結
次の日になると孔雀の周りは噂を聞きつけた鳥達でいっぱいになりました。
鳥達はその綺麗な羽と引き換えに特技を披露していきました。
そして夜になる頃には孔雀の綺麗な羽はすっかりなくなって、ずいぶんみすぼらしくなっていました。
その夜はずいぶん寒い日でした。
孔雀は寒くて震えながらうずくまっていました。
そこへやってきたのは白鳥でした。
白鳥は呆れたような顔をして、孔雀に近づくとこう言いました。
『貴方はなんてお馬鹿さんなの?そんなに羽を抜いてしまったら寒いに決まっているじゃない』
孔雀は答えます。
『私も自分でちょっと羽をあげすぎちゃったなぁと思っていたところです』
白鳥はこうも言います。
『これに懲りたらもう羽をあげるのをお止めなさい』
孔雀はちょっと考えて答えました。
『みんながうれしそうにしてくれるとつい私もうれしくなってしまって、つい差し上げたくなってしまうのです。
けれども、私も寒さで凍えて死ぬのは嫌なので、今度から体から羽を取ってあげるのはもうやめます。
私の羽は一年一度生え代わるので、次からはその抜けた羽だけをあげようと思います』
白鳥はまじまじと孔雀を眺めると言いました。
『孔雀さんは本当にお馬鹿さんですね』
それから白鳥はその真っ白な羽をぱっと広げると、孔雀を包むようにして言いました。
『でも私はそんな孔雀さんは嫌いじゃないです。
仕方がないから、私の羽で温めてあげます。
私の羽は冬の寒さをしのぐためにとっても暖かいんですよ』
こうして、孔雀と白鳥は一番のお友達になりましたとさ。
めでたしめでたし。