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トゥルース・ワールド  作者: 結城 空
王都ハルベリア
6/10

ロイヤルナイト

今俺達は再び謁見の間にいる。

なぜなたここに呼び出されたのか、それをミルチが説明するところだ。


「今日、この城の主戦力、ロイヤルナイツの残りメンバーが帰ってきます」


おお、と歓声を上げる騎士たち。

そういえばこないだの《敵襲来事件》のとき兵士たちは何らかの魔法によって全員眠らされていた。

敵が謁見の間まで突破してきたのもそれが原因だろう。


とまあ、今回の用件はそれだけだったので兵士たちもそれぞれ自分の持ち場戻っていく。

俺達も部屋に戻るとベットに身を投げた。

そしてそのまましばらく瞳を閉じているうちに眠りに落ちていった。









うっすらと目を開ける。

いったい何時間寝たのだろうか。

するといきなり視界に由美の顔が映る。


「おはよう、浩介さん」


笑みを含めて言う由美はやはり可愛い。

だが、これが現実だとわからず俺は


「なんだ、まだ夢か・・・・・」


とまた瞳を閉じる。


「ちょ、ちょっと何寝ぼけてるの」


あせりながら声をかけ、俺の身体を揺する。

やっとのこと身体を起こしたら


「おはよう、由美・・・・・・なんでここに・・・・?」


寝起きの思考を頑張って回転させる。


「ノックしたんだけど、返事がなくて・・・・ドアが開いてたから入っちゃった」


「ふーん、で、何しに来たの?」


「ロイヤルナイトの人たちが今帰ってきたんだって。一緒に行こうと思って」


「ああ、なるほど・・・・」









ロビー




「あ、あの人たちじゃない?」


由美の指差した先には高級そうな装備をした男女二組の4人がいる。

すると背後からニーズの声が聞こえる。


「おー、やっと帰ってきたか」


そして4人の中の一人の歳は俺達とあまり変わらなさそうな男が返事をする。


「今回の遠征は長かったからな。城は大丈夫だったか?」


「おう、問題なしだ。それに・・・・」


ニーズが俺達のほうに向き直り。


「頼もしい勇者様が来てくれた事だしな」


「おお、ついに来たか勇者。待ちわびたぞ」


そのとき俺の中にある疑問が沸き起こった。いや、前々から思っていたかもしれない。

そしてそれを聞いてみることにした。


「なあ、なんで俺達はそんなに期待されているんだ?特に強くはないんだが」


するときょとんとした顔を一瞬したがすぐに戻り言葉を返す。


「そりゃあ勇者が魔王を倒すのは基本だからな。それにお前らの成長はすさまじいぞ?俺達と肩を並べるのも時間の問題だな」


それは過大評価しすぎなのでは?と思ったがすぐに考えるのをやめる。今は彼らの帰りを祝うときだからだ。とりあえず一人ひとり自己紹介し、ニーズは再び彼らのほうを向きなおった。


「土産話を聞きたいとこだがここじゃあれだろう。食堂に行こうぜ」


お前らもこい。といわれ俺達も食堂に行くことに。

しかし聡の姿が見当たらないのが気になる。寝てるのだろうか?





「で、どうたったのよ?」


ニーズがビールを飲みながら問う。

それに今度は朱色のロングの《リリー・キャシー》が答える。


「そりゃあ、もう散々だったよ。敵の数がもう半端ないのよ」


それに隣の薄紫色の髪をしたこれまた歳が近そうな少女、《エミリア・ハーネット》がこくこくとうなずく。

そしてリリーが続ける。


「でも・・・・・一番厄介だったのは・・・・・向こうの勇者だったかな」


またもや先日からの疑問が強みを増す。

なぜ敵側にも勇者がいるのか。

そして金髪の青年マルス・アスターが声を発する。


「確かに、あの勇者は強かった。動きはおろか、彼の発するオーラはおぞましかったよ」


それにニーズは笑って答える。

酔っ払っているんだろうか?


「なら、うちの勇者ももっと強くなってもらわねぇとな」


がははと笑い声を上げる。

それにつられまわりも笑い始めた。

色々聞きたかったがそれはまた今度にするか、とその疑問を胸にしまった。

まだ時間はいくらでもあるのだから・・・・・

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