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絆の読心術  作者: 黒田エリンギ
2/5

Target1 舘脇 翔平

遅くなってすみません。

話は浮かんで来るのですが、文字にするのがあまり得意ではないので、時間がかかってしまいました。


私の性癖(?)も、しっかり盛り込んだので是非。

「ねぇ、ちょっと君~。アタシとイイことしなぁ~い??」


「......。」



おっといけないいけない、ついついエロい妄想をしてしまった。

もし今の妄想がみんなにバレているとしたら、今すぐにでもこの三階の校舎から飛び降りているだろう。

木綱にあのことを言われてからというもの、何か考え事をするたびに木綱のセリフが頭の中を満たしている。



「「舘脇君、大切な話をするとね...。君の考えていること、みんなにバレてるよ。」」



そんなことあるはずがない。

そんなことが現実に起こったとして、一体どういう理屈でそんなことが起きているというのだ。

俺が考えていることが一種の校内放送のようにみんなに聞こえてるというのか?

だとするとその音はどこから生じたものなんだ。

では人は考えると少量ながら電波を発していて、俺は人一倍発生する電波が強いとか?

だからみんなが俺の電波を傍受してしまうみたいな?

確かに人は電気を帯びているらしいが、電波を発生するなんてありえない。


「常識の範疇を超えている...。」


冷静に考えてみてもこんなことあり得るわけがない。

何より、本当に考えていることがみんなにバレているとして、どうして誰も何も言ってくれなかったんだ。

気を使っているのか?だとしてもそんな異質なことが起こっているというに表情の一切を変えずに日々を過ごせるわけもない。


考えても考えてもわかるはずも無いのだが、暇さえあればエロいことかこのことばっかり考えてしまう。



「おい、授業終わってるぞ。移動しないのか?」

「っ!?...あぁ、今から行く。」


「そうか、あんまボーっとしすぎるなよ。俺もよくあるけどな。」


「あ...あぁ、ありがとう。」


彼、天乃川あまのがわ 銀河ぎんがは良い顔立ちをしているだけではなく、寡黙なクールキャラとして女子から多くの支持を受けているとよく耳にする。

しかも誰が見ているというわけではないのにわざわざ俺に親切にしてくれるとは、根っからのイイ奴なんだろう。

ちくしょう、なんて恵まれてる野郎だ。



にしても気づかなかった。

気づいたら授業が終わっていた。今日に入って三回目だ。

新学期早々、全く授業に集中できなくなってしまった。

しかも授業だけではない。昨日の夜も学校が不安で眠れなかったのだ。

こんなことがこれから先も続くのか...。

お先真っ暗なように思えるが、解決方法は単純明快、気にしなければよいのだ。

そうだそれだけだ、弱気になるな!心を強く持て俺!



しかし、どうやっても気にしてしまうのが人の摂理。

『どうして?』『気にするな!』『でもどうやって?』『だから気にするな!』というような自問自答を一日中繰り返してしまった。

結局、一度も授業に集中できず、新学期の最初の日が終わってしまった。



この際、俺が今まで考えてきたエロいことはバレても構わない。

ただ、一番バレたくないのは俺が北沢麗華のことが好きだということだ。

木綱の言う通り俺は隣のクラスの北沢さんのことが好きだ。

一目惚れだった。一目惚れなんてドラマや漫画だけの話だと思っていた。

入学式の後、ホームルームが終わり、トイレに向かっている途中に北沢さんとすれ違った。


真っ直ぐ伸びた、いかにもサラサラなロングヘア、大きくて綺麗な瞳、すらりとした細めの体型にそれほど大きくない胸。

貧乳が好きなわけではない、むしろ俺は大きい方が好きだ。

ただ北沢さんを見たことで、大きくない胸に心を惹かれた。

育ちきっていない未成熟な胸は、大きな胸とは違う魅力を持っている。


最初は、この人可愛いな程にしか思っていなかった。だが、教室に戻っても、家に帰ってもあの人可愛かったなぁと無意識のうちに考えていた。

この時はまだ、一目惚れだということには気付いていなかったが決め手となる出来事があった。



~~


~~~


5月の末、学校での大まかな立ち位置というか、大まかな権力構成の出来上がった頃、俺は学校に向かうため電車に揺られていた。


俺の乗る駅の二駅先に、葦原という住宅街が多く占める地域があり、いつもこの駅から電車の中の人口密度が高くなる。

いつもは立っている会社員を横目に音楽を聴きながら座っているのだが、今日は目の前にご老人が立っていたため、席を譲った俺は珍しく、立って電車に揺られていた。

たまに立ったまま葦原に着くときがあるが、その度に会社員(男)に挟まれ、良い思いはしなかった。

しかし、その日は違った。葦原に着き、ぎゅうぎゅうになりながらも俺の横に立ったのは、他の誰でもない北沢さんだった。

近くで見るとやはり可愛いし、いい匂いはするし、

『このまま時間が止まってしまえばいいのに』と、さも少女漫画のようなことを思いながらこの状況を楽しんでいた。

しかし、そんな状況でも話しかける勇気もなければ話題もない。ただただ


「北沢さんって葦原に住んでたんだ」


「うん」


というような通過儀礼のような会話をしただけだった。


揺れる電車。

ふとしたときにガタンと揺れた。

なんでもないようなただの揺れ。

ただ、そのとき俺の体がほんの少し体勢を崩した。


ふにっと、二の腕になにか柔らかいものが当たった。

北沢さんの胸だった。

謝る必要のないほどの些細な接触。


ただ、俺はこのとき、





恋に落ちたんだ。















ありがとうございました!!


なるべく早く投稿できるようがんばります。


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