表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/100

第59話 最深部到達とボス戦の準備


 見事なフォーメーションだったが、どこか違和感を覚えた。


 魔法の詠唱が長く、発動までのタイムラグが大きい。

 そして、『瞬地』の移動速度も、思ったほど鋭くない。


 それぞれの動きに、まだ改善の余地があるかもしれない。考え込んでいると、レオニクスが話しかけてきた。


「どうだった? 俺たちの戦いは?」


「いい感じだ。それぞれのジョブを活かした戦い方だな」


「満足いったようだな。さあ、バンダナ。次はお前の実力が見たい」


 俺は静かに頷く。それを見たレオニクスは、再び通路の奥へ向かい、先ほどと同じようにオークチーフを連れて戻ってきた。ただ、今回は様子が違う。


「悪い、三体来た。みんな、援護を頼む……って、バンダナ?」


 俺はその言葉に首を振り、ゆっくりと前に出た。


「レオニクス、俺一人で十分だ」


「は?」


 彼が返事をする間もなく、俺は詠唱もなく呪文を放つ。


「『メガ・サンダーストーム』」


 雷鳴が轟き、空から降り注いだ電撃が地を這い、オークチーフたちを貫く。まるで雷神が地上に降り立ったかのように、稲妻が地面を焦がし、オークチーフたちの動きを封じた。


 すかさず、俺は両脇の剣を抜く。


「『瞬地』、『疾風連撃斬』」


 次の瞬間——俺の姿は残像すら残さず疾走し、剣閃が閃光のようにオークチーフたちを刻む。

 鋼が肉を裂き、血飛沫が舞う。


 一撃ごとに敵の巨体が揺らぎ、そして——最後の一体が膝を折ると同時に、静寂が訪れる。

 オークチーフたちは、全て沈黙した。


「……マジかよ。速すぎるだろ」


 レオニクスが驚愕の表情で声を漏らす。


「おい、俺の瞬地より断然早い。どうやった?」


「ちょっと、私が先よ! 無詠唱で、あの威力? そんなの聞いたことない!」


 レイアードとダリアナが矢継ぎ早に詰め寄ってくる。


 興奮しきった二人を、レオニクスが手を挙げて制した。


「おい、落ち着け。バンダナにも聞きたいことがあるだろうが、順番だ」


 その場が静かになったのを確認し、俺は少し笑みを浮かべた。


「焦るなよ。コツを教えてやる。ただし、練習は必要だぞ」


 そう言って、俺は戦技と魔法を効果的に使うための秘訣を、彼らに少しずつ教え始めた。


 フォーメーションを確認しながら、俺たちは無事に最深部へたどり着くことができた。


 道中では、


 ・オークチーフの上位種「ジェネラルオーク」

 ・俊敏な「バトルウルフ」

 ・猛毒と鉄壁の防御力を持つ「アーマースコーピオン」

 ・連携して襲いかかる「スウォームコンバット」


 など、厄介な敵が次々と現れたが、俺たちは力を合わせて討伐を成し遂げた。


 一息ついていると、レオニクスが話しかけてくる。


「バンダナがいてくれて、本当に助かった。特にスウォームコンバットの群れ攻撃には手を焼くところだった。ダリアナの広範囲魔法だけでは厳しかったかもしれないな」


「いや、そんなことはないさ。ダリアナの魔法にエリナスの支援が組み合わさっていれば、十分対応できたと思うよ」


「確かに、エリナスの支援があれば何とかできたかもしれない。だが、それでもお前がいて助かったのは事実だ」


 レオニクスの真剣な言葉に、俺は少し照れくささを感じた。


 彼は仲間たちの方を見渡し、声を上げる。


「みんな、聞いてくれ。ついに最深部に到達した。ここはボスエリアだ」


「ボス戦……?」


 俺が問いかけると、レオニクスは軽く頷いた。


「そうだ、バンダナにはまだ話していなかったな。このダンジョンのボスは『輝晶獣 ブルーワイバーン』。竜系の魔獣で、『エーテル銀』という希少な素材を稀に落とす。詳細は明日伝えるから、今夜はここで休み、明日ボス戦に挑む」


 俺たちは、他の冒険者たちが休んでいる場所から少し離れた静かなエリアにテントを張り、それぞれ眠りにつく準備を進めた。


もしよろしければブックマークへの登録、応援をよろしくお願いします。

応援は下にある『☆☆☆☆☆』より押すことで可能です。

ブックマークも頂けると本当に嬉しいです。

作者のモチベーションになりますのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ