2節 夢
これから少しずつ木宮白露の過去を描いていきますので少し予想してみてください
ーーこれは、夢、自分の過去を映したもの
「うう、ぐすっ、ぐすっ......なんで、私、だけ...........」
少女が公園のベンチで泣いている
俺はその少女に近づき
「どうしたんだよ、話してみろよ」
少女はこちらに振り返り
「君、だーれ?」
「俺はただの通りすがりの青年だよ、俺が誰であろうと関係ない、ちょっと話してみろよ、話せば少なくとも気持ちは楽になるぞ」
俺は満面の笑みでいった
普通、こんな奴が話しかけてきたら不審者で通報されてもおかしくはないが今は平気だった
なぜならーー
「せいねん?君私と同じぐらいの歳だよね?」
ーーこの小学生くらいの少女と同じ年齢だからだ
「お、青年の意味を知ってるのか、物知りだな〜」
「だから君も私と同じ年齢だよね?だったら君も物知りだよ」
「そうだな、俺もかなり物知りだ!」
俺は胸を張っていった
すると少女は
くすっ
少しだけ、笑ってくれた
俺はこの少女の笑顔が見れてかなり満足した
「まあ、そんなことより本題に入ろう、なんで君はこんなところで泣いていたんだ?」
少女は俯きながら、ぽつり、ぽつりと言い出した
「私、何もしていないのに下駄箱の上履きに落書きされたり、教科書に悪口を書かれたりした」
「お母さんとかに相談したのか?」
「ママはそんなの無視しなさいって言ってたけど、無視してたらどんどんひどくなっちゃって、それで先生とかに相談しても怒ってくれるんだけどやるたびに女子トイレに呼び出されて悪口言われたり蹴られたりするの、だから」
「ここで1人で泣いていたと、まじか〜今のご時世小学校でこんないじめがあるんだなー」
「私、どうしたらいいと思う?」
少女が俺の方を向いて聞いてくる
その表情は頼ってくれている後輩のようだった
「まあ、俺も無視したらいいと思うんだけど、それが成功したらこんなところにいないわけだし..........そうだ!15分だけちょっと待ってて」
俺は家に帰ってすぐに自転車で電気屋に行ってあるものを買ってきた
「お持たせ、もし今度女子トイレに呼び出された時ようにこれを買ってきた」
俺が買ってきたのは小型のボイスレコーダー
ちなみにお金はお父さんのへそくりから取ってきた
「これならバッチリいじめの証拠として訴えることができる、次、女子トイレに呼び出された時にこれをつけて録音すればきっといじめがグッと減る」
少女は表情をみるみる明るくさせ
「本当に!ありがとう!!」
「いやいや、良いってことよ」
「またいじめられたらここに来てくれ、またなんとかしてやるから」
俺は家に帰ろうとすると
「ね、ねえ!君の名前ってなんて言うの?」
「ーー俺の名前は木宮白露だよ、じゃあ君の名前は?」
「私の名前は橘時雨、またここに来てくれる?」
「ああ、ここ通学路だからな」
「じゃあ、次は一緒に遊ぼう!」
「ハハ、分かった」
俺は自転車に跨り公園を後にした
〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜
「うーん、今のは夢、か..........」
俺はベットで目を覚ました
「え〜っとここどこだ?」
俺はしょぼしょぼした目を手でこすりながら辺りを見渡す
「確か俺はスタンガンでおじさんたちをダウンさせた後何したっけ?」
確かそのまま気絶した気がするんだが、どうしてこんなところにいるんだ?
「おはようございます」
挨拶しながら現れたのはドレスを着た少女だった
見た目は本当に美少女としか言いようがない顔で髪は金髪、目は透き通った水色
背の高さは155あたりだろうか、それでも身長の割には胸がでかくちょっと気を抜くと勝手に目がその胸に釘付けになりそうになっている
「君は誰?」
「私はファスチィオ・セレナーデです、セレナと呼んでください」
「じゃあよろしくセレナ、俺の名前は木宮白露、突然だけどここってどこ?」
「ここですか?驚かないでくださいね、ここはーー」
一拍置いて
「ーーフォスチィオ王国の第一王女、セレナーデの部屋です」
笑顔で第一王女がそう言った
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