ざわめく場所
北見が帰った後に宗はそっといった。
「この件は轟にいったほうがよさそうだな。」
轟というのは元警視庁捜査一課に在籍をしていたほどの腕を持つ刑事の名前だ。今や情報屋として生業をしていることはひそかに知られているのだ。
「サンズのことで山田剛三ですね。まぁ、あの人のことだからあっさり教えてくれるでしょう。俺たちがあの人を救ったんですから。」
奏斗はパソコンの画面で轟についていけるサイトがあるのだ。そのサイトは裏サイトになっていてサーバーもさかのぼるのも嫌がるほどの感じなのだ。そこで人の名前や企業を書くと細かく送ってくれるのだ。このようなことをするのは轟自身に起きたことがあったのだ。警視庁にいたときにしてもいない事件に疑われてしまった上に捜査を行うことすらもできなくなってしまって飛ばされた部署もお粗末の部署であったこともわかったのだ。警視庁に対して恨みを持ったままで退職したことが知られてしまってろくな事もできなかったのだ。探偵のような仕事に就いたとしても裏で警視庁が裏で動かさないように働きかけていたのだ。そこでたまたま此処で宗と龍哉と奏斗に会ったことで情報屋として動くことに決めたのだ。そこで動くにも動きやすいように奏斗はサイトを開設をした。それは裏サイトのような構造になってしまったのだ。
「轟がいることで低価格で探偵っていう生業をしていられるんだよ。轟だって今も刑事をしたかっただろうが、それすら奪われてしまうのなら嫌だろうな。」
「あの人は警備会社にいても人の非常時に使われて切られて終わりだったんだ。だったら元いた場所の闇に落ちるしかないからな。」
龍哉はそういって資料を見た。裁判の資料を見ているとサンズについては何処か明るくなってしまうのだろうか。残業の未払いについてを細かく書いてあるのは書き込んでいることを見ているのだ。
「依頼人は元いた会社を訴えるというのを勇気がいるものだからな。嘘を書いても通るものじゃあるまいし・・・。」
「サンズには裏はないだろうか。警察がかかわるほどの会社っていうことか?」
「そんなことないだろう。」
「それももう一回、サンズについて調べる時があるんですからね。急がずに待っていればおのずと見えてくるものもあるんです。」
奏斗とはそういって小さく笑った。此処には探偵も弁護士もいることが強みとしているが、かけている部分があるのだ。それはパラリーガルを持たない、助手を持たないことでしているのだ。それを補っているのが、轟だ。