表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

Sequence:01 Sunset Sky (夕焼けの空)

宜しければ、こちらもお読みくださいね。


【完結済】神無き世界~悠久の時を生きる深紅の令嬢とかつて神さまと呼ばれた人間~


https://ncode.syosetu.com/n4556fy/

 空が赤く染まっている。

 あの日と同じ夕焼けの空。


 あの時の判断を不思議と後悔はしていない。


 何度同じ選択を迫られようとも、目の前に差し出されたあの手を僕はとるだろう。

 それが、彼女達を戦地に送り出す事しか出来ない僕が唯一できる事なのだから。


「司令官〜。何をしているのですか? 出歩く時は、必ずお声がけ下さいっていつも言っているじゃないですか。この辺りは、比較的安全ですけれど、いつ何が起こるか分からないのですから。もし司令官がいなくなったら私たちはどうすれば良いのですか? もっと自分を大切にしてください。」


 声をした方を振り返ると膨れっ面の少女が立っている。


「すまないね。窓から見える夕日があまりにも綺麗だったから。ついね。」


「確かに綺麗ですね。」


 少女は空を見上げる。


「……あの日の空みたいですね。」


 少しの間空を見上げていた少女は僕の方を向く。


「あの……司令官。後悔はしていませんか?」

「ああ。後悔はしていないよ。」


 僕は意識的に笑う。

 少女は控えめに微笑むと、僕に手を差し伸べる。


「さぁ、行きましょう。皆さんが待っています。」


 僕はあの時と同じように差し伸べられた少女の手をとる。


「私、精一杯頑張ります。私達でこの世界を変えましょう。司令官と一緒ならきっと出来ます。」


 少女の笑顔はとても輝いていた。

 まぶしい笑顔。人間のエゴによって生み出された少女は、恨み言一つ言わずに人間の為に、そしてこの世界の為に戦うと言う。


 だから、僕はそんな彼女達と共に生きていく事を選んだ。

 ……人間である事を捨てて。


 この終わりかけた世界を変えるために、そして自分が唯一彼女達にできる贖罪として一緒に生きていく道を選んだ。



 だから、後悔はしていない。……するはずがない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ