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描ききれない絵

「俺の依頼としてもらっても構いません。それくらい、俺は今回の事件には因縁が深いと思っているんです。」

「わかりました。希望を叶えましょう。ただし、追加料金はなしでしますので・・・。」

北見はそれを聞いてうれしそうに笑った。自分も事件を解決するのに一役買っているように思えたのだろう。サンズについての調べはまだできていないこともあって料金はもらうことはなかったのだ。それでもと思ってしまうことがあるのだろう。北見は嬉しそうなまま、かえっていた。

「北見さんも不思議に思っていたんですね。増岡の死がかかわっているとなると。」

「当たり前だろ。死んだといっても総理大臣だったんだ。縁もゆかりもない人間が殺されたのなら話を聞いて終わるだろうが、その死が山田にも関わっているとなると知りたくなるだろう。」

宗はそういって奏斗にいった。奏斗にも思ってしまえるのだろうと思う。北見が山田の死にかかわっていたとは思えない。山田が増岡につながっているような感じがするのは生前にいっていた言葉が気になるところだ。

「会社は山田をやめるように促すことすらできないっていうのは気になるな。」

「サンズはそういうことw含めてどんどん怪しくなっていくな。山田は会社にとって今や邪魔者だったに違いなのに・・・。」

増岡勉に会うといっていた轟が気になった。増岡勉は隠居したとはいえ、何かしらの力を感じてしまえてしまっていたのだ。何故康太が政治家になってしまったのかと思ってしまった。

「増岡康太の弟の名前が分かりました。」

「分かったのか。」

「はい、増岡雄二です。・・・失踪届すら出されていないところを見ると家族は知っている感じもしますね。」

勝手にいなくなってしまったのなら大概は失踪届を出すものなのだ。いくら時間が経とうが待っているものなのに、出さないのは何処にいるかを知っているからだ。心配の対象になっていないことを明らかに証明をしている。

「勉はいなくなっても気にならなかったのは近くにいたからだ。じゃなきゃ名前を変えてもわかるくらいだからな。」

「轟が増岡勉に会うっていっていたから、その情報が来るまで待っていたほうがいいな。」

龍哉は外を見つめた。せわしなく歩き走る人が目についた。時間に追われている人もいるのだろうから。それでもわかるのだろうとなってしまう。

「変わってしまった人間もあふれているんだろうな。それが増岡勉の可能性もあるのだろうからとなる。」

勉を知る必要があると思った。

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