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足の先

進まない時間を探しているような気がしてならなかった。探偵としているような感じでもなかったのだ。

「サンズにとっては漏れては困る情報っていうのはシステム上っていうこともあるのか?」

「あるだろうな。だって、企業にとって今やシステムの良し悪しっていうのも感じてしまうほどなのだからさ。」

宗はそういって窓の外を見つめた。変わらない時代を追っていた気がしたが、変わっていてなお気づけない愚かさに感じてしまったのだ。そこに奏斗はパソコンから目を離して2人を見つめた。

「勝てるはずがない裁判ってあったりするんですか?」

「あるよ。あったとしても裁判すらさせない弁護士事務所なんて沢山あるからな。金にならないからっていう理由で刑事裁判をしなかったりしてさ。それでも正義面をしたところで何も解決しないからな。」

「だから、弁護士事務所をやめたんですか?」

「それも一理あるさ。弁護士だって名乗ったところで悪名高いことをしたってだましたっていいんだってなってしまったら価値がないだろう。」

弁護士だといったところで人を救ったことになっていないと龍哉の目指す弁護士ではないのだ。顧問弁護士でいくら金を稼いだところでわかるものではないのだ。嘘をつくことで金を稼いだり被害者がいたとしても認めることができなくなってしまったのだ。飛んで行ってしまうこともあるのだろうから。

「まぁ、そこになってしまったのだろうからとなってしまうんだろうな。」

「サンズにとっては痛い目に遭っただけでは済まなかったんだな。」

壁の薄いドアを勢いよく開けた。そこには安いシャツを着て何処か寂しく思ってしまえるほどの恰好をした人物がいた。

「北見です。」

「北見健吾さんですか?」

「そうです。・・・山田剛三が殺されたのはわかりますけど、総理大臣である増岡康太が殺されたのにはつながっているかもしれないということはどういうことなんですか?」

北見が勢いで来たため、それを見かねた奏斗がお茶を用意したのだ。彼にとっては増岡の死はただの死ですまないことが何かにつながってしまってしまったのだろうから。

「そうですね。まだ探っている最中ですけど、増岡はベンチャー企業をしていた時にすでにきわどい手を使っていたんです。そこで何かしらの契約をしていたのかもしれません。増岡の弟が現れたときに全てが終わった時だと俺は見ています。」

「貴方の眼は疑っていません。ただこの事件を解決するしかないんです。俺の人生すら前へと進めないんです。」


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