表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/100

第14話 ものまね士の力


 ジョブ:『ものまね士』

  ものまねすることで、あらゆる動きや技を模倣できる。

  しかも、それによる体力や魔素の消費がない。

  さらに、ものまねを繰り返すことで自分のものにできる。


「これだ! この『ものまねを繰り返すことで自分のものにできる』という特性のおかげで、スキルが増えたんだ!」


 訓練中、自分では意識していなかったが、体力や魔素を温存するために、一度魔法を放った後、無意識に自分の動きをものまねしていた。

 きっとそれがスキルの獲得につながったのだろう。


「こんなことがあるなんて……!」


 改めて慎重にスキルを確認し、念のためすべてのスキルを隠蔽する設定に変更する。


「これ以上目立つわけにはいかない。とにかく、慎重に進めないと……」


 ジョブ『ものまね士』の力を実感しながら、俺はスキル一覧を閉じた。



 翌朝、ギルドへ向かうと、珍しくチェルシーが先に来ていた。


 普段は遅刻してくることが多い彼女が早く来ている――どう考えても、良い兆候ではない。

 胸に嫌な予感を抱えつつ、俺は挨拶をした。


「お、おはよう」

「なんだい、朝からそんな湿気た顔して。まぁ、いいさ。そこに座りな」


 促されるまま、席に腰を下ろす。


「さて、訓練は終わったね。それでだ、持ちつ持たれつって言葉、バンダナにはわかるだろう?」

「はぁ……?」


 突然の話に首をかしげるが、チェルシーは構わず続けた。


「いいかい、よく聞きな。この街の東にD級ダンジョン 初光の鍾乳洞がある。そこにウォータースライムがいてね、そいつらを倒して――


 ・水の魔石を20個

 ・水の魔晶石を2個


 これを取ってきてほしいんだよ」


 淡々と言われた内容に、俺は目を丸くした。


「ちょっと待って、いきなりそんな――」


 言いかけたところで、チェルシーが手を振り、俺の言葉を制する。


「なに、バンダナの実力ならできるさ。時間はかかるかもしれないけどね。ほら、これ」


 そう言って、彼女は印の付いた地図と、袋に詰められたキャンプ道具を押し付けてくる。


「これを背負いバッグに入れて持っていきな。それと、転移石も渡しておくよ。ピンチの時に使いな」


 最後に手渡されたのは、手のひらサイズの石。

 緊急時に街へ戻れる便利な道具らしい。


「えっと……具体的にどれくらい危険なのかとか――」


 再び質問しようとするが、チェルシーはニヤリと笑い、俺の肩を叩いて立ち上がらせる。


「ほらほら、若者は考えるより動くもんだよ。行っておいで!」


 背中を押される形で、準備もそこそこにダンジョンへ向かうことになった。


 初めての本格的なダンジョン探索。

 果たして無事に戻れるのか――期待と不安が入り混じったまま、俺は冒険への一歩を踏み出した。


もしよろしければブックマークへの登録、応援をよろしくお願いします。

応援は下にある『☆☆☆☆☆』より押すことで可能です。

ブックマークも頂けると本当に嬉しいです。

作者のモチベーションになりますのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ