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画面越し

轟は一度は警視庁捜査二課でエースといわれるまでの存在だったのだ。いろんな事件に切り込んでいる姿は誰よりもすごかったのだという。それでもある事件のことで入り込みすぎてしまったが故に警視庁が切ったといってもよかった。それに笹田も加わっていた。彼らは誇りをもってしていたのだが、組織にとっては駄目だったのだ。

「轟さんってそれほどの人が切り捨てられなかったのは、内容もあったんだろうな。単純な事件じゃなかったって聞いたからな。」

その事件は一見普通の事件のように思えたのだ。ある男性がビルの一室で殺されるという事件が起きたのだ。その時の被害者は会社を経営をしていたのだ。その隣に女性が倒れていたのだ。

「その事件にいち早くいったのが親父だったわけだ。それ気に食わなかったのが刑事部長だったらしいんだよ。その刑事部長はキャリアのコネで上がって来たような人間だったから現場を知らないことで有名だったんだ。」

そこに政治家も関わっているかもしれないという噂が上がるとその刑事部長は事件から手を引くように言って来たのだろう。その時のふがいない姿をさらしていると思った笹田は事件を解決することに意味があるといってのけたのだ。

「それでも事件を追ったことで当時の刑事部長は上から追い込まれていったんだよ。そこで親父を差し出すことで自分は難を逃れようとしたんだ。・・・まぁ、組織からすればコネで這い上がった人間だとしてもコネの相手で気を遣うわな。」

宗はパソコンを開いた。そこにはその当時の上層部の人間の名前が書かれたファイルがある。探偵になった時に宗を疑ったことがきっかけで似たようなことがないかと思って探りを入れたのが始まりだった。その時に警視庁が揺れた事件が起きたにも関わらず、今も未解決のままになっていることを知ったのだ。

「その当時の刑事部長は今は警備会社の役員といったところか。天下り先が警視庁とつながっているとなると匂うだろ。」

「怪しいですね。何処かで不手際が起きても見過ごされてしまっているとしか思えないです。ましてや、コネで入って来た人間を守るというのはそういうの人間だっていうことですね。」

「あぁ。」

裏で手を回すことがたやすい人間があふれてしまっているのだと思ってしまった。

「そういう人間ほど何を考えているか、わからないんだよ。厄介なほど権力に酔っているからな。」

龍哉はパソコンを見つめていた。つぶやいた彼の言葉には過去の経験が故のものなのだろうとも思った。

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