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魔力は最強だが魔法が使えぬ残念王子の転生者、宇宙船を得てスペオペ世界で個人事業主になる。  作者: なつきコイン
第一部 帰還編

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第53話 エウロパ

 今日は、リリスの手作り弁当を持って、ピクニックではないが、エウロパ湖に来ていた。


 湖畔にシートを敷いて、みんなでリリス自慢のおにぎりを頬張る。

 甘い卵焼きも絶品だ。ついつい食べ過ぎてしまう。


「ふー。お腹いっぱいだ。ごちそうさま」

「お粗末様でした。少し横になりますか?」


 リリスが正座して、俺を誘ってくる。

「膝枕か。じゃあ、失礼して少しだけ」


 俺は、リリスの太腿に頭を乗せて横になる。

 なんとも、ゆったりした時間が過ぎていく。

 部屋に引き篭っているばかりでなく、外でのんびりするのもいいものだ。


「セイヤは暢気でいいわね。ララサさん。それで、御神体のエウロパはどこにあるの」

「ステファさん、あの湖の真ん中にある島がそうです」

「ああ、あれね。確かに球体の一部のようね」


 エウロパが墜落した衝撃でクレーターができ、そこに水が溜まって、湖になったようだ。


「エウロパで間違いない」

「チハルちゃんが言うなら確かね。さて、そうなると、あそこまで行かなければならないわけだけど、ボートのような物はないわね」

「実はこの湖には主がいて、島に渡ろうとすると襲ってくるんです」


「主ですって? それはドラゴンか何かなの!」

「いえ、巨大な電気ナマズですが」

「あー、そうなの。ならどうでもいいわ」


 ステファのテンションがいきなり上がって、下がったが、ステファはドラゴンが見たかったのか。

 そういえば、最初に地上に降りる時も言っていたな。ドラゴンに何か憧れがあるのだろうか?


「でも、それをどうにかしないと渡るのは無理です」

「シャトルポッドで飛んで行けばいいでしょ」


「主は島の上にいても攻撃してきます」

「それは危険ね。充填するのに時間がかかるし、その間セイヤは無防備だわ」

「セイヤ様の身を危険に晒すわけにはいきません」


「退治してしまえばいい」

 チハルが物騒なことを言っている。


「そうですね。セイヤ様の安全のためにそれが一番ですね」

「でも、どうやって退治するの? 何か武器を持ってきた?」


「衛星軌道からビーム砲で攻撃する。カリストの試運転に丁度いい」

「カリストって、次元魔導砲ではなかったの?」

「通常兵器も積んでいる」


「そうだったの。でも、それで攻撃したらエウロパが壊れない?」

「シールドがないから全力でやると壊れる」


「それじゃあ駄目じゃない!」

「全力でやらなければいい。三パーセントの出力ならエウロパには問題ないし、主を退治するには十分」

「そうなの、じゃあ、それでやってみましょうか」


 何か、俺がリリスとのんびり過ごしている間に、チハルとステファの間で物騒な話し合いが決まったようだ。


「ここは危険、少し下がったほうがいい」

「えっ? チハル、何をするんだ?」


 俺はチハルにせかされて、リリスと一緒にシートを引きずって百メートル程後退した。


「カリストのビーム砲で主を退治する」

「ビーム砲って、大丈夫なのか?」


「出力を三パーセントに絞る。問題ない」

「そうなのか?」

「それでは発射する」


 チハルが、どこからかサングラスを取り出して自らかけた。


「チハル、そのサングラスは?」

「対閃光防御」

「えっ? 俺たちには?」

「ない。ビーム砲、発射!」


 その瞬間、光の帯が天から地上を貫いた。

 それは、まさしく降臨した神の光。聖女でなくてもそう思えてしまう。


 余りにもの眩しさに、俺たちは目を覆う。

 光が収まり、俺たちが目を開けると、そこに映ったのは、まさに神の爪跡といえるものだった。


 湖の水は全て干上がり、湖底がビーム砲の熱で溶けてガラス状になっていた。

 勿論、主など跡形もなく消し飛んでいた。

 そんな中、エウロパだけは何事もなかったように佇んでいる。


「これで三パーセントの威力なのか?!」


 カリストのビーム砲の威力は、俺の考えを遥かに超える物だった。


「ちょっと、これで三パーセントってどういうことなのよ!」

 ステファが俺に詰め寄ってくる。

 ステファ的にも想定外の威力だったようだ。


「俺に言われても困るんだが、チハル、どうなんだ?」

「オメガユニットは最終兵器。これ位当たり前」


「最終兵器なのか?」

「最終兵器って!」

「ああ、やっぱりハルマゲドンなのですね……」


 リリスとアリアは呆然自失のままだ。


 しばらくして、落ち着いたところで、俺はエウロパまで歩いて行き、魔力を込めた。

 後は、カリストの時と一緒だ。

 ハルクにドッキングさせて、魔力の充填を行う。


 俺はブリッジのキャプテンシートに座って魔力を込めながら、みんなと話をする。


「オメガユニットのビーム砲を地上に向けて使うのはなしだな」

「そうね。シールドがない物に使うには威力がありすぎるわよ」


「シールドがあれば大丈夫なのか?」

「シールドがあるうちわね」

 ステファは、まだ戸惑っている様子でそう言った。


「チハル、そういうことだから、オメガユニットの使用には注意してくれ」

「わかった」

「全面凍結にはしないのですか?」

 リリスが不安そうな表情を見せる。


「いざという時に使えないと困る。それはしない」

「では、残りのオメガユニットも見つけて、使えるようにするのですね?」

「そのつもりだ」


 他の星から攻められたことを考えれば、武力は多い方がいい。

 二基では惑星全体を守るには少ないだろう。


「次に候補はイオ火山だったか?」

「そうです。活火山の火口の中に御神体があります」


「火口の中なのか……。それって、壊れてないか?」

「多分、問題ない」

 そうだな、あのビームでもエウロパは何ともなかったからな。


「まあ、行ってみるしかないか……」


 明日は火山に行くことになった。



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