体育祭はありませんわ
早いもので入学して半年が過ぎましたわ。
ゲームでは3年(ポラリティ様の好感度が高い場合のみ2年)の年月がグッと濃縮されておりましたが、現実では月日は一定リズムで普通に流れて行きます。
ゲームのようにポコポコとイベントが起きるはずもなく、校外学習の共通イベント以降はイベントを思い出す事なく過ごしておりましたが、本日久々にイベントを思い出しましたわ!
ですがね、これ、絶対に起こりえないイベントでしたの。
体育祭イベントなのですけれど、イシュタリカ学園では体育祭という行事がございませんのよ。
そもそも体育の授業がありませんから体育祭なんてある訳がないのですわ。
騎士を目指す者は選択授業で剣術を学びますがそれは男子生徒限定の授業ですし、貴族子女はそもそも走ったりする事を良しとしない傾向にある為に女子生徒が体を動かす授業といえばダンスしかございません。
ダンスの授業は男女共通の授業ですけれど、流石にダンスで体育祭はありえませんでしょ?
ゲームでは体育祭で全員とそれぞれにイベントが起きておりましたわね。
体育祭実行委員に選ばれたヒロインとルーカス様は早朝から体育祭準備の為に学園にやって来て、他の実行委員の方々と共に設営の準備をするのだが、悪戯な風でテントが崩れ危なくヒロインがテントの下敷きになりそうになる。
それを咄嗟に身を呈して庇うルーカス様。
ヒロインに覆い被さるように庇った為にルーカス様の唇がヒロインの頬に。
真っ赤になって離れる2人。
ルーカス様の頬事故チューがご褒美スチルでございましたわ。
ゲームを作った方々は悪戯な風がお好きなのでしょうかね?リボンを飛ばしてテントも飛ばす悪戯な風。確か朧気ながらにラッキースケベ的なイベントもあった気がしますわ、悪戯な風の。
午前中に行われる借り物競争でポラリティ様に「君!来て!」と手を引かれて走り出すヒロイン。
訳も分からないままにポラリティ様に手を引かれて1位でゴールを切ると、ポラリティ様が「ありがとう」と言う。
「お題は何だったのですか?」
「これ」
お題の書かれた紙には「髪の綺麗な女生徒」と書いてある。
「君の髪がとても綺麗だったから」
「...ありがとう、ございます」
甘酸っぱい空気が流れる。
ポラリティ様に手を引かれる瞬間がご褒美スチル。
お昼になり、1人で昼食を食べるべく校舎裏庭へとやって来るヒロイン。
裏庭の最奥にある四阿へ行くとそこにはアーレン様の姿が。
遠慮して別の場所を探すべく立ち去ろうとするヒロインに「待て」と声を掛けるアーレン様。
「すみません、お邪魔ですよね?」
「邪魔ではない。お前も昼食を取るのだろう?それならここで食べるといい」
「いいのですか?」
「お前ならばいい。お前は煩わしくないからな」
ヒロインが手作りのお弁当を広げると「美味そうだな」とお弁当に興味を示すアーレン様。
「食べてみますか?」と唐揚げ風の何かを差し出すヒロイン。
黙って口を開くアーレン様に所謂「あーん」してあげるヒロイン。
「ん、美味いな」
「そうですか?ありがとうございます」
頬を染めるヒロインを表情を変えないながらも優しい瞳で見つめるアーレン様。
当然「あーん」シーンがご褒美スチル。
現状のレンならばアリシアが来た時点で逃げ出すだろうし、アリシアのお弁当を「美味そうだ」なんて言わないだろう。
食べさせようものならば「何が入っているのか分からない物を食べるはずがないだろう!」と怒り出しそうである。
午後の競技で二人三脚に出場したヒロインは、本来組むはずだった男子生徒が足を負傷した為にガルゴリー様と急遽ペアを組む事となった。
少しだけ2人で練習し、競技がスタート。
練習ではヒロインの肩を抱いていたガルゴリー様だったが、本番ではヒロインの腰をしっかりと抱いて走り出す。
戸惑うヒロインにガルゴリー様は「この方が走りやすいだろ?」とニッカリと笑う。
1位でゴールするもゴールした瞬間にヒロインが転倒。
しかしそれをガルゴリー様がしっかりと抱き留め、ヒロインはガルゴリー様の鍛え抜かれた逞しい腕に包まれる。
「ありがとうございます!ごめんなさい!」
「いや、俺としてはその、役得だな」
少し照れたように笑うガルゴリー様を見て頬を染めるヒロイン。
ガルゴリー様に抱き締められているヒロインの図がご褒美スチル。
わたくしが思い出すのは好感度が一番上がる選択肢を選んだその結果のみ。
イベントが起きるまでに確か色々と選択肢があったはずなのだけれどそういう事は思い出せない。
移動場所の選択や会話の選択等あったはずなのにそういうのは思い出せない。
「何故かしらね...不思議だわ」
因みにこのイベントの事をレンに話した所「タイイクサイなんてものがなくて良かった」と言っていた。
そしてアリシアは「どうして体育祭がないんですか?!」と担任の先生に詰め寄っていて、先生に「お前は何を言っているんだ?タイイクサイ?それは何だ?!」と言われていた。
ある意味ブレないですわね、アリシア。