ファンタジー・ワールド(3)
メビウスの冒険(1章)について.3〜王への謁見〜
シドはフレーシュン大陸を治める3代目国王のアルフレッド・ヴォルフ2世と対談する。アルフレッド王はシドの経歴を知っているため、シドの話に耳を傾ける。その上で、どう動くべきかを考えていた。
王としての決断は簡単にできるものではない。ブラック・セブンズの脅威がどれほどのものか分かってはいるが、山賊により交易が捗らず国内は少しずつ疲弊していたのだ。
まずは、山賊の脅威を払い、国が安定した供給路を確保したいことをシドに言うアルフレッド王。シドはマウンテン・ドッグスとの一件を話し、お互いに協力することで、周りの山賊やブラック・セブンズとの戦いに備えることができるということ、マウンテン・ドッグスと王国は元々一つであり、大事な国民であることを唱え説得する。
そこに1人の衛兵が入ってくる。騎士団に抵抗した子どもを捕まえたと。それはメビウスとカルードであった。
2人は山賊狩りの準備を行っていた騎士団「山狩りの狐」を目撃し、団長のルアー・フォックスにやめるように話しかけに行っていた。
当然、子どもの言葉を聞き入れることはなく、ルアー・フォックスはマウンテン・ドッグスを徹底的に潰すことを宣言する。その言葉を聞いたカルードは怒りのあまり剣を抜いてしまう。メビウスがカルードを静止するも、2人は衛兵に囲まれてしまい捕まってしまったのだ。
シドは王に詫びて2人を開放する。そして王の決断が出るまで待つこととしてアルフリーズ・パレスに留まるのであった。
2日後、アルフレッド・ヴォルフ2世はその名の下にブラック・セブンズと、初代ヴォルフ王との契りを交わしていない無法者たちを討伐し王国に安寧をもたらすことを宣言する。
そしてアルフレッド2世は自ら軍を率いてアルフリーズ・パレスを後にする。シド達も同行し、メビウスは村のことを思い出しながら、戦いが近づいてきていることをひしひしと感じていたのだった。
これが、メビウスがシースン村を出て1ヶ月後のことであった。
ミドル・マウンテンに到着後、シド達はアルフレッド王とともに月光の砦に向かった。
明日には砦に着くだろうというところでテントを建てていた時に、月光の砦がある方向から1人の男が現れる。その男は傷だらけになっていたが、カルードはマウンテン・ドッグスの一員であることに気づき近づく。
男はカルードの顔を見るや、涙を流しながら語った。
「月光の砦が......、落ちました! 団長達も皆散り散りに......」
そして気づけば月光の砦の方向から、夜の闇に紛れて黒煙が上がっていたのだった。