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出世の近道

「今回、貴方に話を聞こうと思ったのは、サンズの田中剛三が殺されたことが増岡康太とつながっていると知った時だった。貴方は殿山製薬という製薬会社の営業マンだったことを思い出したからです。けど、それに加えて何故事件を起こしたのかという真相が聴けて良かったです。」

「増岡康太が死んだというのか?」

「あぁ、おそらく殺しだと思っています。田中剛三も殺されて藤川正治も殺されたとなると増岡が絡んでいると思っているんです。それも増岡康太が主体で動いているとは思っていないんです。むしろ、名前を変えてまで生きている弟のほうが怪しいとにらんでいます。・・・情報を得るには潜入をするのが簡単に得られる部分があるでしょう。だけど、かけるほどの情報が出ないのならば貴方なら微かにでも情報が得られると思ったんです。」

久保田は刑務所に入っている間に目まぐるしく変わってしまっている社会を初めて聞かされたということなのだろう。驚きが隠せない様子だった。当たり前だ。製薬会社が絡んでいるようなことだとすれば単純に見過ごすことなど容易にできることではない。少しでも無実の罪で会社にとがめられてしまったのだから。その会社を懲らしめるのに力を貸すように思えた。

「そんなことがあったんだ。殿山製薬はサンズといい関係だったよ。田中剛三というのは以前は製薬会社によく顔を出す人だった。何時の頃だったか、ぱったりと顔を出さなくなってしまった。」

「営業マンだったっていうことですか?」

「むしろ、殿山製薬の裏を知る人物として送り込まれていた感じがした。対応をしていたのが藤川だった。藤川はコネで入ったこともあって、大きな相手にちょくちょく話をしていたよ。」

田中と藤川は顔見知りだったということだ。2人にはどうしても口説き落としたい相手がいたのだという。その人は小さな会社の社長の上にプログラミングにたけていたのだという。簡単にはうなずいてくれる人ではなかったのだ。

「かなり苦戦をしているようだった。その人の名前はいっていなかったが、殿山社長が目をつけるほどの人物だった。プログラミングの技術を使って何かに悪用する計画だったらしい。そこに増岡がかかわっていたから焦っていたといわれたら疑わないな。むしろ、当然だと思うな。出世しか考えてなかったからな。特に田中とかいう人は・・・。」

プログラミングにたけている人物が入ることで製薬会社が潤うという考えだったのだろう。それでもその人物は落ちなかったのだという。時間がかかりすぎてしまって2人は評価を上げることができなかったのだという。

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