七話
「ここに立っていてください、そしたら女神様があなたの魔法属性をおしえてくださいますので」
メガネをかけたお姉さんに案内されて着いた部屋には、大きい魔法陣が描かれていた。複雑な模様をしていてまったく理解できない。
「女神様はあなたがひとりになった時にしかおつげを与えてくれません、ですので私達は隣の部屋で待機しています。ララ様、サリエル様、こちらへ」
そう言ってお姉さんは母様と父様を案内する。
「じゃあ属性が解ったらすぐ来てねセント」
「父様達は隣で待ってるからな」
「はい母様、父様」
「さて……………」
一人だ、魔法陣の部屋に一人立つ。
(属性…………確かに二属性持ちなんてのもあったな、三属性はいないみたいだが………)
…………………………………………
「暇だ」
もう30分近くつっ立っている、おつげはこない。
(これ実はもうきてていよいよ聞こえなかったんじゃないか?ありえる)
マイナス思考全開の考えを展開していた時にようやく女神様の声が聞こえてきた。
「セント・ユーラス」
(今回はハッキリきこえるのか、魔法陣の効果なんだろうな)
「あなたに奇跡を与えた女神は二人、闇の女神と雷の女神です」
「え?」
(二属性持ちか俺?)
まぁ女神様の話の続きを聞こう………
…………………………………
「終わりかよ!!!」
終わりだった。
隣の部屋に行こうとしてドアを開けようとしたら、勢いよく勝手にドアが開いた。
「さぁ私の属性を調べま……しょ………う………」
そこには自分と同じくらいの年の女の子がいた。
ドアを開いた状態で固まったその少女はとても美しかった。
大きい目に小さな顔、美しい金髪は腰元まで伸ばされている。
まだ幼い顔立ちながらも、その容姿は男の目を引くだろう。
「…………………」
「…………………」
しばたくそうやって見つめ合っていると、少女のそばにいた案内役らしき人が慌てて俺に言ってきた。
「も、申し訳ありませんセント・ユーラス様!!まさかセント様がここを使っていらっしゃるとは思わずに……!」
「いや……別に大丈夫ですよ」
「アリア様も申し訳ありません……!」
(アリアというのかあの少女、腰まである金髪なんて初めて見たな……感動だ)
「い、いえ別に気にしませんわそんな事。あなたも………セント・ユーラス様?申し訳ありませんでしたわ」
(おいおい可愛い上に性格もいいのかよ………)
「いや、気にしないでいい」
「そ、お優しいのね。ありがとう」
そう言って花が咲くように笑う、天使かと思った。
「改めて、僕はセント・ユーラス。よろしく」
「あら、私はアリア・ラ・リアと申しますわ、アリアとお呼びくださいまし」
「いいのか?じゃあアリア、俺のこともセントと呼んでくれ」
「はい、よろしくお願いしますね、セント」
(可愛い)
「アリアも今日は属性を?」
「ええ、一昨日おつげがあって。セントも?」
「ああ、まぁ今ちょうど終わって出ていくところだった」
「あら、属性を教えてもらっても?」
(二属性持ちって言って信じて貰えるか………ってあれ、これどうやって自分の属性を証明するんだ?)
「あ、あの?」
「ん?どうした?」
「嫌なら教えてくれなくても結構ですのよ?」
不安そうな顔で聞いてくるアリア
(この子はホントに五歳なのか……?)
相手の気持ちを考えながら話しをする姿は五歳とは思えない。
(優しい子なんだな……)
「セント?」
「ああいや、なんでもない。アリア、属性ってのはどうやって証明するんだ?自分で言うだけじゃ本当か解らないだろ?」
「え?それは簡単ですわ?魔法を見せて証明すればいいんですのよ」