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代えがたき時

「すぐには変わらないとは思っていたんですけど、そこまで変わらないとは驚きますね。」

「まぁ、サンズは弁護士の中でも顧問弁護士になるのは金になるからに違いないですからね。金のためなら悪事でも守って見せるという弁護士くらいしかしないですよ。弁護士事務所になると勘違いをしたみたいに仕事を選びだすんですよ。」

龍哉は嫌見たらしくいった。過去の経験があるからといっても弁護士事務所の名前で取れていた部分があるのもわかっていたのだ。だから、個人事務所を開いてもあまり仕事が来ないのは目に見えていたのだ。実績が注目されるようになって仕事が増えてきたのも事実だ。

「最初は『優美』のママから紹介されたんです。親身になって調べてくれたりするからといわれたときは疑いました。だって、前にも弁護士に相談したことがあったんです。でも、断れたんです。大企業と戦うことになってしまうとかなんとかいって・・・。そこから全てを隠していたんですよ。でも違った。貴方たちみたいな人がいるんだとはっきりしました。」

「俺たちは大きな事務所から離れていますが、腕は確かだと思います。弁護士にしても探偵にしても此処に来る前にいろんなところで経験を積んできているので戦い方は知っていると思います。そして、勝ち負けではなくて自分の赴くままにしていいことにしているので・・・。」

宗は2人に対して縛りをあまり作らなかった。それがうまく機能したのか、特技を生かした形で行っていたのだ。それを褒められることはあまりなかった。むしろ、敵対している事務所から心配されるというよりはどちらかいうとバカにされている感じはあった。それでも黙って続けてきたかいがあったと思った。

「感謝するのは事件が全て解決してからにしてください。」

「それよりも調べてくれている時点でうれしいんです。だって何処にいっても無気力で対応してくれなかったんですよ。」

「そこまで図に乗った事務所にあふれているのか、または自信がないから受けないんです。金にならないと仕方ないからといって刑事裁判の弁護士をやる人なんて限られているうえに国選になっても勝ち方よりもいかに傷つけないかを考えているんだと思います。弁護士も全くもって金商売になってしまったものです。」

龍哉はそっとつぶやいた。弁護士になった理由を問うのは自問自答をしているしかなかったのだ。それは行動する意味も含んでいたようにしか思えなかったのだ。誰にも止められることもないと。

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