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無関心、転生。

 世界は退屈だ。

 というよりも、現代社会が退屈になっているのかもしれない。

 昔と比べ娯楽は増えたが、生活は昔よりも効率的になり、日々を単調にした。

 同じ朝、同じ風景、同じベット、眠る時も同じ天井を見てから寝る。ある意味幸せとも言えるが。

 今日の朝も、使い飽きた自転車でいつも通りの道で駅へ向かう。

 自分は、物事に対して鈍感で無関心である自覚がある。

 小学生の頃にあった世界に対する好奇心は、日々頭に流れ続ける情報の嵐によって満足し沈黙している。頭の中で浮かんでくる考え意味のなく無気力なものになっているのも、そのせいかもしれない。

 信号が赤になった。

 唐突に訪れた手持無沙汰の時間、癖になってしまったペダルを革靴の(かかと)で軽く下に蹴り、二度三度回転させる遊び。遊びとは到底言えないが、少しだけ童心に戻れた気がして楽しい。

 カタ、クルクル、カタ、クルクル。

 信号が青になる。

 俺は、それがレースの青信号になったの(ごと)く、マリカの貯めに貯めた初めの走りを解放するの(ごと)く。勢いよくペダルを踏みしめ前に進んだ。

 進んだはずだった。

 自分が毎日実行していた所作はこの日、違った結果をもたらした。

 それは、マリカの貯めに貯め過ぎたがあまりに力が無になるが如く。ペダルは勢いよく回転を始めた。無論、その後の体の動きは至って単純だ。ペダルを踏むはずだった足は階段を踏み外したように、コンクリートで舗装された地に滑り落ちる。体は徐々に右に傾き、二輪車には絶対に支える事の出来ない横への力。一瞬の出来事で、適切な指令を発すことの出来ない脳と脳からの指令を今か今かと待つ頭と体は、(またた)く間に地に着く。

 そして、その頭は無慈悲にも、青となってスタートを切れた車たちを上から受け入れる事になる。

 後頭部に生まれて初めての強い圧力を受け、意識が切れる。

 

 

 

 

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