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協力者

所長は増岡という名前が挙がった時に心底驚いたのだという。そこには明らかに権力が見え隠れするところにいることを知ったのだ。

「まぁ、大げさにすることはできないことを承知で村上君に頼んだの。担当している分野は違えど何処か似た部分があるはずだからといってね。」

「俺もお前を守りたかったしな。だといっても探偵として何もしていない。結局はお前の親父さんの腕が勝ったんだよ。凄腕だよ。お前の親父の行動。」

笹田はそれを知った時に驚いた様子はあったが、息子を疑うつもりなど1ミリもなかったのだ。むしろ、そんなことをしないとずっと言い張っていたのだ。それだけの責務を感じていたのではないかと思ったのだ。笹田の経歴を聞いたところ、驚いてしまった。警視庁の捜査一課の刑事だったというのだ。それを感じされない空気感もあってわからなかったのだ。

「親父はエリートだった刑事部長すら恐れる人間だったらしい。その刑事部長っていうのもコネでなったこともあってエリートでもない親父が這い上がってくるのを見てビビったんじゃないのか。」

「だろうな。お前の親父はいったんだよ。宗はそんなことをすることはないって。いくら養護施設で暮らしたからといってそれだけで疑うのはもってのほかといって警察を追い詰めたんだよ。」

警察はそういうとは思っていなかったらしく、おじけづいてしまったのだ。おじけづいたのを見て笹田は核心したのだという。権力がかかわっていてそれを隠すのに力を貸しているのだと。村上はそういっている笹田の姿を見て思ったのだ。

「あの人、伊達にお前の親父をしているわけじゃないよ。迫力もあったもんな。証拠集めの協力もしてくれたんだよ。元刑事だっていってもお前のことをそこまで信頼しているんだ。血がつながっていないとか安易には言えないよ。」

「そりゃいっては駄目よ。私だって笹田明光っていう名前を聞いて驚いたわよ。よく情報をもらっていた刑事でもあったわけだから。真実が捻じ曲げられようとするならば探偵にだって情報を売るのよ。それくらい真実に熱意を感じていたから。」

所長は笹田の父親が明光だとは知らなかったのだ。情報を共有してくれる人が辞めてしまったことだけは知っていたのだ。その人が養護施設で働いていることも知っていたのだ。

「今回の事件を協力してほしいというのなら協力金をください。」

「いいわよ。だって貴方が協力してくれるほうが嬉しいわ。だって村上君そこまでやらないから。」

所長の言葉に村上は笑えなくなってしまった。

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