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雰囲気だけで生き残れ  作者: 雰囲気
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六話

通された扉の先ーー王の間にいる人数に少し驚く。


(ざっと40人程度か…………恐らくこの国のお偉いさん達だろうな、まぁ全員ではないだろうが)


今ここにいる、ということはやはりサリエルとララの息子に興味があるという事だろう。


(当たり前か、なんせ魔族の王ーー魔王を倒した英雄二人の息子だからな、気になるのも当然だろうな)


そう考えながら、背筋を伸ばして堂々と王の前まで歩く。

王の間にいる人数が思ったより多かったが、気にはしない。セントは前世から臆病だったが、緊張は全くしないタイプだった。

それにまだショックから抜けきっていないため、若干気持ち的に適当になってしまっている。



だが国のトップに立つ者たちはその姿を見て、公爵家の息子にーー英雄達の息子にふさわしい姿だと思った。

まっすぐと王を見据え、堂々と歩くその姿はーーどこか威厳めいたものまで感じさせる。

これで五歳なのだから恐れ入る、とそこにいる者達は思う。



実際はただ自分の魔力量のなさに失望し若干適当になっているだけで、セント自身は全く威厳など意識していない。確かに堂々とはしているがーー開き直っているだけである。








この国ーークイーラ王国は強い。豊かな大地と海に面している事から食料に困らない、また国が広いのでクイーラ王国には人が多い。つまり他国より戦える人の数ーー魔法師も含むーーが多いというのもあるが、一番の要因は王の一族がこの上なく優秀だからだ。少なくともセントが屋敷にある歴史を綴った本を見た限りではそうに違いない。


必ずと言っていいほど戦争時には王による作戦、戦略で勝ちを奪っている。

そして今目の前の王もまた、ララとサリエルが参加し英雄と呼ばれるようになったきっかけである魔族の王を倒す旅に参加している。

両親までの活躍は聞かないが、それでも王という身でありながら命の危険が伴う戦いに向かえる、ということはそれだけ実力もあるということだ。




セントは王の前につき、公爵家で厳しく教えられたこの国で最大級の敬意を表す礼をとった。公爵家での特訓は厳しいものだった、が結果今こうして役立っているのだから必要なことだったのだろうと思う。


「顔をあげよ、セント・ユーラス」


力強い声で言われ、ゆっくりと顔をあげる。

目が合った、なんだろうめちゃくちゃ睨まれている。


(俺なんかした?)


そう思ったが、目はそらさない。正直少し怖かったがここで目を逸らせば公爵家の息子として恥ずかしい。自分だけが侮られるのはいいが、両親にまで迷惑をかけてしまうのは嫌だった。

王が強くこちらを睨んだままゆっくりと口を開く。


「お前に会える日を待ちわびたぞ、セント・ユーラスよ。知っての通り、私がこのクイーラ王国の王、アクラ・イクリュリアだ」


目はこちらを睨んだまま王がーーアクラ王の口角が釣り上がる。


(この人これでデフォルトかよ!!目つき悪すぎるわ)


「セント・ユーラスです」


「おお知っているとも、お前の話はサリエルからよく聞いていてな。どうしても一目見たくて今日無理やりこの場を作ったのだよ。期待していた通り、サリエルとララの息子としてふさわしい姿を見せてもらったぞ。これから魔法の属性を調べるのだろう?」


(思ったより優しい人だった、目つき悪すぎとか言ってごめんよ王様)


「はい、昨日おつげがありましたので」


「うむ、そうかそうか。楽しみだな、そなたがどんな属性になるか。サリエルは水、ララは火であるからな。今日は姿を見れてよかった」


(ん?終わりか?随分あっさりしてるな、ほんとに顔を見ただけって感じだが………まぁ終わるならありがたい事か)


「はい、僕もアクラ王に挨拶できてよかったです」


「そうか、またいずれ会うことになるだろうがその時まで精進するんだぞ」


「はい」




こうして、随分短かったが、王への挨拶ーーー顔合わせは無事終了したのだった。



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