序章「総理大臣、異世界へ。」
どうもはじめましてニレノ木です。
はじめての小説です。
202X年 日本
「――では第100代内閣総理大臣を指名いたします。」
議事堂内が静まり返る中、私はただ次の一言を待つ
「第100代内閣総理大臣は…………」
『勇嶺 護君、に指名することに決まりました』
フラッシュがたかれるなかで、大きな声援と拍手が私を包んだ。
「いやぁ〜!おめでとうございます、勇嶺さん!」
護「いや、私がこうして三度も首相となれたのは、ここにいる皆さんや国民の皆さんのお陰だよ」
「そんなに謙遜するなよ、勇嶺くん」
「そうですよ!その皆がついて来てくれるのは、勇嶺さんの実力あってこそです」
護「はは……そうかな?」
「ああ、現に君が総理になってからというもの、この国は確実に良くなっているよ」
護「それは国民の努力と協力があったからであって…………」
「あー分かった分かった!その話は一先ず置いといて、そろそろ乾杯としようじゃないか」
「ではでは………勇嶺 護先生の100代目内閣総理大臣決定を祝しまして…………乾杯!」
「「乾杯!!」」
私はその音頭と共に皆とグラスを合わせた
「これからも末永く頼むよ、総理」
護「皆……本当にありがとう」
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護「―――では、私は書斎に戻るよ」
「そうか……ではまた明日、だな」
護「ああ、君達もあまり飲み過ぎるなよ」
そう言って会場を後にした
護(さて、では明日の予定を確認して…………)
………ケテ
護「……ん?」
タ……ケテ…………
護「なんだ…今のは………」
護(飲み過ぎか………いや、そんな量は飲んでいないぞ)
…………タスケテ
護「っ!?」
護(今…確かに聴こえたぞ)
タスケテ…
護「これは……幻聴なんかじゃない」
護(助けて………間違いなく誰かが助けを求めている!)
タスケテ
護「……官邸の外か?」
私はその声を頼りに外へと向かった
たすけて
護「外だ!声が強くなっている!」
官邸の玄関を出て、広い庭へと向かう
たすけて!
護「……ここら辺だな」
護(声からして子供か……でも一体なぜ)
すると、庭の一角が光っていることに気付く
護「………なんだ……あれは」
まるで日の光のような強烈な光だった
護(なぜ誰も気付かないんだ?)
私はその光に近付く
こういう場合、私が行くべきではないのかもしれない、が
助けて!
確実にだれかが助けを求めている
それを見て見ぬふりしてしまうことは、私にはとても出来ない
護「あの光か?……あそこから……声が聞こえているのか?」
私が近付くと………また、声が聞こえた
助けて………
護「やっぱりだ……この光から声がするぞ…」
助けて………ま……る…
護(なんだ…またなにか呟いて……)
助けて、まもる!
護「!?」
護(なぜ私の名を…!?)
すると、その光は突然と大きさを増したのだ
護「っ、眩しい!」
『助けて、まもる』
護「誰だ!君は誰なんだっ!」
『こっちに来て……』
『私達を助けて!』
護「こっちって……どういう……う…うわぁぁぁッ!」
私は、そのまま光に飲まれた。
異世界ものって難しいですね....