有機☆化合物!〜アル☆カンの反応編〜
「俺、メタン。アルカンの一種で、沸点は−161℃。分子式はCH4。
今日は友達のってうわぁ!て、てめぇは塩素じゃねえか!」
メタンの前方には塩素が悠然と立っていた。
『やぁ、メタンくん、くくく』
そう言いながら塩素はにじり寄る。
「おい、お前、お前を呼んだ覚えはねぇ!」
『くくく、そんなこと言うなよ。もうエタンは来ないよ、ボクがくくく』
「て、てめえ、まさか!!」
『そう、食べたんだよ、彼をね』
「くっ」
メタンは悔しげに唇を噛んだ。
『アルカンは愚かだねぇ、もちろんキミもさ』
「うるせぇ、俺は愚かじゃねぇ」
『キミは気付かないのかィ〜?光があることを』
メタンはハッ、と天を見上げる。
そこには、大量の紫外線があるのだった。
「っつ!まずい、紫外線がぁ!!このままじゃ、」
『そう、ボクに置換されてしまうんだよ』
「や、やめろっ!!くっ、お、俺の水素がぁァ!!!」
塩素の魔の手がメタンに届き、強引に水素をはぎ取った。
「あ!くう!いやあああ」
もうメタンは限界だった。
「く……ははぁん!や、そんなとこ、あぁん!」
切なげに息を漏らすメタン。一つ、一つ、と塩素に満たされてゆく。
『良い子じゃないか、もっと喘ぐがいい』
「らめええええクロロメタンになっちゃうぅ……はぅん!」
『ほらほらほら、テトラクロロメタンになるがいい、くくく』
「塩素がぁ、塩素がいっぱい入ってくるぅ……」
そうしてメタンは
テトラクロロメタンになった。
〈アル☆カンの反応編〉 終わり