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中二病JK,異世界転生で更に悪化する!  作者: 北のシロクマ
第3章 ダンジョンマスター
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ダンマスの家系

 ダンジョンバトルでの勝利により、クレセント学園が奪われる事態を回避した。が、それだけでは事態が収まらず、敵として戦ったダンジョンマスターのミラが、私の下僕になりたい(←そんなこと言ってたっけ?)と申し出てきたのだ。

 そこで日を改めて会う約束を取り付けたのだ、私の邸でな。それが……


「今日ってわけだ。なら気合い入れて作らせてもらいますぜ!」


 いつも以上にやる気に満ちたジョグスが厨房で腕を振るっている。ただ同年代の客人が来るとしか言ってないのだがな。


「結構なことだが、なぜに気合いが入るのだ?」

「そりゃあメグミお嬢様が心をお許しになられたご友人とくりゃ、腕によりをかけなきゃならねぇでござんしょ? へへ、あっしにゃ分かりますぜ。数日前からソワソワしてやしたからね。おおかた妹分的な御方でござんしょう?」

「う~む、あまり意識はしとらんかったなぁ。妹にしちゃ出来の悪い妹になるし、歳上である私に対して生意気な態度だし。だが何故だか憎めないのだ、私の器が大きいのが理由だと思ったが」

「ハハッ! 憎めないのは気を許した証拠でさぁ。でなきゃわざわざ迎える準備なんざしやせんからねぇ」


 そうか、気を許した妹か。眷属にはゴトーやフェイがいるが、私に対しては一歩引いた態度だからな。奴らとは兄弟姉妹とは言えんし、ジョグスの言っていることは的を得ているやもしれん。


「ではそろそろ迎えに行ってくる。準備の方は任せたぞ」

「はいよぉ! 店を臨時休業して駆けつけたんだ、抜かりなく準備しやすぜ!」




 さて、少々早いが指定された座標に向かうとしよう。(←ウッキウキで空を飛んでいます)

 場所は人里離れた山の中で、付近に人の行き来はまったくない。代わりに確定エンカウントで魔物がでそうな雰囲気まである。なぜこのような場所を指定したのだろう?

 そう疑問に感じながらも上空で待機していたデザートイーグルを発見。クチバシで地上を指していた。


「おお、お前は確かミラの眷属で……グルースだったな。この下にミラが居るのか?」

「グルゥ!」


 グルースは大きく頷き地上へと降下を開始。私も後に続くと、見知った顔ぶれが見えてきた。


「フフ~ン、出迎えご苦労。じゃあアンタの秘密基地まで案内しなさい」

「…………」



 グニィ~~~~~~!



「いはいいはいいは~い!」

「生意気なのはこの口か。どうやら最初にやることはその態度を改めさせることのようだなぁ、んん?」

「あややうかやはやひへお~!」


 しかし生意気ながらも悪い気はしないな。これが姉妹喧嘩というやつか? 一人っ子の私にはよく分からんが。


「フフ、仲良さげで結構かと。ついでにボクとも抱擁を……イデッ!?」

「触るな変態ドラゴン。特に貴様には過酷なトレーニングを課してやるからな」

「そうね。手癖も悪いし、キッチリと根性を叩き直してもらいなさい」

「おぅふ……」


 軽く雑談を交わして(きびす)を返そうとした。――が、そこでミラの後ろに隠れている見慣れない人物に目が止まる。


「ふむ、そこの少年は……何者だ? ダンジョンバトルでは見かけなかったが」

「ああこの子ね。ほら、自分で挨拶しなさい」

「う、うん……」


 ミラに促されて前に出る金髪の少年。そういえばミラも金髪だな?


「まさかミラ、お前の子供……」

「――なわけあるかぁ! 金髪なのは単なる偶然よ偶然! 行く宛もなく彷徨っていたから保護しただけーーーっ! そうよね!?」

「うん。1週間くらい前、ミラさんに助けてもらったんだ。名前はロンヴァ――うんん! ロンです、ロンって言います」


 どうも私の言動を伺っている感じがするな。言い直したのは実名を隠したいという思いからか? 彷徨っていた理由も気になるし、追々探ってみるか。


「では我が邸へ案内しよう。ついて来るがいい」




 帰る過程は省く。特に何もなかったしな。

 ――でだ。つい最近増築したばかりの我がラーカスター邸はというと、それはもう立派なものである。テーマパークをまるごと使った規模があるせいで、防壁の位置をズラす羽目になったほどだ。それを見た皆は口を大きく開け放ち……


「す、凄い、まるでお城に帰ってきたみたい……」

「スッゴイ立派~! 是非とも屋上であたしの歌声を響かせたいわ!」

「まさかこのような豪邸に招待されるとは。やはりボクは特別な扱いを――」

「「それは気のせい」」


 私とミラが同時に突っ込む。このセクハラ竜はどこまでもポジティブ思考だな。


「――で、どうだミラよ、お前のダンジョンより立派であろう? んん?」

「フン! ま、まぁまぁね。この私を迎えるんだから、このくらいは当然――」

「ほほぅ? 素直じゃないなぁ?」グニグニ!

「いはいいはいごめんらは~い!」


 相変わらず口の減らん奴め。(←お前も煽るなよ)


「……まったくもぅ。では部屋に案内するからついてくるがいい」


 まずはミラたちを応接室へと通し、レンとバードを呼びつけてロンを連れ出してもらった。ジョグスが用意したプレミアムパフェをテーブルに並べると、部屋の照明器具をミラに向けていざ取り調べだ。


 クィッ


「……で、反抗動機は何だ?」

「何やってんのアンタ……」

「いいから合わせろ。なぜ反抗を起こした? 言っておくがシラを切っても無駄だそ? ネタはすでに上がっているんだからな」

「ネタって何?」

「いいから合わせろっちゅうに」スッ

「ん? 何よこのカンペ」

「指示通りに話せばよい」

「え~と、何々…………す、すみません、もう堪えられなかったんです――って何の話よこれ?」

「フッ。カツ丼……食うか?」

「これ、プレミアムパフェってやつじゃなかった?」

「いいから食え」

「ちょ、ちょっと――モゴモゴ…………美味しい!」

「――だろう?」


 やはりプレミアムパフェは絶品だ。どれ私も……んん~~~、これぞスイーツの宝石箱だ!


「……で、この茶番は何?」

「1度やってみたかったのだ、刑事ドラマというやつをな」

「刑事ドラマ? 何か重要な儀式なわけ?」

「うむ。子供のうちに誰しもが検証するであろうことの1つだ。友達とこう、刑事役と犯人役に分かれてな。希に大人になってから実体験する輩もいるが、そこは割愛。とにかくこれでお前は大人に近付いたと言えるだろう」

「そうなの? なら悪い気はしないわね」(←騙されてるぞ)


 冗談はさておき……


「ダンジョンバトルとはいえ敵対した相手に鍛えて欲しいと願ったのだ。何か事情があるのだろう?」

「……いつから気付いてたの?」

「最初からだ」


 ミラはポセイドとのバトルに勝利した。しかし学園を取られてはマズイと考えたメディルが独断で動き、リーリスに打ち明けたところ、私の名前が出た。そんなところだろう。


「今にして思う。ポセイドが勝敗を気にしてなかったのは、ミラを学園に置く大義名分が必要だったのではないか……とな」

「はぁ……、そこまでバレてたんだ。なら隠す必要はないわね」


 観念したのか(←何にだよ)ミラはイソイソと仮面を外し、隠されていた素顔を晒してきた。


「ふむ、容姿は文句なしの美少女だな。種族も私と同じ人間か。そして年齢は1つ下の12歳と。うむ、義妹として周知するのを許可しよう」

「いや、何でアンタの義妹なわけ? それに学園じゃ不思議ちゃん扱いされてるそうじゃない。ポセイドが言ってたわよ」


 あんのド腐れダンマスめ、私のイメージダウンを計るとは!


「でも義妹になるのは賛成よ。少しでも危険が減らせるのなら有難いことだもの」

「そうかそうか! ではこれから私のことはお姉様と呼ぶように」

「それは嫌。でもアンタじゃなくってメグミって呼んであげる。これでいいでしょ?」

「う~む……まぁいいだろう。では私からは()()()と呼ばせてもらうが構わんな?」

「えっ!?」


 本名を口にした途端、アイラの表情が強張る。


「やはりマズイか?」

「そ、そうね。その辺の理由も話すから、周囲には内緒にして欲しい……」

「分かった」

「ありがとう。それで理由なんだけれど……追われてるのよ……私」

「追われる身――といつやつか」


 それからこれまでの流れを語りだした。

 アイラの家系は代々ダンジョンマスターとしての力を受け継いでおり、アイラも末裔の1人なのだと。しかし今の代には兄と姉が居り、その2人が勢力を二分させて争っているのだそう。戦いを有利に進めたい思惑からか、互いにアイラを取り込むための刺客を送り込んでくるのだと。


「兄や姉から逃れるには、今以上に力を付けないといけない。強くならなきゃいけないの。当然2人に見付からないようにしつつね」

「仮面を付けてるのもそのためか」

「その通り。クレセント学園はダンジョンの中だし、更に見つけ難くなる。身を隠すにはうってつけだと思ったのよ」


 それでバトルと申し込んできたと。


「だが相手もダンジョンマスターであろう? 見つかるのは時間の問題ではないのか?」

「そう……かもね」

「フッ、悲しそうな顔をするな。私の義妹になったのだ、どんな連中だろうとアイラに手出しはさせん。絶対にな」

「本当!? ありがとうメグミ! メグミほどの強さなら安心して背中を任せられるわ」


 実のところアイラを匿うのは私にとってもメリットがあるのだ。何せアイラはダンマスだからな。ダンジョン機能を使って色んなものを召喚できるのを私は知っているのだよ。これを利用してプレミアムパフェの材料を召喚させる。フッ、完璧だ。


「では弟を呼びに行こうか」

「は? 弟?」

「弟のロンにも教えてやるべきだろう?」

「……いや、勘違いしてるようだけど、ロンは弟じゃないから」

「……え? じゃあ保護したという話は……」

「もちろん本当のことよ。レマイオス帝国から逃げてきたって言ってたわ」

「…………」


 ま~た面倒なことになりそうだな……。


キャラクター紹介


メグミ

:本作の主人公。前世では高杉夢たかすぎめぐみだったが、転生後はメグミと名乗っている。

 不治の病ともいえる中二病を患ったJKであったが、転生後も治る見込みはない――というか治す気すらないようだ。

 その中二病の影響か魔王としての能力に目覚め、魔王として力を振るう一方で中等部の生徒として学園に通っている。何がしたいのかよう分からんと周囲から思われているが、本人は気にしていない。


 所持スキル


Eスキャン(イグリーシアスキャン)

:視点を合わせて見たものを何でも解析してしまう万能スキル。偽装をも看破するため、軽度な誤魔化しは通用しない。


言語統一スペルアライメント

:動物や魔物の声を翻訳するスキル。最初こそ面白がって多用していたものの、小動物にも中二病だと陰口を叩かれて以降、滅多に使用しなくなった。


魔偽製造マギプロダクト

:右目の青い瞳で真実を覆い、左目の赤い瞳で偽りを語るスキル。周囲には偽りの情報が真実と認識され、事実その通りとなる。但し、タイムパラドックスが発生する事象までは起こせない。


雑多風景ジャンクヴィジョン

:強く脳裏に浮かべたものに変化し、周囲と同化するスキル。あくまでも背景の静止画として溶け込むため、生き物には変化できない。



アイラ

:普段は顔と本名を隠し、ミラと名乗っているダンジョンマスターの少女。兄と姉による御家騒動に巻き込まれまいとして、世界を転々と渡り歩いている。ダンジョンバトルを通じてメグミの絶対的な力を認め、自身と眷属の強化のため同居することにした。



セリーヌ

:アイラの眷属でセイレーンの少女。普段は人化の指輪を使って人の姿に化けている。歌は得意だが好きというわけでもない。本気を出したい時は演歌を歌うらしい。アイラが寝付けない時には子守唄を歌うこともある。



グルース

:アイラの眷属で砂漠のハンターとして有名なデザートイーグルという魔物。砂漠での狩りを得意としており、砂漠に慣れていない冒険者は彼らの餌食となる可能性が高い。アイラが移動する際は彼の背中に乗ることが多い。



ワグマ

:アイラの眷属でシャドウムーンベアという豪腕マッチョな熊の魔物。彼の爪はとても鋭く、ドラゴンの硬い皮膚すら貫くこともあるのだとか。アイラのダンジョンでは守護神として活躍しているらしい。



ブラッシュ

:アイラの眷属でブラストドラゴンというS級の魔物。普段は人の姿をとり、アイラの護衛として付き従っている。とにかく若い女が好きで、若ければ若いほど良いと抜かすほどの危険人物。隙あらばアイラやメグミに抱き付こうとするが、ストライクゾーンは人化したフェイという救いようのないド変態。空気が読めないところがあり、種族名の通りに場の雰囲気を破壊することに定評がある。



ロン

:アイラが保護した謎の少年。自身と似た境遇に共感して無条件で保護したらしいが……。



ジョグス

:ザルキールの街では知る人ぞ知るプレミアムパフェを提供している酒場のマスター。人気になったは良いが、酒を飲みにくる客が少ないことに悩んでいるらしい。


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