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雰囲気だけで生き残れ  作者: 雰囲気
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三話

俺がこの世界に転生して三年が経った。ここで赤ん坊ライフを振り返る。

赤ん坊生活ではとにかく退屈だった、よくある転生ものの小説のように近くの人間の話をきいたりして情報を集めようと思ったが、実際はわざわざ赤ん坊の近くで会話をする者などほとんどいなかった、両親と侍女数名程度だ。

しかしそんな赤ん坊ライフでも自分の立場については知ることが出来た、母様が話しかけてくるときは大抵内容が決まっていた。それはーーー


「セントー、あなたは私とサリエルの息子なんだから強くなるわよー?」


こんな感じだ。

あまり強そうに見えない両親だが、それは俺の見る目がないからか。


屋敷は大きく、貴族と呼ばれるそれと変わりはないように思える。金持ち万歳だ。


(前世はアレだったからな……いや、前世の話はもういいか)


引きずっていても仕方がない。あまり思い出さないようにしようと決める。

しかし母様と父様の息子だから強くならなければならない、というのが問題だ、


(母様と父様は何か英雄的な扱いなのか?勇者とかなにか武勲を立てたんだろうな)


そんな感じでなんとなく適当に片付けておく、深く考えるのはあまり好きじゃないし、得意でもなかった。

そしてそんな日々を過ごしーーー俺はついに会話を出来るようになった。

最初に喋った言葉はもちろん、


「かあさま、とおさま」


それを聞いた両親の喜びようは凄かった、特に父様はよほど嬉しかったのか若干涙目だった。

母様の性格はある程度把握しているが、父様はいまだによく解らない人だった。

何故ならこの人、あまり家に帰らないのである。母様も普通にしていたのでこれが普通なんだろうなぁと思っていた。


喋ることが可能になった俺はとにかくいろんな人にいろんな事を聞いた。


俺の両親は前に魔族の王を倒した時のパーティーメンバーである事、またパーティーの中でも二人はずば抜けていて、今では英雄扱いになっている事。


自分のいるこの場所がクイーラ王国という、この世界で一番力を持っている国である事。

また、ここは王都であるという事。


この世界には魔法があるという事。また魔法は選ばれたものしか使用できず、五歳になれば自分が魔法が使えるかどうか、また使える場合は属性を調べに王城に行かなければならないこと。魔法が使える者には、五歳の誕生日の日に女神様からのおつげがあるらしい。おつげがあれば王城に行かなければならない、という事か。


またこの世界の常識も教わった。


色んな事を聞いて回るうちに、いつのまにか使用人の間で教育係が決められたらしい、ありがたや。


そうして色んな事を学んでいたら、二年が過ぎた。


明日はーーー五歳の誕生日だ。転生チートな俺がどんな魔法を覚えるか、

今から楽しみだった。







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