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絆の読心術  作者: 黒田エリンギ
3/5

Target1 舘脇 翔平

どうも

タイピングが遅いので練習しないとな(汗)


結局、胸じゃねえかよっ!!

と、声を大にして言いたいかもしれないが考えてみて欲しい。


容姿良し、笑顔良し、胸の柔らかさ良しと言った三拍子がそろっているのだ。

惚れないわけがないだろう。


仮に、北沢さんが巨乳だったとして同じ状況になったらどうだろうか。

少なくとも「ふにっ」というような効果音では表せないだろう。せいぜい「ぼいーん」だ。

別に、「ぼいーん」がいけないわけではない。巨乳は我々、男の憧れだ。

ただそんな状況に遭遇しても「あのおっぱいすげー。」としかならないだろう。


なんて訳のわからない独自の理屈を展開しているが、俺も意味が分からない。

しかしこれだけは言える。


胸の柔らかさはあくまで決め手なだけであり、恋に落ちる動機や理由は十分にあったということだ。




新学期が始まって4日が経った。

特にこれと言って、相手に考えていることがバレていると言えるような出来事もなかった。

ようやく俺自身も、木綱の言っていたことは悪趣味な冗談だったのではないかと思えるようになっていた。



いつものように、トイレに行くついでに隣のクラスの北沢さんを見に行っていた。

いつもは数人の女子と楽しそうに話している北沢さんだったが、今日は違っていた。

一人の男子と二人で仲がよさそうに話していた。その男子は鷹野翼たかのつばさだった。




鷹野は俺と同じサッカー部に所属している。ポジションはフォワード、いわば花形である。

ちなみに俺はセンターバック。

俺がこの高校に進学した理由でもあるのだが、この足波第二高校のサッカー部は、ここ何年か徹底して『点の取られないサッカー』をチームのモットーとしている。

小学校からサッカーを続けてきたうえで、ずっと続けてきたセンターバックというポジションに、やりがいや、誇りを持っていた俺にとって、『点の取られないサッカー』というのはとても魅力的だった。

しかし、守りに人員を費やせば、攻撃の人員は少なくなる。そんななかでのフォワードは花形の中の花形だった。

練習試合や、大会などでゴールを決めるのは決まって鷹野だった。

顔も良いだけに、ゴールを決めるたびに試合を見に来ている女子が鷹野に熱いハートの視線と黄色い声援を送っていた。


それがただただ気にくわなかった。俺だって一年生ながら試合に出ているし、幾度となくチームのピンチをディフェンスで救ってきた。

なのに女子は見向きもしてくれない。別に自分がやりたくてセンターバックをしているのだが、モテたい俺にとってはやはり目の敵であった。



接してみると意外にもいいやつで、面白いやつなのだが、どうも女好きな性格が目立つ。

女好きなやつが女にもてると一種の連鎖反応を引き起こす。

『いつ見てもいろんな女子とおしゃべりしてる現象』だ。自分には起こってほしい現象だが他人に起きてほしくない現象ランキング一位だ。



北沢さんが自分の席から動いていない様子を見ると、どうやら鷹野が自分から話かけたらしい。そう思える。ちくしょう、まさか北沢さんの魅力に気づいてしまったのか?

嬉しいような、気付いてほしくなかったようなそんなアンビバレントを抱えた気持ちでいた。


今、俺が立っている場所から北沢さんの席まではそうは遠くない、さも「あれ?あいついないのかな~?」感をだしながら、聞き耳を立てようとした。


そのとき、鷹野が俺の存在に気付いた。俺の方を見た後、鷹野は俺の様子のおかしさに気付いた。

しくじった!と俺が思っていたその矢先、鷹野は北沢さんに対して俺に注意を向けさせた。

直視はできないが、二人の視線を感じていた。


まず鷹野がまず言った。

「舘脇のやつ、気づいていないのかな?w」


続けて北沢さんが言った。

「気付いてなさそうだね。可笑しいね」



それほど大きな声ではなかったが確かに聞こえた。

俺はあくまで「あいついなかったか〜」感をだしたまま、北沢さんのいる教室前をあとにした。

鷹野に声をかけられた気がしたが、見向きもしなかった。




笑われた。しかも鷹野と北沢さんに。

北沢さんの笑いとは本来、俺にとってご褒美なのだが、今回は事情が事情であった。


バレている、俺の北沢さんへの好意が。

バレるのなら受け止めて欲しかったのだが、

結果、それを笑われた。可笑しいと言われた。

好意がバレているということは、俺が今まで考えてきたことも実はバレていたのだろう。

俺の心はズタボロだった。



男子トイレの個室で座り込み、ただため息をついていた。それだけで休み時間は終わり、尿意もすでに無くなっていた。




ここにきて木綱の言っていたことを信じなければいけなくなった。

やっと忘れることができそうだったのに、ますます忘れることができなくなってしまった。

今、俺の身に起こっているこの忌まわしき能力(?)をどうにかしたかった。


すると木綱の言葉を思い出した。


「「舘脇君!その症状、僕ならどうにかできるよ」」


確かにそう言っていた。俺は藁にもすがる思いで授業中ではあったが、後ろの席の木綱に話しかけた。


「なぁ木綱、この前、俺が考えていることがみんなにバレてるって言ったよな?」


「あぁ...。言ったね。」


「そんで、「この症状をどうにかできる」とも言ったよな?」


「うん、言ったね。」


「どうにかしてくれないか!?頼む!もうこりごりなんだ!」


気持ちの高ぶりのあまり、つい声がでかくなってしまい、周りのクラスメイトが注目していた。


「おい舘脇、頼みごとなら休み時間にやるんだな。ほら、じゃあこの問題答えてみろ。」


先生にそう言われたことで今は授業中だと思い出して少し恥ずかしくなった。

しかし、北沢さんに考えていたことがバレていたことに比べれば屁でもなかったが。



問題を解き終え、自分の席に戻ると紙切れが置いてあった。


『でも、舘脇君は信じていなかったじゃないか。』


と、書かれていたことから木綱からの手紙だろう。


『そのときは信じていなかったけど、今は信じている。だからどうにかしてほしい、頼む。』


と書いて後ろに回した。



少し時間がして再び後ろから手紙が回ってきた。


『わかった』

とだけ書いてあった。するともう1枚手紙が回ってきた。

そこには、こう書かれていた。









『まぁ、あれは嘘だからどーするもこーするもないけどね。』





「はぁ!?!?」


「おい!舘脇!」


この授業の後、俺は授業の邪魔をするなと職員室でこっぴどく怒られたのであった。






ありがとうございました!!


もうちょい続きます。


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