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伝わる音

「山田じゃなくて会社自体となってくると俺の胸中だな。俺なら身辺調査の歴がある分、素人がやったらばれるぞ。」

「何時も通りに頼ってしまわないってことか。けど、下手な出方するとお前、探偵を続けられないぞ。」

「俺はこの仕事を続けているのは俺の両親のことが知りたかっただけだ。両親を調べてもろくにわからなかったのなら人のためにこの仕事をやれなくなっても構わないんだよ。」

宗の言葉に龍哉は明らかに怒っていた。龍哉にとって宗は大切な人としかならないうえに人を助けるということの根本を教えたような存在だからだ。

「お前、まさか変なことを考えてないだろうな。探偵をやめてどうするつもりなんだ。お前にとって探偵というのは安易な気持ちでなったわけじゃないだろう。・・・簡単にその言葉を言うんじゃない。」

「わかったよ。龍哉。とりあえずは何時も通り、ネットに頼って情報を得るよ。」

何時も素人の人に頼って情報を得ているのだ。轟に頼るにしてもある程度の情報を得ることができるので、深くまで知らないままでいいのだろうと思った。サンズという大手の企業とつながっている会社となると上からの圧力が起こりうる。そこまで見据えているからこそ、ある程度のところでやめておかないときりがないうえに悪事があぶりだされるのは時間の問題だ。

「奏斗、何時ものように頼む。」

「わかりました。・・・まぁ、轟さんのことだからそれなりの人を選んでいるでしょうし、大丈夫ですよ。俺たちに火の粉が降りかからないように配慮しているんですから。」

「何時もの相手とは違うんだよ。奏斗。・・・サンズというのは大きな立場から守っている会社だ。上に気づかれずにやれるのは少し時間がかかるんだよ。内部となると時間がかかるんだ。」

会社自体を調べてほしいといわれたことは少なからずあった。それはあくまでも中小企業だったり、ベンチャー企業だったりすることもあってすぐに内部は知ることはできた。今回は相手が大きくなるためにすぐにはわからないだろうと思った。

「1人を山田のいた店舗のアルバイトとして入れるようにしてくれ。山田の情報が何かにつながるかもしれない。あとは本部なりに入れるようにできないか、やってくれ。」

「わかりました。轟さんに伝えておきます。」

「いいよ。伝えなくて・・・。大体あの人も検討がついているからお前に連絡が来ないんだろう。確からしい情報が来るばかりで・・・。」

轟と会うのは数が知れている。それでもわかるのだろう。

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