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雰囲気だけで生き残れ  作者: 雰囲気
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二話

「あらあらこの子ったら中々泣き止まないわね、ダメよー?ユーラス家に生まれたからには、強い男の子にならなくちゃ!」


出産直後とは思えない程元気な声。


(さっき俺を撫でてた人・・・ユーラス家?てかあんた誰よ・・・こええ)


「あれ?さっきより強く泣き始めちゃったじゃない!サリエル!どうすればいいかしら!?」


「落ち着けララ、ゆっくりとその子と目を合わせて、名前を呼んであげるんだ」


「そ、そうね。何事も落ち着きが大事だわ」


そう言うと、ララと呼ばれる女性がゆっくり俺と目を合わせた。

目があった瞬間に何故か俺は落ち着いて泣き止んでいた。色んな疑問と不安と恐怖があったが、それをすべて忘れられるくらいの絶対的な安心感だった。

俺が泣き止んだ事に安心したのか、満面の笑みを浮かべてゆっくりと女性が口を開いて、言った。


「あなたの名前は、セントよ。セント・ユーラス。私、ララ・ユーラスと」

「僕、サリエル・ユーラスの、大事な大事な息子だ」


(なに?息子?俺が?頭おかしいのかーーーっと待てよ、だんだん思い出してきたぞ。そうだ俺は買い物から帰宅途中でいきなり知らない奴にぶつかってーーそれから全く記憶がない。まさかあれ通り魔だったか・・・?死んだ?俺死んじゃったの?だってこれどう考えても転生だよね?うわー嬉しいし悲しいしで複雑だ)


「セント?」


(まぁいいだろう、別に未練があるわけでもないしな。それに憧れた転生できたんだ、しかも親の顔をよくみるとめちゃくちゃ美男美女じゃないか、どっちも白い髪が綺麗だし、綺麗に整ってる。ということは俺もーーーよしよしこれは完全に勝ち組決定だ)


だいぶ軽い。死んで転転生した、と言われても現実味がないのはわかるのだが。


「サ、サリエル、セントが泣き止んだと思ったらいきなりすごい真顔よ、どうすればいいの?」

「ううん、僕もちょっとわからないな・・・」


(おっといきなり心配されている、これはいかんな、笑顔サービスだ)


「あはー」

「あ!みてサリエル!セントが笑ったわ!今!」


「ああ見たよ、可愛い笑顔だね、天使みたいだ」


(チョロい、しかしいくら親様達がチョロいとしても今のままじゃいけない、この世界の情報を集めなければ。と言っても、まだ俺は赤ん坊だからな、とりあえず動けるようになるまでは赤ん坊ライフを満喫するか)






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