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トゥルース・ワールド  作者: 結城 空
王都ハルベリア
2/10

スキル

重いまぶたをそっと開けるとそこは見慣れた自室の天井・・・・・・・・ではなかった。

見慣れない天井は気品さにあふれておりここが城の中だとわかる。


昨日の出来事は夢だったのではないかと密かに思っていたがそんなはずはなかった。

起き上がりこれからどうしたものか考えたがどうすることも出来ないのですぐに思考を停止した。


あのミルチとかいう案内役に渡されたファンタジーに出てきそうな貴族っぽい服に着替え、部屋をでる。

部屋を出るとちょうど同じタイミングで出てきた人物がいる。

俺と同じ境遇でここに来てしまった柏木由美かしわぎゆみだ。

ばったり目が合ったので挨拶する。


「おはよう」


「お、おはようございます」


と短い挨拶を交わしたらそそくさといってしまった。

彼女がどこに行ったのかというとこれまたミルチから朝の8時に食堂にこいといわれているので食堂に向かったのだろう。

俺もあとを追いかけようとしたときまたもう一人の人物とであった。

今度は男の平賀聡ひらがさとしだ。彼ともまた短い挨拶を交わすとそれぞれ食堂に向かっていった。

この二人とは昨日少し会話をしていた。平賀聡と俺は同じ17歳で柏木由美は一つしたの16歳だ。

あれこれ考えているうちに食堂に着きミルチの案内で丸いテーブルの席に座る。

食堂というよりはオシャレなカフェ見たいなところだ。壁はすべてガラスで出来ており外の城下町が見える。

そこにあらかじめ置いてあった食事をどうぞと手で促されたので、ミルチを含めた4人で食べる。


「食事を食べながらでいいので聞いてください。この世界がゲームだということを皆さんは理解しましたか?」


俺達にミルチが質問を促す。

この状況でゲームだと信じないわけにはいかないので頷く。

ほかの二人が頷くのもみて話を続ける。


「ゲームであるからにはこの世界にはあるものが存在じます。それはここのステータスの数値化はもちろん、スキルというものが存在します。スキルとは様々なものが存在しますが、大きく分けて種類は3つに分かれます。一つは武器系スキル、2つ目は魔法系スキル、3つ目が生活系スキルです。ここまで理解できましたか?まあ、聞くよりも自分たちで確認したほうが早そうですね」


一同がぽかんとしているとミルチは苦笑しながら話を進めた。


「頭の中でシステム、と念じてみてください」


仕方ないのでいわれるがままにやってみる。

──システム

すると視界にいきなりシステムウィンドウらしきものが出現した。

触ろうと手を伸ばしたがどうやら触れることは出来ないようだ。


「視界にシステムウィンドウは出現しましたか?それは触ることは出来ませんが頭の中で操作することは出来ます。色々と見て置いてください」


三人が夢中になってシステムウィンドウを操作している。

ふとほかの二人を見てみたが二人とも宙に視線を凝視しているだけでシステムウィンドウは見えない。どうやら他人のシステムは見れないようだ。

とりあえず俺もシステムをいじってみると確かにスキルというものがあった。

剣スキルや魔法スキルといったものが色々ある。


「そういえばスキルについてまだいってないことがありました。スキルにはクラスが今のとこクラス1から2までの2段階あります。噂ではクラス3が発見されたらしいのですが、あくまで噂です。クラスとは二つ以上のスキルのレベルを一定以上、上げることによってそれらのスキルよりもレベルの高いスキルを習得することができるんです。

例えば、片手剣のスキルと短剣のスキルのレベルを25以上ずつに上げてみるとクラス2の双剣スキルを習得することが出来る、といった具合です。何か質問はありますか?」


またも理解に追いつかずぽかんとしていると平賀聡が手を挙げた。


「スキルのレベルってのはどうすれば上がるんだ?」


「それもいってませんでしたね。スキルのレベルはそのスキルを使い続けていれば上がります。

例えば、片手剣スキルを上げたかったら片手剣を使って戦闘していたりすればあがります」


なるほど、と平賀は納得した。意外とこの男は頭の回転が速いんだなと内心感心する。いや、俺が遅いだけか。

頭の中でどうしようもないことを考えていると次は柏木が手を挙げた。


「魔法はどうやって使うんですか?」


「魔法はシステムのスキル覧にそれぞれの属性の初期魔法が載っています。その魔法名を口に出せば魔法詠唱が発動します。間違えて口に出してしまってもキャンセルと念じれば詠唱はキャンセルされます」


柏木も納得したように頷く。

いつの間にか食事は食べ終わっており、説明の頃合もついたところでミルチは立ち上がりわからないことがあればいつでも聞いてくださいといって去っていった。

いまさらだが周りからけっこう注目されているらしい。それもそうだろう、いきなり見慣れない3人がやってきたのだから。

そろそろ俺も戻るか、と席を立とうとしたが俺はこれからどうするか全くわからない。おそらくそれはこの二人も同じだろう。そう思った俺はこれから何をするか二人に聞いてみた。


「なあ、この後二人は何する?」


すると柏木が最初に答えた。


「私は服とかいろんな生活用品が欲しいので一度城下町に行ってみようと思います」


丁寧な敬語で喋った柏木の後に平賀も


「俺も城下町にいって武器を買いたいかな。スキルも試してみたいし」


そう、俺達は昨日ミルチから自分たちの身の回りのことをするためこの世界の通過『ニール』を十万ほど渡された。それに外出の許可も出ているので出かけることはできる。


「じゃあ皆で買い物行かないか?」


二人とも少し驚いていたがこの世界にいきなり来て不安があったのだろう、かくいう俺もそうだ。だから二人ともあっさりと承諾してくれた。


一度部屋に戻って出かける支度をしてロビーに三人は集合した。

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