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第24話 泥棒を追え!!


 数日間、情報を集めようと街中を奔走したが、相手が貴族であるため、誰もが躊躇して話してくれなかった。


 焦りが募る中、トリッジ伯爵の屋敷前までやってきて、様子を観察することにする。


 屋敷前に到着し、状況を見ていると、高級な馬車が停まり、中から装飾品で身を飾った男女が降りてきた。


 『鑑定』で視線を集中させ、二人を調べる。


「あれがトリッジ伯爵とその夫人か」


 その時、黒い影が横切り、夫人のバッグが奪われた。


「ど、泥棒よ!」


 夫人が叫ぶが、犯人は素早い動きで逃走を始める。伯爵の護衛たちは追わず、二人の護衛を優先している。


「早い……あれはスキルか?」


 迷う暇はない。護衛が動かない以上、自分が追うしかない。

 街中を駆けながら、身体強化で速度を上げる。しかし犯人の俊敏さに追いつけず、むしろ距離は開いていく一方だった。


 『鑑定』でもう一度スキルを使用し、相手の能力を分析する。


「『瞬地』か……移動をスキップするようなスキルだな」


 すぐに対応する。自分のスキル『ものまね』を発動し、犯人の『瞬地』をものまねする。


「『ものまね・瞬地』!」


 体感する間もなく、視界が一瞬で移動し、ぐっと距離が縮まった。このスキルを使えば追いつける。

 犯人の後ろ姿が見えたが、その先には入り組んだ住宅街が広がっていた。


「ここで捕まえなければ」


 瞬地を繰り返し発動し、犯人との距離をさらに縮める。そして、出口に差しかかった瞬間、相手の進路を見極め、スキルを組み合わせることを考えた。


「疾風斬に瞬地を取り入れるか……よし、やってみよう!」


 一気に決着をつけるため、新たな技を模索しながら追い詰めていく。

 だがその時、横から強い衝撃を受け、地面に倒れ込んだ。


「大丈夫か? 急に飛び出してくるから……!」


 振り返ると、荷車を押していた商人らしき男性が荷物を放り出し、慌てて駆け寄ってきた。

 左腕が痺れるが、それ以外に大きな怪我はない。すぐに立ち上がり、状況を確認する。


「すまない、急いでいたんだ。怪我はないから気にしないでくれ」

「いやいや、こちらこそすまない!」


 商人が平謝りする中、犯人を追う時間が無駄に過ぎていく。

 やり取りを終えた時には、すでに犯人の姿は完全に見えなくなっていた。


「くそ、逃げられたか……いや、まだ手はある」


 追跡中、犯人を『鑑定』で分析していたおかげで、名前と特徴を把握している。ここで、自分のスキル『地図捜索』と『鑑定』を組み合わせて活用することを思いつく。


「『地図捜索、対象:鑑定済みの泥棒』」


 脳内の地図に、青い点が浮かび上がった。これが逃走中の泥棒だ。


 地図を頼りに追跡すると、青点はある建物の中で止まっているのが確認できた。


「よし、今度こそ逃がさない!」


 気持ちを切り替え、慎重にその建物へ向かう。


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