~プロローグ~
こんにちは、リルンです。
お久しぶりです。
14作目です。異世界転移ものにチャレンジしてみました。
またまた連載物です、はい。
書いてみたかったんですよ~
本当に久しぶりの投稿なので、下手になってるかも……
そこは…温かい目で…御願いします…。
それではどうぞ。
此処は何処だ? 俺の視界には、見たこともない景色が広がっている。どうやら俺は、何処かの山の展望台にいるようだ。街らしきものが一望出来る。近未来の建て物に不思議なオーラ、空には明らかに人工物らしきものが浮かんでいた。
「……不思議な所だな……」
そう呟き、俺はこれまでのことを思い出そうと、頭を使う。……が
「……何も思い出せねぇ……。俺が誰なのかも……何処から来たのかも……」
記憶喪失……。終わった。俺の人生、終わった。死んだ。
ある男の人生
完
いやいや、ここで終わるには早すぎるし、まず俺の正体すら、分かってねぇじゃねぇか。せめて、俺の記憶が戻ってから終わろうぜ!? なっ!? なっ!?
気を取り直してだな……俺は見知らぬ土地に辿り着いた。が、此処に辿り着く前の記憶が全部飛んでしまっていると。ううむ……困った。俺は今、凄く困っている。
「……そうだ。今、何持ってるか確認するか……」
俺はポケットやらに手を突っ込んで、アイテムがないか、探した。幸い、服は着ていた。淡い青のシャツに黒の七分パン、小さな鞄を斜めにかけ、靴は青いシューズ。髪は何故か若干寝癖が付いている。
「……何で、寝癖付いてんだ……。寝相でも悪かったのか……? 俺は……」
ブツブツ言いながら、ポケットの中を探すが、何も入っていない。
「……鞄にはさすがに入ってるやろ……。入っててくれ……」
鞄の中を確認するも、あるのは僅かの食料だけ……。
「……死ぬわ、これ」
ある男の人生2
完
いやいや、だから早すぎるってば!! ってか、題名がダサすぎ!! せめてかっこいい題名にしろよ!! そうだな……例えば、「記録冒険記」とかな。
「はぁ……俺って人間は碌な物、持ってないな……。とりあえず、この山を下りて進んだ方が良さそうだな……」
俺はとりあえず下山することにした。
山を下りながら、俺は少しずつだが、自分という人間のことを思い出してきた。俺の名前はシン。歳は19。大学は確か行ってなくて、かと言って働いていた訳でもなかったと思う。要はニートだ。
「……だから昼頃まで寝ていて、この寝癖が付いてる訳か……。まずい。俺、とことん碌な人間じゃねぇ……」
俺という人間を思い出すたび、こうして自分を情けなく思うのか……。おいおい……せめて仕事には就こうぜ……俺。
バシッ!!
考え込んでいる俺を現実に返すかのような一撃を頭に食らう。
「いてっ!? 誰だ!!」
そう言っている間に、また攻撃を食らう。
バシッ!! バシッ!! バシッ!!
何回も攻撃され、俺はもうボロボロ。その場に倒れる。意識が……遠ざかっていく……。
「やめろ!! こいつを攻撃するな!!」
そう……誰かが叫ぶのが聞こえた……気がした――――…………。
「……きて……起きて……」
声が聞こえ、俺は目を開けた。
「あぁ、起きてくれたのね、良かった……」
俺を起こしたその声は、俺が起きたことにほっとしているようだ。……あれ、俺……山で何者かに襲われて……朽ち果てたはずじゃ……?
「まぁ、確かに瀕死状態だったけどね。私が助けなかったら、今頃、貴方は空になってたわ」
声はそう答える。女性……だろうか。話し方・声調からして、そんな気がする。……って、今こいつ、俺が考えてたこと、分かって言ったのか!? 俺、何も言ってなかったぞ!? ……ただ者じゃないな……。
「まあね。だって貴方、分かりやすいもの。……ただ者じゃないのは貴方の方じゃなくて?」
「……は? ど、どういうことだ!?」
「……私からはこれ以上言えない。今はとにかく生きることよ、シン」
「……!? 何故、俺の名前を……!?」
「……私のことよりも、早く目覚めなさい。今は自分のことだけを考えるの。私のことは忘れて」
目覚める……? 忘れる……? 此処は一体……?
「……あ、そうそう。これだけは教えておくべきだわね。……鍛えておくべきよ、シン。この世界には様々な生き物がいる中には、さっきみたいに貴方を襲う凶暴なものもいるから……気を付けることね」
「……ねぇ、この子、起きないよ?」
「おかしいわね……もうそろそろ起きてもいい時間なのに……。治療薬が効き過ぎたのかしら……?」
「……んん……」
「「!?」」
何やら声が聞こえる。今度は二人。俺はゆっくりと目を開けてみる。
「……!?」
「ひゃっ!!?」
俺の上に乗っかっていた子供らしき何かが飛び上がり、慌てて母親らしき何かの後ろに隠れた。
「あっ……こらこら、アスレ。乗っかってたのは貴方なのに、何故貴方までびっくりするのよ……。……ごめんなさいね。うちの子、貴方みたいな生き物を見たのが、今回が初めてなもので……興奮して貴方の上に乗っかっちゃって……。ほら、アスレも。隠れてないで、ちゃんと謝りなさい」
母親がそう言うと、後ろに隠れていた子供が出て来て
「……ごめんなさい」
頭を下げて、俺に謝った。”貴方みたいな生き物”……そう、俺のことを言った。だとすると、やはりこの親子は人外なのだろうか。その証拠に、親子の頭に立派な角があり、目も獣のような目をしている。さらに、母親は目の下に傷なのか、模様なのか、分からないがでかいものがあった。そして、子供の方にも、顎から頬にかけて、母親と同じようなものがあった。耳も横に長く、尖っていた。牙もあるようだ。腕と脚が明らかに人間のものじゃなく、尻尾も付いている。……どうやら此処は、本当に異世界のようだ。来てはいけない領域に足を踏み入れてしまった。……そう思った俺だった。
記憶巡り冒険記~知らぬ間に異世界に来て、記憶喪失になってしまったのだが~
投稿はのんびりとしますので、遅くても怒らないで下さい…。
待っていて下さると……嬉しい限りです。