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第7話 『スキル』と『ものまね士』

 

 シルキーが笑顔で部屋を後にした後、俺は荷物を整理し、宿の施設やルールについての説明を受けた。


 夕食の時間になると、女将さんが出してくれた料理を口にし、思わず笑みがこぼれる。


「確かに、飯はうまいな」


 料理はどれも絶品で、お腹も十分に満たされた。満足感に浸りながら部屋に戻り、ベッドに横たわる。


「さて、少し自分の状況を確認してみるか」


 そう呟きながら、「ステータスオープン」と念じると、目の前に半透明なパネルが浮かび上がった。

 興味深げにスキル欄を見つめ、一つずつ鑑定していく。


 スキル一覧

 ■ 全共通言語

 全ての言語を理解し、話すことができる。


「これがあったから、最初から会話で困ることがなかったんだな」


 ■ 地図捜索

 自動マッピング機能と捜索機能を持つ。


 試しに『地図捜索』と念じると、目の前に透明な地図が現れる。これまで訪れた場所が詳細に表示され、そこには水色の点が動いているのが見える。

 その点を注視すると、名前が浮かび上がった。


「すげぇ! これなら迷うことなんてないし、探したい人物だってすぐに見つけられる!」


 ■ 空間収納

 持ち物を収納できる異空間を形成する。


「まさに異世界の必需品って感じだな!」


 ■ 全耐性

 状態異常耐性、精神異常耐性、属性耐性、自然環境耐性。


 このスキルに目を留めると、カナベルやエドガーとの会話を思い出す。


『普通、初心者は木剣でも恐怖心で体が強張るものだが、バンダナはそれがない。不思議なやつだ。』


「あの時、痛みや恐怖を感じ難かったのはこれのせいか…。良いスキルだけど、過信しないようにしないとな」


 ■ 自然回復促進

 通常の10倍の速度で体力やスタミナを回復する。

 訓練中、体力が尽きて動けなくなった時、少し休んだだけで再び体が動かせるようになったのは、このスキルのおかげだったようだ。


 ■ 成長補正

 取得経験値が10倍。さらにレベルアップ時にステータスが通常より多く上昇する。


 この説明を見た瞬間、思わず目を見開く。


「…すげぇ」


 驚いて言葉が出た。これは確かに異世界での大きなアドバンテージだ。しかし、冷静に考え直す。


「でも、小説で見るような100倍とかじゃないんだよな…。ちょっと物足りないけど、それでも十分すごいけど」


 一瞬の期待と少しの不満が交錯するが、それでも現実的な範囲での強力な能力に違いない。


 残るスキルを確認すると、すでに自分でも実感しているものだった。


 ■ 鑑定

 物や人物の詳細を解析して表示する能力。


 ■ スキル隠蔽

 自分が持つスキルを他者から見えないようにする。


「うん、この二つは使うたびに実感してるな」


 さて、いよいよ『ものまね士』の鑑定だ。


 ジョブ:ものまね士


 ものまねをすることで、あらゆる動きや技を模倣できる。

 さらに、ものまねによる体力や魔素の消費が一切ない。


「すべてを模倣できる、か…?」


 訓練中、カナベルの剣技を真似たときの感覚を思い返す。動き自体は模倣できたが、あの『疾風斬』のような戦技はどうだろうか?


「もし本当に戦技まで再現できるなら、俺の可能性はもっと広がる…」


 胸が高鳴る。この能力には計り知れない可能性が秘められている気がする。


 ふと、訓練中にカナベルが言った言葉がよぎる。


『筋トレは欠かさずにやれよ。やるかやらないかで、剣の扱いに大きな差が出るんだからな。』


「やるしかないよな…明日のために」


 身体の痛みを感じながらも、まずはストレッチで筋肉をほぐす。軽い筋トレに取り掛かると、少しずつ身体が温まっていく。


「少しでも今の自分を鍛えないと、せっかくの『ものまね』が活かせない」


 そう自分を奮い立たせながら、身体を動かしていく。


 筋トレを終えると、体が適度に疲れて心地よい。ベッドに横たわり、シーツの柔らかさにほっと一息つく。


「ものまね士として、どこまでやれるか試してみよう。戦技も模倣できたら、本当に面白いことになる…」


 期待と不安が入り混じる中、目を閉じると、心地よい疲れが全身を包み込み、意識はすぐに夢の世界へと誘われた。


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