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雰囲気だけで生き残れ  作者: 雰囲気
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十五話

魔法学園も当然ながら王都に存在しているーーーという事はない。

貴族や優秀な魔法使いを生み出してきた家は王都に住むのが普通だ。これはもし王都が襲撃を受けた時に、貴族、魔法使い達がなるべく速く対応にあたるためである。

その話が何故魔法学園が王都にないという話と繋がるのかというとーー

魔法学園の生徒に逃げ道を与えることになるからだ。

魔法学園の授業、実戦は相当に厳しい。学園内では身分の差は関係なくなり、実力が全てのはかりとなる。

そうなると当然、平民に負ける貴族などが出てくるものだ。

そして平民などに負けることが許せない貴族の嬢ちゃん坊ちゃんはーー家に頼ろうとする。

そうした事をなくすために、王都から遠く引き離し逃げ道をなくすためだ。

そうした理由から、魔法学園は王都から結構な距離がある。





魔法学園へゆっくりと進む馬車の中では、一人の男が顔色を悪くしていた。


(うわなんかかっこよく出てきちゃったけど魔法学園に行けば俺より魔力量が多いやつがわんさかいる訳で………そして俺は英雄の息子で………馬鹿にされる!?嫌だぁ帰りたい)


セント・ユーラス。英雄サリエルと英雄ララの一人息子。闇と雷の二属性の才を持った少年である。

これだけを聞くととても恵まれた少年にように思うかもしれない。

だがセントには致命的な欠点が2つあった。


一つは魔力量が圧倒的に少ないこと。いくら二属性を操れようとも、使えなければ意味はない。英雄な両親との魔法の修行で他者の三分の一で魔法が行使できるが、それでも少なすぎた。


後一つはーー前世があること。

これは欠点なのか?と思われるかもしれない、寧ろアドバンテージなのではーー、だが残念ながらそれは前世をまともに生きていた人の考えだ。

セントの前世を簡単に言えば、見栄っ張りで嘘吐きの屑である。

この状況下では、セント・ユーラスという大役は荷が重過ぎるのだ。



そんな欠点ありきの英雄の息子は、マイナス思考ぶっちぎりだった。

馬車はゆっくりと、だが確かに魔法学園へ近づいていた。


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