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第二十話 悲しみの底の真実


コリーンはナターリアが恋していた人物を探し出そうと思った。

探し出してからは,その人物をどうするかは考えていなかった。ただ,どうしようもない憎しみがこみ上げてくるのだ。落ち着かない足取りで,部屋中を歩き回っていると,静かに扉が開いた。


そこには,うつむくカタリーナが立っていた。



カタリーナは静かに語った。


「ナターリアに好きな人がいることは誰でも知っていました……。

他国へ嫁ぐ前に恋などご法度だということも,本人は知っています。周りはそんな彼女を苛めていたんです。「汚い」って……。けれど,私には手を出すことができなかったんです…。

彼らの多くは公爵の子女だったり,伯爵の子女でしたから……。あまりにも高位だったんです。

ナターリアは苦しんでいました。日に日に痩せていくのも,心なしか感じていました」


………。


コリーンはナターリアが笑顔を見せないのを,実は感じていた。

カタリーナは続けた。


「彼女はある日,私に打ち明けました。その好きな人は,もうすでにこの宮殿にいないそうなんです。

名前は……確かレックスという方でした。もちろん私はそのような方は知りませんでしたが……」


まさか……!!コリーンは耳を疑った。

まさか彼……レクシアスだったなんて!!ナターリア,あなたは!!


「レックスと言ったのね?確かなのね?」


コリーンは繰り返した。カタリーナはうなずいた「確かです」





それからしばらくして,カタリーナは部屋を出て行った。

コリーンはまだ信じられずにいた。ナターリアは血のつながった兄に恋をしていたのだ。

叶うはずのない恋を……!


コリーンは複雑な気持ちで,座り込んだ。


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