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端っこの落とし物

夕暮も何も、空なんてない世界で

作者: 時 とこね

 僕らは笑うしかなかった。


 多分これが異世界転移と言うやつだろう。こんなことならもっとネット小説を読んでいればよかった。僕の隣にいるのは、一応クラスで一番美人と言われている鈴木さんだった。有名人に例えるなら、マリリンモンローに似てなくもない。いや、どちらかと言うと、やっぱやめておこう。

 そんなことより、ここはどこなのだろう。隣から鈴木さんのシャンプーの香りがしてくるから思考が鈍ってしまって、どうにも考え付かない。視線をモンローさんから逸らして周囲にやると、驚くほど何もない。田舎の方がよっぽどごたごたしてると思えるほどだ。暗黒の世界っていっても、そこまでは怖くないんだな。

 一番驚いたのは、床が緑で碁盤のように整然と、永遠に向こうまで伸びていってる。こんなの映画でしか見たこと無いな。ゲームでもこんな手抜きな事はないだろう。

 さて、話したいことも話したし、そろそろ行くとするか。

 モンローの手をとって、茜色の空を目指す。何も見えないだろう世界だが、上空には0と1の羅列があった。いやはや、ここまで来るのに随分手間取ったな。0と1の位置をグチャグチャしながら僕らは色々話し合った。ようやくこの暗黒の世界も終わるのだろう。まあ呆気なかったけど、僕らは元の世界に帰るとするよ。


 その日は世界最後の記念日だった。

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