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第二十三話 広がる波紋
コリーンは私室に飛び込んで、ベッドにしがみつくなり大声を上げて泣きはじめた。
今までこらえていたものが一気にあふれ出すように、コリーンの涙は止まらなかった。
罪悪、屈辱、無責任、孤独、虚無………
さまざまな言葉が交差する中、コリーンはただ後悔するばかりであった。
ナターリアの苦しみも、エレーナの苦しみも、自分の苦しみも……
結局は自分自身でつくりあげていたのかもしれない。仕方ない、仕方ないと繰り返して自分の感情を押し殺して皇女たちの苦しみも知らぬまま、さまざまな国に嫁がせて…。恋をしていた妹たちもいただろうに……。
一体、私は何をしていたんだろう。
そう思うとやはり胸がしめつけられて、涙があふれてくるだけだった。
「レクシアス…私、どうすればいいの?」
祈りの言葉のように呟いた声は、泣き声の中に消えていった。
消えていく、うすれていく…あなたの面影…
「レク…シ…アス!!!」
「結局母と同じになってしまった」コリーンは叫んだ。