取りではないことくらい直ぐに分かるはず。いや、それだけではない。奴らの狙いは最初からフレッツとゴトーに絞られていた。まるで貴様は対象外だと言いたげにな」

「テ、テメェ、俺が奴らとグルだってぇのか!? ザケやがってぇ、なら言わせてもらうがなぁ!」


 今にも掴みかからんとする勢いでラングが反論。こっちも気になる事実を告げてきた。


「テメェだって連中にシカトこかれてたろうが、ああ!? それに見てたぜぇ? スナイパーの奴らの命乞いを無視して即座に首を跳ねてたところをな! なんならそん時に吐かせりゃ良かったじゃねぇか。まさかテメェほどの実力者が出来ねぇたぁ言わねぇよなぁ!?」

「…………」


 押し黙るシャムシエル。アイツほどの実力者なら隙を見せずに情報を吐かせるくらいは造作もなかったはず。ラング同様怪しいのは間違いない。


「どうするフレッツェ、あの2人が信用出来ないなら俺だけが同行するのも手だが。――フレッツェ?」


 ふと傍らを見るとフレッツェが身を丸めてガクガクと震えており、微かな声で呟いていた。


「そ、そんなはずは……。こんなの……話が違うじゃないか……」

「どうしたフレッツェ?」

「やはり……やはりダンジョンマスターの話なんぞ鵜呑みにすべきではなかったのだ……」


 ダンジョンマスターだと?


「フレッツェ、ダンジョンマスターがどうかしたのか?」

「えっ!? い、いや、なんでもありません! それで、え~と……」

「あの2人を信用するか否かだ」

「あ……あ、そうそう、そうだったね。まぁ正直なところ信用しきれないのは間違いない。あの2人のどちらかが偽者という可能性はあるだろう。或いは2両者とも……。だが私にはゴトーさんがいる。貴方の目が有る限り下手な行動は取れない。そうでしょう?」


 意外な言葉だった。これだけ危険な目に合っておきながら尚も2人を同行させると言うのだ。


「フレッツェが良いなら構わないが。まぁ引き続き護衛は任せてもらおう」

「ハハッ、頼もしい限りで。では一足先に休ませてもらうよ」

「…………」


 フレッツェはアクビをしつつテントに入っていく。

 離れた場所ではラングとシャムシエルの言い合いが続いていたが、やがて疲れたのか2人とも寝てしまっていた。


「しかしダンジョンマスターか」


 フレッツェめ、まだ何かを隠しているな。闇ギルドの討伐依頼でなぜダンジョンマスターが出てくるのか。聞き出す必要があるだろう。



★★★★★



 次の日からギスギスした雰囲気が続いている。ラングとシャムシエルは終始無言で歩き続け、間に挟まれたフレッツェがオロオロする日々だ。


「「…………」」

「2人とも、強張った顔をしているようだが……」

「「…………」」

「あ~、今日は大変良い天気で……」(←誤魔化すの下手かよ)

「フレッツェ、今は夕方だぞ? そういう台詞は朝に言うべきだ」(←お前も余計なこと言わない)

「ハッ、ハハッ……」


 ――とまぁこんな感じだ。俺としては静かで最適なんだがな。フレッツェには居心地が悪いらしい。



「お? どうやら村のようですな。今日はあの村に泊まるとしよう」



 サッ!



「ん? どうしましたゴトーさん?」

狙撃手(スナイパー)がいる」

「えっ!?」


 村に近付こうとしたフレッツェを手で制した。村の入口付近の茂みから矢先が見えるからだ。


「弓で狙われているようだ」

「そんな! まさか以前襲ってきた連中……」

「分からん。無力化してから聞き出してみよう。邪魔するなよラング」

「わ~ってるよ」


 茂みに潜む何者かに向けて一直線に駆け出した。


「クッ!?」



 シャシャ!



 まさか突っ込んで来るとは思わなかったようで、狙撃手は一瞬戸惑った様子を見せる。が、手慣れなのか即座に反射して矢を放つも時すでに遅し。飛来した矢を悠々と飛び越え、狙撃手の背後に降り立つと同時に手刀で弓を叩き落とした。


「何っ!? ――グァッ!」

「相手が悪かったな。せめて俺が動き出す前に射貫くべきだった」(←いや無理だろ……)

「クッ……」


 観念したのか狙撃手は抵抗する素張りは見せず、両手を上げて降参するポーズを取った。


「お前1人か? まさかとは思うが、1人で4人を相手にする気だったのか? 無謀な真似を」

「仕方あるまい。レクサンド共和国と地理的に近いこの村は真っ先に徴兵の対象となったんだからな」


 よく見るとこの狙撃手、随分と老け込んで――というより老人といっても差し支えない歳に見える。


「つまり戦えそうな奴はアンタ以外にいないと?」

「そういう事だ。この村には世話になったんでな、せめて連れてかれた連中が戻ってくるまでとは思ったが、戦争で死んだかそのまま軍に組み込まれたかのどちらかだろう。ところでアンタらは何者だ? こうして生捕りにするあたり、賊の類いじゃなさそうだが」

「冒険者だ。レクサンド方面に用があってな、一晩泊まれればと思ったんだが……」

「そうだったか。それはすまない事をした。こんな山奥に冒険者が来ること自体が珍しいんでな、てっきり金品を漁りに来たのかと勘違いしたんだ。詫びと言っては何だが寝床と食事を無償で提供しよう。ついて来てくれ」


 どうやら平和的に済みそうだ。しかしこの老人、どこかで見たような……


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