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漏れた声

「なんだよ。俺の話をしていたのか?」

「そんなところですよ。」

奏斗がそういうと彼は笑った。ある一部のところでしか話題に上がらないこともあってか、平凡な部分で上がるのはうれしいのだろう。

「轟さん、貴方を待っていたんですよ。」

「だろうな。警視庁に表向きでいってみろ。普通じゃ違法とかを探し回るに決まっている。俺と笹田のこともあって調べないんだよ。」

「それってどういうことですか?」

龍哉が聴くと楽しそうに宗の隣に座った。簡単な話なのかもしれないが、大きなことをしたわけじゃないんだという風にしている。それでも警視庁にとっては手に付けてはいけないものであったのかもしれないのだ。

「しいて言うならパンドラの箱を開けてしまっただけなんだよ。その相手がまさか総理大臣だなんて嫌だろ。弱みを握っているとしか思えないんだ。」

開けたパンドラの箱の大きさというよりかは開けてしまったが故の影響力の強さを感じただけなのだろう。今の総理大臣となると増岡康太ということになるのだ。増岡はそれほど疑わしいことをしていたにも関わらずそれをもみ消した人間がいる。

「増岡を今は奉っているように見えるかもしれないが、一部の人間を取り上げてしまったらそうなるんだよ。それ以外の人間はそんなことを思っていないんだよ。・・・くだらない論争に巻き込まれてしまったと思っていいんだよ。」

増岡の政策はもっぱら企業ばかり目線を言っていて金持ちにしか利益が生まれないとなっていることもあって不満が募っているのだが、全くもって聞き入れようとはしないのだという。国会での態度は悪く、それでも周りの意見を聞き入れようともせず、裸の王様状態になってもなお気づいていないのだという。

「増岡には今、敵にしかいないんだよ。当選した当時の味方ばかりの世界とは変わってしまっているのに、それでも秘書が持ち上げているのではないかとも思ってしまう。秘書にとっては口が堅いことが鉄則になってしまっているから。」

秘書の口の堅さは鉄則のようになってしまっているが、何処かで不満が上がれば一発の兵器のようにしか思えなかった。それでも頼り切っているのは丸見えなのだ。

「増岡は事務所の中じゃダメなんだってさ。父親の力を使って上がって来ただけの人間だから余計にいったんだよ。」

増岡は今や四面楚歌のような状態になっているが、その秘書のおかげで全くもって気づいていないのだから笑えてしまうのだ。宗にとってはそれは使える話なのだ。

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