愛の鎮魂曲
戦争で亡くなった小説家が残した一冊
そこに愛、確かな愛を記した物語
喧騒に包まれた東京の狭い灰色空
都会の罠、自殺を誘うネオンの流れ星
噂に聞くほど平和じゃない
スクランブル交差点 交わされる誓い
救急車のサイレンが、信号の音楽が
脳を蝕む、全ての生命を裏切る世界に飽きたんだ
何もねぇ、くだらない世界だ
生まれた事と生きてる事
そんな事に興味、関心は無いのさ
誰もが死ぬ事に精一杯だ
両足が役目を失った朝に食べたベーコンエッグ
世界の罪、名前を記した死刑囚の唄
見間違えるほどの絶望じゃない
マスメディア 情報化社会の伏線
テレビのアイドルが、同級生の女の子が
脈を失う、駅のホームで、学校の屋上で、永遠となる
その愛は永遠なるものとなる
呼吸を繰り返す事が本当は凄く怖いのだ
完成なんてしない、未完成を好む
心臓のリズムが狂わない事が不思議なのだ
人間承認証は無い、証明は出来ない
戦争で亡くなった小説家も
喧騒に包まれた日々も
名前を記した死刑囚も
この世界に飽きた人々も
全ての想いを亡くした 愛の鎮魂曲
何もねぇ、生きてる気もしねぇ
それでも生命の水を掬え
それはまだ飽きてないじゃん
何もねぇ、くだらない世界だ
生まれた事、生きてる事
そんな事を諦めず続ければ
世界中に流れ続ける愛の鎮魂曲で
この世界を救う為の鎮魂曲で
この世界を壊す為の鎮魂曲で




